「オムレツが食べたい!」
休みの日、妹がねだってきたので、仕方なく作ってやることにした。
卵をいくつかボウルに割り入れる。ミルクポーションも入れると、色合いが比較的綺麗にできる。気がする。
「お姉ちゃん、はい!」
「今日はバターじゃないの。普通の油取ってくれる?」
「えー、どうして?」
「バターはまた後で使うのよ」
こつん、と頭をこづく私。妹は渋々、油を取った。
フライパンに油を垂らす。熱されたところで、卵液を入れる。
オムレツ作りは、実は苦手だ。形が綺麗にならない時は、炒り卵として出している。
「お姉ちゃん、今日は失敗しないでよね」
「はいはい……」
念を押されてしまったが、失敗しない確率が上がる訳ではない。案の定、今日のオムレツは失敗してしまった。
「ああ……惜しかったねぇ」
「何で私に作らせるのよ……。あんたのほうが上手でしょうが」
良いじゃん、と妹はにっこりと笑った。
「だって、お姉ちゃんのオムレツが食べたかったんだもん」
……こう言われてしまっては、やむを得ない。私は小さく息を吐き、お気に入りの皿に炒り卵を盛り付けた。
「お姉ちゃん、バターはどうするの?」
「あ……。……今日はデザート、何が良い? バター使う奴で」
「! じゃあ、クッキー! バタークッキー食べたい!」
「了解」
妹よりも菓子作りは上手なつもりだ。姉として、今度は失敗できない。
……まあでも、失敗してもこの妹なら、「お姉ちゃんのクッキー食べたかったんだよぉ」とか言いそうな気は、するけどね。