お前は熱くなりすぎると言ったのは誰だったかな。誰だったかなんて言ったら薄情者めと太い声で諫めながら頭を殴ってくるかもしれない。先輩の方がよっぽど熱くなりすぎじゃないですかと茶々を入れたのはつい昨日のことだ。
 走馬灯というほど速いものでもない。なんとなく、もう動かない気がして振り返りたくなっただけだ。幸か不幸か、今すぐに死ぬほどの傷じゃなかった。
 周りのみんなは大きな爪に胴を裂かれていたり、牙の間からぶら下がっていたり、誰がどう見ても助からないような風体をしている。今日もまた沢山死んでしまったなと思った。
 死んでしまったら、魂の無い出来損ないと言われた僕たちはどこに行くんだろう。奴らへの有効打は生み出せない出来損ない達は、こうやって囮として、少しでも役に立つようにと放り出されるわけで。
 血が足りてたら、また熱くなってキレ散らかしてたかも。それでまた、きっと先輩達に叱られるに違いない。
「おいまだ生きてるぞ!」
 声がした。後から来るはずの討伐隊か、ただの回収班か。足音からして大して強くない回収班のほうだろう。
「戻すぞ。いいな」
 返事を待ったものではなかった。鉄塊が振り下ろされる。戦いは終わらない。きっとまたこんな事は何回も繰り返すんだろうなと、身体は冷え切った。
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お題:肌寒い血液
必須要素:ラストで死ぬ
制限時間:15分
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肌寒い血液で、必須要素ラストで死ぬって、完全に死の間際では
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【即興】嘆く鉄塊2020-08-07
初公開日: 2020年08月07日
最終更新日: 2020年08月07日
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お題:肌寒い血液
必須要素:ラストで死ぬ
制限時間:15分