いつも通り、なんの下書きも無く書いていくので、矛盾など生じましても生暖かく見守ってください。
アップデートされてから初めて使うので機能使いこなせていなかったりせっかくリアクション下さっているのに気づかずにスルーしたりしていたら申し訳ありません。コメントはチャットでしたらリアルタイムで見れるのでお返事しやすいです。
もちろん見て頂けるだけでありがたいので、宜しければお時間の許す間お付き合いくださいませ。
闇オク みかちゃんが引き取られた翌日の午後から始まるお話
おなかが一杯になって、少しお昼寝をしたみかに、外商の運んできた靴やコートをひとしきり合わせた後。
知らない大人に終始びくびくとしていたみかは、宗と二人きりになったところでようやく肩の力を抜いた。
「疲れたかい?」
胸元のシャツを握りしめて俯き気味のみかに宗が視線を合わせて問えば、彼は怯えるように目を逸らして首を横に振った。
まだまだ懐いて貰う……というのは難しそうだ。
「大丈夫そうならば少し、屋敷の中を案内しようか。先刻家族は出掛けたようだし、今なら不用意に絡まれることも無いだろうから」
美しいもの、可愛いものを愛する斎宮家の面々にまだ人に慣れていないみかを会わせるのは無理がある。
家族の不在を見計らって、家の中を案内することにした。
手を差し伸べれば昨日何度も手をつないで歩いたから慣れたのだろう、素直に手を握ってくる。
冷たい指先、子供が緊張しているのが解る。
「朝食を食べたサンルームは階段を下りて左、右に行くと家族の食堂や談話室、応接室なんかもあるからね」
紅い絨毯のひかれた大理石の廊下、柱には細かい意匠の細工が施され、カーテンのドレープ一つとっても美しく整えられているそこはみかにとっては何度見ても天上のように美しい場所のように感じられた。
「談話室でよく姉様や母様が話をしていたり、兄様と父様がチェスをしたり……家族が集まりやすい場所だから、君も慣れてきたら自由に使うと言い」
慣れないうちに無理に使う必要は無いからね、と付け加えれば首を縦に振る。
極端に口数が少ない事が気になるが、彼の境遇を思えば不用意な発言一つで何が起こるか解らないような状況だったのだろうと察する。
少しづつ、話をしてくれるようになると良いと願いながら長い廊下を説明を付け加えながら案内していった。
15分ほどした頃だろうか、握った手が後ろに引かれるような感覚が強くなってきた。
宗は姿勢が良く、歩幅も大きいから子供には歩くスピードが速かっただろうかと振り向くと、そこには青い顔をした子供が足を引きずるように歩いていて思わず歩みを止めてしゃがみこんだ。
「なっ・・・・・?!どうしたのだね?どこか痛むのかい?」
「ごめんなさい……おれ、あんまりお部屋から出た事なくて……あしがきゅうに、動かんくなってしもて……」
顔を寄せるとみかの呼吸が上がっている事に気付く。細い足はがくがくと震えていて、宗の歩みに必死に追いつこうと頑張っていたのだろう。
だろう小さな鳥かごのような檻に閉じ込められて売られていた子、元居た場所でも子供らしい生活をしていたとは考えられない。
宗にとっては運動とも思えないような室内の移動が、この子にとっては大変な事だったのだと知る。
宗の歩みを止めた事で怒られると思ったのか、自分の不注意でみかにしんどい思いをさせてしまった事を悔いている間にみかは頭を抱えて蹲る。
「ごめんなさい、ごめんなさい……迷惑かけてごめんなさい動けるから、歩けるからおこらないで」
殴らないで……そう言って小さく震える子供を抱きしめた。
「誰も怒らないよ、大丈夫……僕の方こそ気遣いが足りなくてすまなかったね」
蹲るみかをそっと抱きあげる。
身を固くして震えていたみかは、昨日から幾度かしているこの抱っこが安心するのか肩の力を抜いた。
「屋敷の案内はここまでにしよう。明日から少しづつ、行ける場所を増やして足を丈夫にしていこうね」
その為には食事と睡眠をしっかりとらせて、この折れそうな細い体を少しでも子供らしい体形にしてあげたい。
「そうだ、ここまで頑張って歩けたご褒美にこれをあげよう」
談話室の横に小さな小部屋がある、そこにはちょっとしたお菓子やお茶の準備がおいてありいつでも使えるようになっている。
お菓子の置いてある棚の中から色とりどりの宝石のような丸いものを取り出す。
指の先程の大きさのそれを一つ摘まむと、宗はみかの口元に差し出した。
「はい、飴玉だよ。体が疲れた時は甘いものを食べると元気になる」
宗の顔と差し出された飴玉を交互に見ると、おずおずと小さな口を開いた。
コロンと飴玉を口の中に転がしてやると、みかは両手で頬を覆って宝石のような二色の瞳を輝かせた。
「んぁ…あまい!」
「そう、飴玉は甘いの。ちゃんと朝言った事を覚えていてえらいね」
今朝初めて知った甘いに再び出会ってみかの目がとろんと緩む。随分とお気に召したようだ。
「小さくなったら噛んでもいいけど、歯が痛くなるかもしれないからなるべく噛まないように。あと丸ごと飲み込んでは喉に詰まってしまうからね、しっかり小さくなるまでごっくんしてはいけないよ」
部屋に帰りながら飲み込まないように注意する、みかは頬に手を当てたままうんうんと何度も頷いた。
次の日から、みかの足を鍛えるためのお散歩は毎日続けられることになる。
まずは初日に行けたサンルームへ手を繋いで歩く、中には沢山の花や植物、小さな噴水も備えられており室内も温かい。
「足元に生えるお花もあるし、木に咲くお花もある。まずは色々なところを見て、君の世界を広げていこう」
宗は歩きながら色々なことをみかに教えていく、足元に咲く花の名前や木になる蕾がいつ頃花咲くのか。
サンルームのガラス越しの空を見上げて空がなぜ青いのか、雲はなぜ流れるのかをみかに解るように一つづつ説明していく。
外は寒い季節で、家から出るのは身を切るような寒さが緩んでからにしたいと宗は思っているが、毎日の散歩が楽しみなためか、みかはぐんぐんと歩く距離を伸ばして屋敷の中で言った事が無い場所は無いという程になるまで半月も掛からなかった。
宗が色々なことを疑問に思いなさい、あれはなに?と聞くことは君の感性を育てるのに大切なことだよと説明してから、みかは宗にものを尋ねるのを恐れなくなった。
「お師さん、あれはなに?」
「あれは蝶々だよ、サンルームの中では昆虫も育てているからね。綺麗な色の羽尾をしているだろう」
「ちょうちょ……」
宗の言葉を反芻してみかはしばらくじっとその対象を見つめる、そうやって色々な物の名前を憶えていく。
「お師さん、あれは?」
「うん?どれだい?」
「あれ、お水の中…」
「ああ、これは魚だよ。水の中でも息が出来る生き物。種類が色々あるのだけど、それはまた今度ね」
いつしか宗に手を引かれて歩くばかりだったみかは、宗の手を引いて先を歩くようになった。
「お師さん、今日はどこに行くん?」
もう屋敷の廊下の端から端まで歩いてもみかの足が絡まる事は無い、まだ走ったりは下手なようでちょこちょこと小走りが出来るようになったくらいか。
毎日歩く距離が増えている事を自覚しているのか、散歩を楽しみにするようになったみかは今日もきらきらと目を輝かせて宗の手を握る。
「今日は少しお外に出てみようか」
初日にコートなども一通り用意してある、外は寒いが今日は天気も良い。
みかにしっかりと厚着をさせて、この家に引き取って初めて宗はみかを外に連れ出した。
外、と言っても中庭を散歩するだけだががらりと変わる景色にみかはぴょんぴょんと小さく跳ねた。
「おれ、お外歩くのはじめて」
みかの何気ない言葉に胸が締め付けられる。ずっと閉じ込めるように囲われてきたのだろう。
この家に来た時も宗が抱き上げていたから、自分の足で歩くのは初めての事だと笑う姿がいじましかった。
外気に触れてみかの吐息が白くけぶる。
「お師さん、息が白い」
「うん、寒い日にはお外で息が白くなるんだよ」
ハァ~とみかの小さな手に息を吹きかけてやれば、お師さんの息も白いときゃらきゃらと笑う。
「お師さん、雲がいろんな形しとる」
「冬だから少し薄い雲が多いね、夏になると山のような大きな雲が見られるよ」
「やま?」
「夏になれば解るよ」
春夏秋冬、四季が巡る事もこの世界は広く大きくてもっともっと他に広い場所がある事をみかは最近知ったばかりだ。
鼻の頭を赤くして、宗がしたようにみかは手袋に包まれた手先に息を吹きかけた。
「この白いのんが集まって雲になるん?」
「原理としてはそうだね、雲は水蒸気だから……みかは賢いね」
子供特有の発想でいながら、意外にも的を得た事を言う。
子供の成長の早さと好奇心にもっとあれも教えたい、これも教えたいという欲求が湧いてくるのをいったん押し込めてみかに手を引かれるままに中庭を歩く。
「お外は寒いから、冬は植物がみんな大人しくしているんだよ。春になったら庭にもサンルームの何倍もお花や緑が賑わうからね」
「何倍っていっぱい?」
「そう、いっぱい」
今はまだ寂しい花壇や色の沈んだ緑の木々が広がる庭。
タイル状に張り巡らされた舗装された石の道を歩きながらきょろきょろとするみかのつむじのあたりを見降ろして思う。
この庭に花が咲き誇る頃には、きっとこの子がこの庭を元気に走り回ってくれるのだろうと。
「木が茂ったら木陰も出来て散歩にはちょうど良い場所になるから、暖かくなったら沢山庭で遊ぶと良いよ」
「お師さんもいっしょ?」
「もちろん、一緒に過ごすよ」
もしかしたらその頃になればみかの方が体力がついて遊ぶところを眺めているだけになるかもしれないが……それぐらい元気になってくれればうれしいと思う。
「ここもね、薔薇のアーチが出来る綺麗な場所なのだよ」
今は緑と茶色の混じった木がアーチ状に茂っているだけの場所、季節が廻れば薔薇が咲き誇る美しいトンネルになる。
「ほんなら早く温かくなるとええね」
沢山沢山言葉を覚えて、宗に対して怯えることが少なくなった子供はよく笑うようになった。
冬の外気に琥珀と瑠璃を少し潤ませて、春が楽しみだと笑う。
「ああ、薔薇のトンネルで笑う君は……さぞ美しいだろうね」
宗もまた、みかの成長を思うと自然と笑みが零れた。
ぽかぽかと温かい外気に草花は芽吹き、彩を纏う。
薔薇のトンネルを越えた先にある東屋で紅茶を飲みながら優雅に読書をしている宗の耳に、聞き慣れた声が飛び込んできた。
「お師さ~ん」
すっかりと丈夫になったみかが細い足を元気に動かして走ってくる。
薔薇のトンネルの中ほどでぴたりと止まると宗に向かって掌の中の物を見せて来た。
「落ちてた薔薇の花拾って来た、いろんな色があるんよ」
そう言って花びらをふわりと頭上に投げて花びらの雨の中でくるりと一周回る。
「な、綺麗やろ?」
きゃらきゃらと笑うみかの姿に宗もつられて微笑む。
「ああ、綺麗だね……」
健やかに成長していく子供の姿に、明日はどんな姿を見せてくれるのか。
毎日の変化が楽しみで仕方がない。
この子がいる幸せが、ずっと続くようにと切に願った。
おわり
一発書きなので色々と拙くてすみません、ご覧いただきましてありがとうございました!
後日修正してまたTwitter等にアップいたします。
お付き合いいただきましてありがとうございましたvvv
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ななし@d3fc7e
こんばんは!いつも楽しく宗みかを拝読させていただいております💓 こうして文章が紡がれていくのか、と思うとなんだかとっても楽しいです☺️
13:42
一希
こんばんは!ありがとうございます☆
14:31
一希
荒も目立って恥ずかしいですがこの形式の方が書ききれるので最近よく使わせてもらっています、少しでも楽しんでいただけると嬉しいです!
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闇オク
初公開日: 2020年06月14日
最終更新日: 2020年06月14日
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コメント
闇オクみかちゃん(10)が宗君(18)に色々なことを教わりながら健やかに成長していくお話です。