今日も、何も無い平凡な一日のはずだった。
 オムニアの街にて散歩(デート)を楽しんでいたクレイジーとダークサムスは、突如出没した敵たち――ディスペアの襲撃に巻き込まれた。奴らは一般人の感情を、魂を食らう。見つけ次第、英雄たちは速やかに倒さねばならない。
「ダークサムス! そっち行ったぞ!」
「分かっている!」
 自らもディスペアを軽く屠っていくクレイジーの指示に、ダークサムスの肉体は俊敏に動く。あっという間に、敵たちは数を減らしていく。――圧倒的な力は、街ゆく人々の視線を集めていく。
 ――クレイジーの視界の隅に、逃げ遅れた少女の姿が映る。――彼女は、足を怪我しているらしく、動けずにいたのだ。すかさず、クレイジーはその少女を助けるべく走ったが――それが、隙を生み出してしまった。彼女の後頭部を狙い、ディスペアの一撃が放たれて――
「……忘れてもらっては困るな、絶望の落とし子よ」
 そしてそれは、ダークサムスの迎撃により無意味と化した。彼女は、迎撃ついでにクレイジーに一撃をかまそうとした無礼なディスペアを撃ち貫き、呆気に取られるクレイジーをよそに少女へ歩み寄り、その目の前に立った。
「大丈夫か、小娘」
 ダークサムスが、凛とした声で少女へ告げる――昔の彼女ならば、このような行動は考えにくい。それほどに、彼女が進化と退化を果たしたということだろう――
「我が門弟には、そう易々と死なれては困る。……嗚呼、最もお前はまだフェイゾンの洗礼を受けてはいないか」
 ダークサムスの背後より差し込む逆光も合わさり、その光景はまさに神の使者が地上に降り立ったように神々しかった(最も、神の化身その者が横に立ってあるのだが)。
 少女は感服し、ありがとうございます、とダークサムスに頭を下げると、駆け足で立ち去って行く。――湧き上がる歓声。有象無象の街人たちが、拍手喝采を捧げている。
「……お前なぁ、上手いところ攫っていきやがって」
「単なる気まぐれだよ」
 その歓声を背に、二人は立ち去ってゆく。ため息混じりのクレイジーに対して、ダークサムスの声には温度はない。
「お前、そのご達者なお口で何人を門弟にしたんだよ?」
 皮肉混じりに吐き捨てるクレイジー。邪魔だてされたからか、彼女の口調は明らかに不機嫌だ。
 ――ダークサムスがスマッシュ・ブラザーズの正式な英雄となってからは、彼女に心酔し支持するファンも増えてきた。彼らは、嘗てダークサムスに心酔し、崇め奉ったものたちのように「門弟」と呼ばれている。――違いがあるとすれば、フェイゾンによる洗脳の有無だろうか。
「さあな。私にも分かり兼ねる。と言うよりは、彼奴らが勝手に私に付いてきているのだよ」
「ま……お前のカリスマ性が根っからのものだってのは知ってるし認めてるぜ」
 そうして、街を歩く二人。目的地までには、まだまだかかるようだ。
「……視線がやりにくいな」
「集めたのお前だろっ!」
 ――ダークサムス様万歳、と讃える声を背後に、二人は目的地に向けて再び進み始めた――
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短文SSトレーニング 一日目
初公開日: 2020年08月16日
最終更新日: 2020年08月16日
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クレダムへのお題は『その口で何人の女を口説いたの?』です。
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