不思議だな、と、そう思った。
 だってそうでしょう?
 こんなことに、こんな、何処にでも、いつでも起こりうる感情のもつれなんかに、こだわりを見せたところで、結局は繰り返すのだ。
 俺たち長命の魔法使いは、そうやって生きてきたはずでしょう?
 折り合いをつけて、適当にやり過ごして、『こういうもんかな』ってさ、ある程度で見切りをつけてしまえば楽だ。
 だって嫌じゃないか。
 長く生きるのに、しんどいことは避けたいでしょう?
 でも、彼女は俺に『仲直りして欲しい』と言ってくる。
 誰もがそれなりに避けてきたことを、いともあっさりと口にする。
 意味なんて、ないじゃないか。
 向き合えば向き合うだけ、俺がしんどいだけ。
 なのに、どうして、彼女は大事にしようと思ったのだろう。
 『この世界では、大事にしたいんです』
 そう俺に語りかけた彼女は、俺の事を見ていないようでいて、絶対に離すものかという意思が伝わってきた。
 
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まほやくNL(フィ晶♀)
初公開日: 2020年06月21日
最終更新日: 2020年06月21日
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