手つかずのゲームが山ほどあるいっぽうで、中途半端に進めてて放置しているゲームもたくさんある人形使いです。
やってないゲームを積んでいるよりもやりかけのゲームを積んでいるほうが罪悪感が重いので、まずは中途半端に進めてたゲームをクリアしていく予定。
というわけで、今回クリアしたのは「H9 ORIGIN」。
本作は、架空の未発売ゲーム「トキメキ!脱衣じゃんけん」をプレイしつつ、ゲームデータの中に隠された謎の記録を探していくというモキュメンタリー風ホラーゲームです。
プレイヤーは「トキメキ!脱衣じゃんけん」を実際にプレイしつつ、意図的にバグ動作を引き起こすことで隠されたデータにアクセス、本ゲームの開発の裏に隠された陰惨な事実を紐解いていきます。
つまり「トキメキ!脱衣じゃんけん」の部分は騙しのためのガワであって、本作の本体はこの開発秘話の部分なんですが、脱衣じゃんけんパートもちゃんと脱衣じゃんけんゲームとして完成しているのが面白いところ。
色んな作品に「意図的なチープさ」ってあると思うんですが、本作のこの脱じゃんけん部分の「意図的なチープさ」は非常に完成度が高い。「説得力がある」と言い換えてもいいでしょう。
まず登場キャラのグラフィックが今風ではなく、いうなればかつてサターンに大量のギャルゲーが移植されてた頃の絵柄で絶妙に古い。さらにキャラボイスも微妙に棒読みで、まさに「ハード末期につきもののギャルゲー濫造期に作られたクソゲーを完全再現しています。
対して開発秘話パート、こちらもまた実に説得力がある地獄の開発裏話と言った感じ。キャラはマンガマンガした絵柄になっているのでその点はいくぶんかマイルドになってはいますが、そのくらいでは誤魔化しきれない当時の小規模ゲーム開発メーカーのあまりにも陰惨な裏話が語られます。
わたくし人形使いはゲームをクリアしたあとには必ずそのゲームの感想を漁っているんですが、本作の感想の中には、実際にあの時代にゲーム開発に関わっていた方からの「気分が悪くなるくらいリアリティがあった」という言葉も見受けられました。
前段で本作のジャンルはホラーと書きましたが、本作には怪物も殺人鬼も悪霊も登場しません。いわゆる「人怖」、どんな怪奇よりも人間がいちばん怖いってやつですよ。そして本作で描かれるゲーム開発の陰惨な現場は決してフィクションではなく……。
ボリュームとしては控えめでプレイ時間は通算3時間程度でしたが、短編ホラー作品といった趣で楽しませてもらえました。
そしていちばん怖かったのは、最後の最後でプレイヤーを巻き添えにしてくるところ。いっそのこと「僕ちゃん」にはふたりにきっちりトドメを指しておいてほしかった……。