21時に開け、22時までに終わらせる予定です。
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本日のテーマ「星」「落書き」「砂糖」
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デュースのホームバレしますので、バレ苦手な方は避けてください。
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……さすがに、気になってうろうろしていたのが、幸いだったのだろうか。
寮から二人もスターゲイザーが出るという事自体が無かった……勿論今まであったのだろうが、リドルは流石に二年生なので、知らない。
三年生のトレイも選ばれることは初めてで、なかなか忙しい、と苦笑して、ごめんな。とリドルに言って、その日からトレイお手製のおやつが無くなった。というか、リドルから言ったのだ。
この期間中、リドルにかまけて失敗……まではしないだろうが、本来のトレイのポテンシャルが十分に引き出せなかった、という事になってしまえば寮の沽券にもかかわる。
期間中はこちらのことは気にしなくていいので、きっちりと役目を果たしてほしい。
トレイもそれはわかっているので、素直に頷いてくれた。
願い星も順調に集めているようだ。
が、問題が一つ。
「クローバー先輩ぃ……」
おろおろしながら、しかし何の役にもたたないデュースが傍でうずくまっている。
「大丈夫、大丈夫だ……」
「まったく……注意力がないにも程があるね」
二人もスターゲイザーを輩出したハーツラビュル寮の寮長としては、寮でのことだけではなく、二人の様子も気になる。なので練習をそれとなく気にして見に来たのだが、デュースがその腕でトレイを張り倒すさまを見てしまった。
見事に吹っ飛んだ分、逆に大きな怪我はしなかったようだな、と確認しつつ、トレイ。と声をかける。
「医務室に付き合おう。本番に青あざのついた身体で出るわけにいかないだろうしね」
「そうだな。まぁ大丈夫だと思うが」
手を引いて立ち上がらせようとしたら、結構重い。そう言えば身長差が。と思ったところで、デュースが隣からトレイを立ち上がらせてくれた。
「僕が連れて行きます、オトシマエはつけないと……」
「いいから、トレイを吹っ飛ばさないように練習しているんだね」
「ローズハート寮長……」
うう……と唸るデュースの手からトレイを受け取り、流石に大人げなかった、と思うリドルだが、デュースはそれを気にした様子はない。
頑張ります、というデュースを置いて、トレイ、と言って手を引いた。
「大丈夫かい? 眼鏡割れたり歪んだりしてない?」
「ああ、びっくりはしたが」
ふぅ、とため息を吐きながら、トレイは己の腕を確認する。
「多分痛めてはない。打ち身ぐらいだな」
「そう……それならいいけど」
言いつつ、隣を伺った。
不思議な気分だ。伝統衣装のトレイ、デュースとは全然違う。
「どうした?」
「ん、ううん」
(こんなに体格が違うのに、よく吹っ飛ばせたな……)
遠目だったからはっきり見えたわけではなかったが、腕の振りで見事に張り倒された、というように見えた。みぞおちを一撃。
デュースはなかなか……と思いながらもまたトレイを見てしまう。
「ひっくり返ってしまったけれど、衣装は壊していない?」
「多分大丈夫だと思う。逆にそのまま倒れたからな……デュースはちょっと、真っすぐで素直なんだが」
「躊躇がないからね、あの子は」
「そうだな」
意見の一致をみる。
医務室で色々と見てもらい、労をねぎらわれ、とりあえず今日は湿布薬をもらって休むことに、という事になった。
トレイはデュースにメッセージを打ち、二人で寮に戻る。
勿論、大切な役目とはいえ、スターゲイザーのことをしているだけではないので、他の話もいくつか出る。
何気ない会話をして、寮に戻ると入り口近くにケイトがいた。
「あれ。どうしたのお二人さん?」
デュースと、という説明を一通りしたらケイトは大笑いした後、リドルと同じく『衣装は無事?』と聞いた。
「お前たち、衣装の方が心配なのか」
「だってトレイくん、デュースちゃんよりデカいしごついじゃん。もう、衣装の感じが全然違うし」
「似合わないって?」
苦笑しながら裾をつまむトレイに、えー。とケイトは唇を尖らせる。
「そんなことないよ、男性美ってやつでしょ? あれはあれ、これはこれでカッコいいよ?」
「そうか」
「そうじゃなかったらマジカメ載せないって。もう一枚いっとく?」
「行かない。やめろ」
スマホを構えられて嫌がるトレイの姿を見ながら、ああ、そういえば。と思う。
ケイトのマジカメアカウントに、トレイのこの姿が載っていたのだ。
そう思いながら見ていたら、ケイトにパシャっと一枚撮られた。まぁいつものこと。
「うん。ツーショット撮ってあげたよ、ハイ、リドルくん」
「え?」
首を傾げると、スマホに通知音。
「アップしてないから、送ってあげただけだから」
ケイトはトレイにそう言い訳をして軽快に去っていく。
リドルが通知を開くと、ケイトから画像データで確かに、トレイとリドルが同じ画面に収まった写真が届いていた。
「……」
しっかりした肩が出ていて、ちょっとドキッとする。
トレイは長身なのでひ弱には見えていないだろうけれど、そもそもちょっと体格もいい方だ。制服などではなく、こういう格好をするとそれが目立つ。身体つきだけだとサバナクロー生に交じっても目立たないぐらい。
「あいつ……」
「うん、でも、ちょっとその姿のキミの写真、欲しかったからね、良いよ、ボクは……」
ケイトの素直さに触れていると、自分もそうしたほうが良い気がして、リドルはそう言った。
トレイは少し瞬いて、そうか、と眼鏡に触れた。照れたのだと思う。
中庭でひっくり返ったのだから、着替えてシャワーを浴びる、とトレイは部屋に戻った。
リドルはそれを見送り、寮生たちの色々なことをチェックして、宿題、予習復習を片付け、夕食にはいつもの面々と。
デュースがすんませんでした! と騒ぐので、もうやめてくれ、と苦笑するトレイ、からかうエース、いつも通りの時間。
本当に、最初から考えたら信じられないほど穏やかな時間だ。
こういう日が来るとは思わなかった。
(星送りが終わったら)
まもなく、リドルは三年生に、つまりトレイは四年生になる。
時間は過ぎるものだ、仕方ない。
指折り数えて待ったこともある一年、けれど本当に、この一年は『あっという間』だったから、きっとこれからの一年もそうなってしまうだろう。
そうなると、また、リドルは『トレイが傍に居ない一年』を迎える。
今は『行事の為』に食べられていないだけの、トレイのおやつも、一年は……多分無理だ。
こんなに甘やかされてしまった自分が、今更、それに耐えられるだろうか。
(情けない、何を考えているんだ)
なんて間抜けなことだ。
この男が傍に居ないと何もできないだなんて思いたくないのに。
食事が終わって、寮で、デュース、リドル、とトレイに呼ばれた。
内緒にするように、と示されながら、キッチンに。
「外で運動するからな」
言いながら、トレイはデュースに経口補水液のレシピを教える。
説明しながら、砂糖と塩と、と測らせつつ、何事かついでにコンロにかけている。覗き込むとべっ甲飴だ。これぐらいならデュースにも出来ると踏んだのだろう。
「これは……」
ほうほう、とデュースがレシピをメモる。
何のために呼ばれているのだろうか、流石に経口補水液ぐらいなら『医療用のレシピ』になるからリドルでもわかるのだけれど。
「さて、本題だ」
そういって、トレイは冷蔵庫を開けた。
二人の前にプリンを置いてくれる。いつものようにアラモードにはなっていない、ただのシンプルなプリン。
「何も作らないつもりだったんだがな、落ち着かなくて」
「トレイ……」
「クローバー先輩……」
きらきらするデュースに、お前も好きだろ、とトレイはスプーンを渡してやる。
元気に言って、デュースが食べているのをちょっと微笑ましく見てから、リドルもその柔らかなものにスプーンを沈ませた。
「うん、美味しい」
離れても大丈夫だろうかと思った所なのに、こんなことをして。
(まったく……)
甘やかされて、困る。
「俺も食べるの久しぶりだな、リドルに作るついでにつまんでるからな」
笑いながら、トレイが座った。
なので、リドルは足を伸ばしてその膝をつつく。
ついっと運ばせると、目線が来た。
なので、メッセージを描く。
露骨な誘いかけに吹き出しそうになったトレイはスプーンを止めて、そして、リドルの書いた文字はちゃんと読み取れたらしい。読み取れて何よりだ。トレイ側から読めるように鏡文字に書いてやっただけある。
眉間にしわを寄せて、それから、むにゅっと唇をゆがめる。ニヤつきそうなのを止めているのだろうけれど、結構間抜けな表情だ。
『明日の朝のキミのメイク、ボクにさせてくれる?』
(なんだ、やっぱり、)
寂しく思うのはリドルだけじゃないのだ。
そしてこういう時に嬉しく思うのも。
ニヤニヤしているトレイが間抜けで、可愛い。味なんかわからない、という顔でプリンを食べているので、美味しかったという事をベッドでちゃんと伝えてやろうと思う。
それからいっそ、クローバーのマークではなく、キスマークにでもしてやろうか。
その頬に触れているのが誰か、見せびらかしてやりたい気分だ。
(落ちてないけど終わらせよ。)
https://twitter.com/honey_come_on/status/1299699495937040384?s=20
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あげた。
おとすやで。