21時に開け、22時までに終わらせる予定です。
気が向いた方はリツイートとかアドレスツイートお願いします。
コメント、ハートは大歓迎です。言葉が浮かばない人は「キャー」とかかいてやってください、というのがいつものノリ。(書き終わり次第の反応になります。1時間待てる方は応援してやってください。また、終わった後はダラダラチャット会となります。※22時半現在チャットタイム中)
本日のテーマ「宝物」
◆
ちょっと髪の毛乾かすね
本日もよろしくやで。
すみません、どんくさくてね。。。まだお風呂入ったところで。。。笑
たからものかー
ご飯も食べ終わったところでね
たからものねぇ
これ言いだすとあんまり触れたくないところになりそうな気もするというか
イデアズワンライさんにしては難しいテーマだなと思ったけど、そうか、汎用テーマか、普通なら。イデアズなら難しくなるだけで。
イデアの宝物って正直オルト、を通した何か、だと思うし、それは触れちゃダメでしょう。
アズールがたからものにしてたものは監督生が砂にさせてしまった。
うーん。
そうすると、イデアが「アズールの案件を知った後」になってしまうんだけど、イデアは知ってるかな、現状オープンにされてるシナリオで。。。
いや、知らないだろうな。。。
4章までよりも明らかにゴスマリのほうが「新しい」話なんだよな。
あの段階でまだ まだ! だからね。アズールは処女です。勝訴って書いた紙もって走り回りたいわ。
そうなると、まぁあんまり内容のない感じになっちゃうけど、「後」か、あとねぇ。。。
髪の毛を乾かそうね。
そういえば昨日うっすら公開したのだけれど、新刊がトレリドイデアズだよ。トレリドが地雷じゃない方はチェックしてくれると嬉しいかもしれない。まぁでもカプ混じりって嫌がられますよねー知ってる、私が受けの宴が好きなんです。
サンプル見たい??? 描き終わった後はっとこうか??
では書き終わりまでお待ちくださいな。
髪の毛乾いたんでそろそろはじめるね。オチは決めていない。
◆
運ばれてきた箱を見て、本当に来た。と、アズールは一瞬思った。
モストロラウンジで荷物を受ける。普段ならジェイドに任せきりの作業だが、今日はそれに付き合う。
中にひと箱、見慣れないサイズ感の、というか、パッケージの、段ボール。
想定していたよりは小さな箱だが、一抱え、というだけのサイズ感はある。
「本当に懐かれているんですね」
「懐く、という言葉が適切かどうかは……」
ジェイドに言われ、少し唸ってしまう。
「……確かにそうかもしれません……」
その段ボールの本来の受取人はイデアなのだ。
代理として受け取ったが、受け取って置いて正直『不思議』の領域だった。
そもそも引きこもりらしく、イデアは圧倒的に通販を利用する人で、部屋にいっては段ボールに埋まっている彼を発掘……と言うと大げさか……をするために、急かして片付けさせたりする。
『あのアズール・アーシェングロット』を段ボールに紐をかけさせるという作業に使えるのは彼だけではないだろうか。
そのイデアに、気まずそうに『お願い』されたのだ。
大事な通販があって、それを受け取ってほしい。と。
どうしても今日中に欲しいので、受け取っておいて欲しいと……というわけで、受け取ったのだが。
アズールの方も個人的に受け取るのに『確実に』とは言い切れなかったので、あて先はモストロラウンジにしてもらった。それを言ってもイデアは嫌がらなかったのだ。この店にはフロイドもいるのに。
ひとまず、受け取った箱を部屋に持って行っておく。さすがにラウンジに置きっぱなしには出来ない。この店で危険なのはフロイドだけではないのだ。
置いた後、本日の業務に取り掛かる。
今日は新作のプレートが出る。初日なのだからアズールも外せない。
そのスケジュールを『部活が無い日』にちゃんと持ってきた、ら、こんなことになったのだけれど。
フロアではフロイドが監督生に話しかけていた。
グリムがいろいろやらかした件で、アルバイトに入っているのだ。
今日はおそらく『おもしれー』で最後までいてくれるだろう。……その為に監督生を呼んでいるのだが。
「さぁ、無駄話をやめてください」
促し、今日の諸注意を話す。視線をゆっくりと運ばせて、店を見渡す。
実家に比べればもちろん小規模で、学生の運営だから制限も多い。けれど、自賛しても構わない店だろう。アズールはモストロラウンジを気に入っている。
「――以上です。では、よろしくお願いいたします」
フロアは任せられる。が、新しいプレートにミスが無いように、キッチンは見ておかねばならない。
アズールは踵を返してキッチンの方に引き上げた。
◆
深夜に部屋に向かうのは、少しドキドキする。
(まぁ、そんなこと、あの人は考えていないでしょうけれど)
この緊張は無駄だ、無駄、と自分に言い聞かせながら、アズールは代理で受け取った箱を持ってイデアの部屋に行った。
ノックすると、あいてるよーと気軽に声が飛んでくる。アズールだと思っているのだ。
「失礼します。イデアさ……何ですかこれは……」
「あ、失礼しますた。思ったより早く届いちゃって」
いつものように、イデアは段ボールに埋もれていた、のだけれど、いつもよりはるかに巨大な段ボールが、ドアを開けた目の前にどかっと鎮座している。
「何がです?」
「棚」
「……あのあたりに置くんですか?」
「うん、そう」
先日来た時にそう言えばそういう話をしていた気がする、と思いつつ、スペースのあけられたあたりを指さすと、イデアはウキウキと応えた。
とにかくこのままでは話すこともままならない、いや、まぁ段ボールを押し付けて、じゃあ、と帰ればいいのだけれど、それも腹が立つ。
なんだろうか、ぶるぶる震えながら『ああああアズール氏のこと、可愛いとか思ってて……!』などと告白してきた男とは思えない厚かましさだ。
僕を誰だと思ってるんだ、と喚き散らかしたい気持ちを押さえつつ、開封して置きましょう……と自分から言い出す。手伝ってくれるんだ、などと言うので、当然対価は要求します、と言った。当たり前だ。
(とはいっても)
実家が裕福だからなのだろうか、イデアは実は気前がいい。
こんなことで? と思うような報酬をよこしてくれることが多く、なのでアズールからいつも『あれが欲しい』という事は殆どない。任せておけば、アズールの期待以上のものが返ってくるのが常なのだ。
段ボールを開封し、位置に寄せ、要らない段ボールを縛ってゴミに出す用意をして、そして、やっと、イデアはアズールをベッドに座るようにと言った。もちろん、この部屋にソファ―なんて置く場所が無い。アズールの定位置はいつもベッドだ。その件についてはさほど不満はない。たぶんここに腰を掛けられるのはイデアとアズールだけだろうから。
「面倒なこと頼んでごめんね」
「別に、受け取るだけでしたから……」
荷物を渡すと、イデアはそれをデスクに置いた。置いておいて、とりとめのない話を振って来るので、不思議に思いつつ応える。
あ、ごめん、と言ったので、何かと思ったらペットボトルを差し出された。飲めということだ、うん……うん?
(飲み物を出すほど歓待はしてくれている、帰れとは言わない、たぶん、)
気のせいでなければ、イデアの方も話したがっているのだろう、アズールとかかわりたがっている。
だから『帰られると困るから』『少しでも一緒に居たくて』こうして、飲み物なんかをくれたりするわけだが、だが、の割に。
アズールはちらりとデスクを見る。どうしても今日中に受け取ってほしいと言ったくせに、開封するそぶりすらない。
すぐに開けて中身を確認したいようなものではないのだろうか。
アズールが居て見れないのなら、とっとと帰らせればいいのだ。もちろんそうなったら気は悪くするけれど、イデアのコミュニケーション下手は今に始まったことではないので、いつまでも怒ったりはしない。またかあの野郎で終了することなのに。
……なので。
「イデアさん」
「ん?」
「あの、その棚を受け取ってる余裕があったのなら、僕に荷物を受け取るように頼まなくてもよかったのでは?」
「あ、あの棚は昨日届いてて、たまたま開けてなくて」
「今日のは? どうしても今日確認したかった荷物では?」
もう『今日』はあと数分しかないのに。
「あー……うん、まぁ、」
歯切れが悪い。
何も言わずにじーっと見ていると、うん。とイデアは一人で頷いた。
「見て引かないでくれる?」
「何とも言えません」
もう色々慣れたつもりだが、意表を突かれるということもあるだろうし。
そうかぁ、と唸った後、うーん、と言いながらイデアは箱を開ける。
中から、もう一つ、箱を取り出した。段ボールよりは小さなサイズだ。
箱を目の前に出されて、アズールは覗き込む。……フィギュア。
「フィギュア……」
美少女の、可愛らしいお人形。
「……え、これ、」
「あ、これ、実は限定でして……――」
以下、アズールにはほぼ呪文に等しい言葉が五分ほど続き、よくわからないけれど貴重なものなので受け取ってほしかった、と言う話だ、という事は辛うじて理解できた。
「イデアさん」
「はい。拙者気持ち悪いでござるな、はい、理解しておりますぞ……」
「いえ、いや、今更それは構わないんです、全然引いてはいないので」
「あ、あ、あ、そう、そうなんだ……ええ、意外、超意外」
「……あなた今まで自分の何を僕に晒して来たかお忘れ何ですか……?」
本当に、今更、美少女フィギュアの一つで引くわけない。
アズールが気になるのはそこではなくて。
「その貴重なフィギュア、僕が受け取って本当によかったんですか? 大事なものなんでしょう?」
「そうだけど」
「何故僕が受け取っても良かったんですか?」
「え、いや、大事なものだからこそ受け取ってもらったんだけど……」
「言うまいと思いましたが、モストロラウンジにはフロイドをはじめ、結構やんちゃなメンバーがいるのですが」
「事故があったなら仕方ないとは思うけど、この日付でイグニハイドだとガチでパクられる可能性がありまして」
「……中身が何か想定がつくからという事ですか?」
「あ、ハイ」
「……」
今まで散々人の寮の事をやくざだとか何だとか言ってきたのではなかっただろうか、この人は。と内心で思いつつ、いちいち責めていてはきりがない。
「そうですか……まぁ、お役に立てたのでしたらそれで」
きりが無いから気にすることはないのだ。腹は立っているけれど。
しかし、その美少女フィギュアを置いたきり、イデアはまた段ボールをたたむ気が無い。
「イデアさん」
「ハイ……」
さすがにアズールの『腹を立てている気配』ぐらいはわかるらしく、イデアはちょっとしおらしい。
「中身はわかったので、その段ボールも片付けたらどうです? あちらの段ボールとまとめればいいでしょう?」
「あ、あ、あー……うん、まぁ、えっと、うん」
「今度は何ですか……」
一人で腕をアワアワ動かしているイデアに、アズールはため息を吐く。
「そのうち!」
「……僕がいると都合が悪いというのなら出直しますけれど」
さすがにこれは皮肉だ。
色々重なって、腹も立ってきたし、新作プレートを出した日だったから、アズールも本来こんな事をしているわけにはいかない。
さっさと帰って、評判を確認して、明日からの体勢を考えていかねばならない。
なのに、そんな時なのに、わざわざ来てやったのに。
中身がこれだとわかったのなら、もうこれですることもないわけだし。
そう思って立ち上がろうとしたら、待って、と腕を掴まれてベッドにまた座らされてしまった。腹が立つことに身長差が割とあるので、ひょろひょろのイデアでもこうなると比較的封じ込められてしまうわけで。
「帰らないで……」
「何故ですか……」
「あの、も、もう少し一緒に居てほしくて……」
「……わかりました。気になるので、フィギュアはあの棚に入れてきてください」
「ハイ……」
イデアが渋々フィギュアを移動させるので、アズールは段ボールを覗き込む。こうなったら強制的に折りたたんで片づけてやる。見られるのが嫌よりも、いてほしい、が勝っているのだから。
そう思って段ボールに手をかけて、やっぱりまだ何か入ってる、と、気づいて、箱から出して……アズールは固まった。
「ああああ、あ、あの、あ、アズール、あの……」
経験が無くても、知らないわけがない。
液体の入ったボトルと、ゴム製品のパッケージ……。
いわゆる、ローション、と、コンドーム……。
「……」
「……ごめんなさい」
恐る恐る見ると、イデアはそう言って俯いた。
ゴメンナサイなことは何もない、ない、けれど。
「えっ……と……」
これは。
「……イデアさん、あの……」
「そ、そんな、急に、全部やろうとかそういうんじゃないんで、そういうんじゃないんで、拙者、恋人を超大事にしたい派でして! いえ、そもそもアズール氏が初めてのあれですけど、っ」
「え、えっ、あ、はい、知ってます、きいていますけど……」
「で、でも、でも、アズールの大事なものは欲しいなとはおも……。……はっ、拙者きっも……絶望した……」
「やめてください、そんな急に……正気に返るのやめてください……」
止めておいて、どういえば良いかわからなくなって、アズールも顔を両手で覆う。
「あなたこれ、僕に受け取らせるって、どういう性癖してるんですか……」
「そ!? え、え、っそれはそういうつもりは無かったので!!!」
今日は無理です、とアズールは唸り、ですよねぇ、とイデアも返す。
ああ、でも、そういうつもりはあったのか、あったのか……と、アズールは何度も心の中で繰り返した。
◆おしまいにしちゃう。◆
この下、新作のサンプルです。
「十分厳しいように感じますが」
やれやれ、と、アズールはため息を吐いた。
わけのわからない『法律』とやらで怒ったり、リドルは大変非効率な生き物だとは思う。が、優秀なのは事実だし、卒業後のあれこれを考えても軽んじて良い相手ではないだろう。
さて、イデアが来るまで機嫌を取るべきか、とリドルを伺うと、少しきょとんとした顔でこちらを見ていたのでアズールは怯んでしまう。
「どうしました?」
「いや、キミの方が深刻ではないのかい? ラウンジの経営があるのだし、放課後は殆ど寮かと思っていたのだけれど」
「いいえ、こちらには僕以外にも人員がいますし、そもそも今日は部活の日ですから」
「キミにも学生らしい時間があるんだね」
「そっくりそのままお返ししますよ」
馬鹿みたいに多い無駄な決め事に則って寮生を全て管理するなんて愚かな徒労に就いておきながら、それでいて部活などまで手を伸ばしているのだ。
しかも、ボードゲーム部の様なヌルい部活ではなくて、馬術部などと言う時間も手間も体力も持っていく部活をしている。
「ひとまずお詫びしておきます。この状況はイデアさんのせいでしょうから」
「同じ部活の関係者として?」
「そうです」
恋人なのでとは言わないし、言う必要もない。
「いつもこういうゲームをやっているのかい? 随分大がかりな魔法道具だね」
「そんなことありません。普段はごく普通のボードゲームですね。魔法を使うボードゲームをすることもないです」
「なら何故こんなモノを?」
チチチ、とこ鳥が鳴きながら頭上を飛んで行った。リドルは無意識なのかその鳥を目で追う。
「先日の詫びのつもりでしょう」
「先日の詫び……? 花嫁ゴーストの案件かい?」
「そうです。怒らせましたからね、僕を」
「キミだけじゃなかっただろう、怒っていたのは……何の謝罪もなかったけれど、まぁ、彼だけの落ち度というわけではないからボクは何とも言えないけれど」
好きで攫われて命の危機に晒されたわけではないだろうし。とリドルは冷静だ。短気なのは事実だがこういう時には私意が入らない人物なのだということは、流石にもうわかっている。
「それでもあの現場でトラブルに巻き込まれて、彼が酷いことを言ってしまっていた面々には謝ったほうが良いのではないかなとは思うけれどね。キミにだけじゃなくて」
「無理でしょうね、あの人には」
「だろうね」
呆れているというか、どうせそういう人だ、という言い方だ。
期待していない。
「……ですが、僕だけはあの人にとっては『人間関係』の一つですから……他の人は接さなければ良いだけですが、僕には謝る必要があるという事でしょう」
「なるほど」
ムキになって庇ってやるものだろう。普通の恋人ならば。
(だが、それを事実だと認識していて、庇う気にはなれない)
だから淡々と言う。
イデアは極度に人前に出るのを嫌う。理由はあるのだろうけれど、踏み込んだことはない。自分だって昔はそうだったのだから、踏み込まれたくないだろうと思う。
彼のコミュニケーション能力に問題があるのは事実だが、少なくとも自分には有益だ。そもそも、普段は優しい方だと思う。
優秀になれば虐められないと思っていた。そしてその通りだった。目的が復讐なのだから好かれなくても別に構わないと思っていた。
学園中からやっかまれても構わない、ここには将来の『成功』の為に来ているのだ。
誰より華やかな人物になる事を己に期待して生きている。
悔しいから他人はやっかむのだ。だから、悪く言われることも構わない。
憎まれ、他人に恨み募られ、悔しがる相手に『お前の負けだ』と宣言してあざ笑う。それがアズールの『良い』ルートで、そうなるように選んで生きてきた……のだが。
だからその為に、より良い自分の将来の為に『名家』の『天才』だが『人嫌い』に近づいたのだけれど、思っていた感じではなかった。
気難しい相手に手こずることは覚悟のうえで近づいたのだが、イデアは普通に『人間らしい』人だったし、懐にまで入ってしまうと品の良さや素直さや優しさを感じる人だった。裏表なんて何もない。
微笑みながら裏切るのが常の世界で生きていく覚悟を決めてきたアズールにとっては拍子抜けするほど『良い人』だったのだ。
(まぁ、普通はそういう評価はしないだろう)
と、リドルを見、アズールは眼鏡に手を当てる。
「だから、トラブルで僕がここに飛ばされたのですし、泡食ってそのうち飛んできますよ」
「トラブルなのは間違いないと?」
「目の前でしたけれど、慌てた様子でしたしね」
「ボクにはいつだって落ち着いた様子には見えないけれどね」
腕を組み、リドルは眉をひそめる。
「動かないほうがいいのだろうけれど、時間にもよる。森の中で、このまま一時間以上かかるのなら困ったことになるだろうし」
「そうですね……」
「キミよりボクのほうが地上のことは詳しいと思うけれど、この地域だと日がくれると一気に気温が下がるはずだ」
「わかるんですか?」
「さっきの鳥だよ。生息地から考えて、そういう気候の筈だ」
「なるほど」
そういうことまで詳しいのか、と、今更ながら舌を巻く。
知力においては本当に向かうところ敵が無い男だ。
「それにしても、キミはあんな人のことをよく信じていられるね」
「そうですね。この状況なら信用はできますね」
アズールの返しに、リドルはすうっと目を細めた。
見慣れているが、大変に美しい生き物だ。フロイドのあだ名はいつも的を得ている。確かに彼は、金魚鉢の中で愛でられるために作られた魚のように美しい。
イデアがこの学園では選り取り見取りだと適当なことを言っていたことを思い出す。
きっとあの時その『選ぶ』中にこの男は入れたのだろうと思う。それを思い出すとやはり気に障る。
「キミが他人をそう評価することがあるとは」
「これはイデアさんが『僕と』プレイしようとしていたゲームですからね。何かしら理由があるでしょう。『助けに来てくれる』とは言えませんが『詫びを入れに』は来ます」
「成程」
リドルは苦笑気味に頷き、それから、ハッとする。
「アズール!」
「っ!」
叫ばれたときにはアズールも気づいている。
慌ててマジカルペンを構えた。
真後ろから現れた巨体のモンスター。
グリズリーのようなずんぐりむっくりの身体つきに、蝙蝠の様な羽の生えたキメラ。
(これは……!)
イデアのプレイしているゲームで見たことがあるモンスターだ。
現実にいたのか。……いや。
(ここがゲームの世界だという可能性があるという事か……!?)
舐めていた。
魔術のかかった本一冊、どうせ使われたのは転送魔法だと思っていた。
開くと発動するようになっていたのだと。
穏やかな森に飛ばされたので、二人きりで話したかったのかなどと思っていた。
そうだ、それならもっと早くイデアが迎えに来ないとおかしい。
目つぶしを投げて、リドルさん、と呼ぶ。
「羽根を燃やしてください、弱点です!」
「わかった!」
やはり、冷静だ。
リドルは難なく業火でその羽根を燃やす。タイミングを合わせて心臓を打ち抜いた。
倒れる魔物から離れ、リドルに近づく。
「すみません、僕の読みが甘かった」
「キミは今、弱点を知っていたね。『ボクも知らない魔物』の」
「そうです。お話します。とにかくこの場を離れましょう」
「何故だい」
「僕の知っている『世界』だと、森は魔獣たちの生息地です」
リドルは『どういう事』と、今度は聞かなかった。その代り、倒木に手を当てて小さく呪文を呟き、それから柄が長めの箒を作る。一連で相当魔力を消費したはずだが、涼しい顔でアズールを振り返った。
「巻き込まれては敵わないので、ボクの後ろに大人しく乗ってもらうよ。キミの飛行術の成績が酷いことは知っているからね」
「……ッ」
悔しい。が、言い返している場合ではない。
「……対価は、フロイドを一週間近づけないお約束でいいですか」
リドルはにやりと笑った。僥倖だ。と付け加え、アズールを促す。
「しっかり捕まって」
余裕そうな微笑を浮かべたものの、捕まったその肩に力が入っている。当然だろう。猶予はない。
暗い気配に騒めく森から飛び立つ。
「リドルさん、追ってきます」
ぎゃあ、と泣く声。
そう、あの魔物は飛べるのだ。知っている。
「だろうね。そちらは任せても?」
「……僕が落っこちないように気を付けてください」
わかった。と応えたリドルには、余裕も嘲笑もなかった。