大みそかにクリスマスの話を書くよ。
Xmasホリデーは毎年の事ではあるが出社する人間は限られている。
昨年はシャーロックが長期遠征に、ウィリアムが書類仕事を一手に引き受けていた。
人のいないピンカートン社で一人仕事をしていたあの日は、人がいないせいか酷く社内が寒く感じたものだ。
今年も出社しているのはウィリアムと、今年は遠征ではなくニューヨークに留まったシャーロック。
そして二人と常に行動を共にしているビリーは司法省に顔を出しつつこちらにも顔を出していたが、シャーロックとウィリアムが二人で仕事をしているのを見ると、最低限の会話だけしてそそくさと去っていった。
「シャーリー」
「ん、これと……あとこっちも必要になると思うぜ」
「ありがと、これ君が今やってる案件に必要になると思うよ」
名前を読んだだけで欲しいものが的確に渡される、別々の仕事をしているのに相手のしている事を把握して先を見越した資料を手渡された。
二人で仕事をすると普段よりさらに進みが早い気がする。
一度没頭すると寝食を忘れるウィリアムと、好きな事であれば同じように寝食を忘れるが仕事に対してはある程度一線を引いているシャーロック。
無理をしがちなウィリアムを気遣ってシャーロックが適度にコーヒーを淹れて休憩を促したり食事を摂らせているため、効率が落ちる事もなく予定よりも早く仕事は終わりそうだ。
Xmasに仕事をしている分、ニューイヤーまでの数日間休みを得られるのは昨年と同じ。
完全に休みにはならず、常に誰かしらが居るのがこの探偵社ではあるが、流石に司法省もこの聖なる夜に難題を持ち込んだりしないだけの分別はあるようだ。
「俺はこれ終わったらキリが良いけどリアムは?」
「僕もこれで終わるつもり、もう少し時間がかかってしまうから先に帰ってくれてもいいよ?」
ウィリアムの言葉にシャーロックは眉を下げる、子供のような表情の変化は好ましいがあまりにも素直に感情を表に出すものだから時々心配になる。
とはいえ、無防備に喜怒哀楽をさらすのが自分やビリーと言ったごく一部の気を許した相手だけだと言う事も知っているからやめさせる気も無いのだけれど。