あ。と、思った瞬間には既に母は真っ赤に染まっていた。あの日から私の目は真紅色になったのだと記憶している。
「隊長、第三中隊が劣勢のようです。援軍を送りますか? それとも撤退命令を?」
 今、眼前にはあの時と同じ赤が広がっていた。血で血を洗う……否、火で火を洗う争いの結果だった。燃やしているのは誰の怒りだったかは皆既に忘れていた。
 つまらない思いが顔にも出ていたのだろう。双眼鏡を手にした観察係がこちらの様子を窺い戸惑っている。迅速な指示。彼女はそれ以外を今は欲していない。
「撤退命令は出さない。援軍も送らない」
「そっ、それではただ全滅を待つだけでは──隊長?」
 豪奢な椅子にふんぞり返ったままの言葉。観察係はまだ若かった。私の言葉に反感を覚えたのか勢いよく立ち上がったが、すぐに動きは止まる。
 援軍はいらない。私が出るからだ。
 無駄に大きな背もたれに手をかけて立ち上がり、何歩か前に出れば戦場の熱気が伝わってくる。いつまでこのようなままごとをさせるつもりなのだろうかという腹立たしさを抑え込みつつ、高みの見物をするための塔から飛び下りる。
「お出ましか紅蓮!」
「変な名前で呼ぶな」
 敵対している者達の炎は青かった。こちらの赤と混ざって変な色になっているが、それでもまだ元気だった。
 当然だ。今この世の中に燃えて死ぬ人間などいないのだから。
「さぁて、今日も楽しく遊ぼうぜ!!」
 だからこういう輩が生まれるのか。
「遊ぶつもりはない」
 辺りは赤でもなく青でもなく、白に還った。
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即興小説15分
お題:真紅の怒りをまといし戦争
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書く前
軽率に行けば真紅=血・炎とか 怒り→感情あり
巨神兵的な? 怒りまといし戦争戦争な~ 局地戦 感情が伴ってるなら個人フォーカスかな~
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書いた後
現代異能バトルみたいなの書いたことなかったな~と思って異能バトル感出したつもりだけど、出てるのか?これ出てるのか?
少しでもファンタジー要素入ってると一人称だと描写しづらいなと思う。
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