21時に開け、22時までに終わらせる予定です。
気が向いた方はリツイートとかアドレスツイートお願いします。
コメント、ハートは大歓迎です。言葉が浮かばない人は「キャー」とかかいてやってください、というのがいつものノリ。(書き終わり次第の反応になります。1時間待てる方は応援してやってください。また、終わった後はダラダラチャット会となります。)←今週はとくにいなかったら新作の原稿チャットにスイッチします。
本日のテーマ「歯磨き」「誕生日」「お菓子作り」
◆
よろしくお願いしまーふ
二十四時間テレビつけてると引っ張られるな。凹む。
ネタは8割出来たけど
あとちょっと
今日静かだな。みてるぅ?
アーーー♥――――――!!!!!!!!!
まぁ実際にはサマーホリデー中だと思うんだけど、ちょっと無理やり夏休み中に寮に戻しました。サーセンね。。。
◆
リドルの願いは、出来るだけ叶えてやりたい。
トレイはそう思って生きてきた。
勿論そのために自分を犠牲になどしないし、極端な無理もしない。そう心がけながら。
トレイがリドルの望みを叶えてやりたいと思うのは、自分の欲望のうちの一種類がそう、というだけのことなのだ。だから己を犠牲になどしない。そうやってしまうと、いつかリドルを恨んでしまうだろう。
ひとかけらも害をなさない存在でいたいのだ。そう思っているけれど。
(まぁ、付き合ってるっていう段階でそれは無理か……)
そんなつもりはなかったのだが、やはり深夜に二人で居ると、そういう気分になってしまうな……とトレイは己を冷静に分析する。
リドルは薄っぺらな恰好でトレイの隣にいて、真剣に魔法でボウルをかき回している。
首筋、襟足が見えて、何だか色っぽいな……からの、その、ルームウェアの襟ぐりをじっとり見てしまっている。目を凝らすと薄っすらと産毛が見えるのがぞくぞくする。これは明るい所でないと見れないものだし、電気をつけてセックスしたこともないし……。
(駄目だ、完全にそういう事ばっかり考えるな……)
せめてリドルが何か話してくれれば、と責任転嫁したところで、リドルは顔を上げた。
ぱち。と目が合う。
「これで大丈夫?」
「え、ああ……」
つんと角のたったメレンゲを見て、トレイは頷いた。
「大丈夫だ」
「良かった」
ふにゃっと笑ったリドルに、また、ぐ……っと来る。
こんな顔で見あげられるのはおそらくトレイだけだ。普段は別に良いとも悪いとも思っていないが、この瞬間だけは嬉しい。親の遺伝子と神の采配に感謝する。リドルに見上げてもらえる身長でよかった。
じゃあ次、と手順を説明しながら、改めて尋ねる。
「本当にこれでいいのか?」
「うん」
リドルは迷う事もなく、事も無げだ。
二人は今、深夜のキッチンで、大変素朴なケーキを焼いている。
トレイが色々といやらしいことを考えるような状況では本来ない。ただ、自分は作っていないし、簡単なものだし、リドルは可愛いし、深夜なので。
明日はリドルの誕生日だ。
明日、というか、もうあと一時間と少しで誕生日なのだけれど。
寮生たちが祝ってくれるので当日は忙しいだろうし、何か欲しいものとか、と数日前に聞いてみたら、リドルの要求は『出来るだけ簡単なケーキか焼き菓子の作り方を教えてほしい』だった。
というわけで、ごくシンプルなココアケーキと、クッキーを作っている。
深夜になっているのは、これが『誕生日祝い』だというのと、二人とも時間が無かったからだ。
予告があったことなので、トレイは根回ししてキッチンには誰も近づけないようにしている。その結果、二人きりだな、と思うと一人でムラムラしているのだから、墓穴を掘ったとしか言いようのない状況だ。
明日が本番の寮長に、今日、手を出せるわけがない。
誰かの前に立つ寮長は強く美しく完璧でなくてはならないのだ。それは、本人もそうありたいだろうが、そもそもトレイも『そうあってほしい』と思う。
自分が膝を折るのならば、相手は気高き女王様であるべきだ。
だから、これを終えたら、ちょっとだけつまみ食いして、歯を磨いて、おやすみ、また明日な。といって、キス……ぐらいは……許されると思う。そこでブレーキをかけるべきだ。
「トレイは『こんな事』っていうけど」
オーブンに入れると、リドルもため息を吐く。ホッとしたらしい。
「キミ以外の誰が教えられるっていうんだい?」
「まぁそれはそうだろうが」
「ボクはキミの焼くケーキの味を覚えたいのだしね」
「……そうか」
そういうことを、だから、軽率に、口にしないでほしい。
片づけるか、と言うと、それは得意、とリドルはペンを振った。
ボウルが汚れを落とし、水を飛ばし、自ら棚の中に入っていく。いつもながら見事な手際だ。
「こんな時間につき合わせてしまって、申し訳ないことをしたね」
「いや。全く問題ないさ。おめでとうも言えるしな」
「ふふ」
リドルは小さく笑って、いたずらな顔を向けた。
「確かにキミに一番に言ってもらえるね」
「明日も期待してろよ」
「うん、楽しみだ」
そう言って、リドルはトレイを見上げる。
「寧ろ今が一番キミが作業したかった時間じゃないのかい? 邪魔をしているよね?」
「大丈夫だ。下ごしらえは終わっているさ。明日は本当に楽しみにしてろ」
そうなんだ、とリドルは無邪気に喜んでいるが、そのためにトレイが『俺は寮長の為にケーキを焼いている。一歩でもキッチンに入ったらどうなるかわかっているよな?』を寮生に強いているので、寮生たちは多少不便だろ思う。知ったことではないけれど。
そう思っていたらオーブンが二人を呼んだ。
トレイは手伝わず、リドルがそれを取り出すのを見ている。
飾り気のないケーキだ。家で焼くケーキ。
こういうケーキはリドルにとってはトラウマのものではないのだろうかと思うのだけれど、トレイのレシピなら構わないという事だろうか。
同じように焼けたクッキーをつまんで、ケーキも一欠けらだけ切ってしまって、小さなお茶会をする。
こんな時間に食べて、とはリドルは言わなかった。
「店に出さないようなケーキでも、トレイの作るものってやっぱり美味しい」
「今日はお前が作ったんじゃないか」
口出しをしていただけだぞ。と、トレイが言うと、リドルは、小さく首を振る。
「多分キミが居ないところで作ったらあの味にはならないよ」
「そうか?」
「何かミスしても多分気づけないしね。タイミングとかも」
「そうか……」
それならリドルの為になった、のだろうか。一緒に居た意味があったというか。
「全く同じように出来るようになりたいとは軽率には言わないのだけれど、多少でも出来るようになりたいとは思っているんだ」
「俺が焼いてやるだろ?」
キミが居なくてもと言い出されると嫌だ、と思ってしまって、少し先走る。それは勿論。とリドルは笑った。当然、の扱いをされるのは良い。
「でも、そうはいってもボクもキミの為にしてあげたいこともあるんだから」
「……ケーキを?」
「焼いちゃ駄目なのかい?」
唇を尖らせて、リドルは言う。
「料理は面倒なものだろう? キミはいつもボクの為に作ってくれるけれど。時々、それこそ、年に一日ぐらいはボクがしたってかまわない筈だと思うけれど?」
「いや……」
早口で言われて、思わず片手で顔を覆う。ニヤついてしまった。
「何!?」
「可愛いなと思っただけ……リドル?」
「なんでもない、」
トレイが言い返すと、リドルは明らかに驚いたように目を見開く。だから尋ねたのに、リドルは頭を振ってしまった。
食べ終わり、皿も片付け、歯を磨きに行く。
二人で並んで歯を磨きながら、リドルは呟いた。
「ボクの誕生日当日は毎年、キミのケーキじゃないと嫌だから」
「ああ、ずっと焼くよ」
「でも、キミの誕生日は、キミが、嫌じゃないなら、ボクが何か、作るから」
「……ああ」
珍しい、こういうことをしながら話しかけてくるのが。
というより、気まずくて面と向かっては言えないのかもしれない。
(思い上がっても良いんだよな)
ずっとこうやって、日々を重ねていくのだと。
毎年、一緒に居るのだと。
……そう、言ってくれているのだと。
深夜に一緒に罪を犯して、歯を磨いてその証拠を消して。
毎年、こういうことを。
手洗い場にある時計を見上げると、リドルと目が合った。
二人で無意識に秒針を数える。
……ゼロ。
「誕生日おめでとうリドル」
「ありがとう」
目が合って、少し触れるキスをする。
トレイ、とリドルが小さく囁いた。
「明日なら、いい」
「……いい?」
「……、キミはちょっと、ボクを見すぎだと思う」
「……」
さすがに言い返せなかった。
おやすみ、と言いながら、リドルはまたトレイにキスをしてくる。
そのまま逃げるように去って行かれた。
「……はぁ……」
正解だ。少しも歩を緩めないでくれ。
追いかけて行って、押し倒してしまうかもしれないから。
◆
おわり。