とても良いことを教えてもらえてヴァッカリオは上機嫌だった。ぴえんを送るのはヴァッカリオだけだとハッキリ兄が言ってくれたのは大きい。
何か良いことがあったのかとアレイシアに聞かれてそうなのだと同意をし、酒も飲んでないのに気分の良い上司をいぶかしく見るエウブレナとネーレイスには笑顔を返しておいた。
それからこれは良いことに分類していいのかは未知数だが、アポロニオから食事に誘われた。先日のわび、のようなものだとのことで、休みが重なったら行きたかったところがあったのだという。
以前であれば、喜んでその誘いに乗ったことだろう。
だがそのわびというのが、つまり嫌がるヴァッカリオに見合いをセッティングし、さらに二人目を紹介したことを指すというのなら、この誘いは怪しいと疑わなくてはならない。何故かは分からないが頑なに女性と会わせようとしていたのだから。
後日送られてきた、行きたかったところというのが、これまた雰囲気の良さそうレストランだった。確かに兄はこのオリュンポリスで知らぬもののいない有名人だし、そんな人がゆっくり食事をしようというのなら、多少グレードの高い店を指定してくるのも分からないでもない。だが、先日見合いで利用した店も、はっきり言ってこういう感じだったのだ。きちんとした服装で来るようにという注意書付きとともに待ち合わせの時間が送られてくる。
端末に並ぶ兄からのメッセージをじっくりと眺め、ガリガリと頭をかきむしった。
***
兄の住むマンションのエントランスでインターホンを鳴らす。
すぐに「はい」と返事が返ってきたので「おいらだよ」となるべく明るく声をかける。息を飲むような音が聞こえ、どうかしたのかと震えた声が聞いてきた。やっぱり兄は嘘がつけない。
「一緒に行こうと思って。だめだった?」
「……いや、そんなことはない。入ってきなさい」
認証済みで鍵も預けられているヴァッカリオが、わざわざ事前にインターホンを鳴らしたことに何かを感じたのだろうか。諦めたような返答とともに、ロックが解除された。
ヴァッカリオを迎え入れたアポロニオは部屋着のままだった。弟のスーツ姿にほんの少し瞳を輝かせ、似合っているなと小さくつぶやいた。
「お兄ちゃんはまだ着替えないの?」
「私は……」
「まぁまだ時間はあるからねぇ」
「ああ」
いつもであれば、ヴァッカリオがやってくると驚くほど無邪気に笑い、喜びを全身で表してくれるというのに、今日の兄はずいぶん大人しい。それにつられるようにヴァッカリオも口を閉ざしている。
「でもあんまりゆっくりしてるのもよくないんじゃない。いつも早め早めが大事だって言ってたよね」
「う、うむ」
そのままヴァッカリオが先導するようにアポロニオの部屋へと入ると、開けるよと一言断りを入れてクローゼットに手をかけた。
私服もヒーローの制服も、アポロニオはカジュアルなものをいつも身にまとっている。しかしごくたまにだが、式典であったりお偉い方についてSPの真似事を頼まれたりと言った機会が年に数度はあるため、何着かそれ用にスーツを仕立ててあるのだ。
あいにくと着慣れていないヴァッカリオにはどれが良いものか見た目では分からない。似合う似合わないでいうなら、オーダーメイドで仕立てられているだろうスーツは細身のアポロニオにもよく似合うだろう。
どれを着るかと、後ろで手持ち無沙汰に立ちすくんでいる兄に尋ねようかと思ったところで、一緒にクローゼットに納められていた一本のネクタイに視線が吸いよせられた。
「これ……」
手に取ったネクタイをアポロニオに見せれば、緊張していたその表情が分かりやすく穏やかになる。
「覚えていたのか」
「そりゃ覚えてるよ、だっておいらが誕生日プレゼントであげたやつじゃん」
ハート有難うございます!!
またまたハート嬉しいです!(タイピングに慣れてなさすぎる)
ハーといっぱいいただけて嬉しい…!!
ええ、なんかいっぱいハート乱舞くださあって有難うございます!!でも何故!?(笑)
ハート乱舞見ててめっちゃ楽しかったです。わーい✨
応援されてる…!というか正にけつたたき!
ドキドキして頂けて嬉しいです!
済みません、今日の配信は子kまでにさせていただきます…短い間でしたが見てくださって有難うございました