今日は久々の豪華三本立て! すべて鑑賞済み作品ですが好きな作品を好きな映画館で見ると威力が倍増することはもはや論をまたないので反論は聞こえません。
 というわけでまず1本目はこの作品!
 本作はもうすでに何回も見てますしアマプラでも見放題ですが、塚口でやってくれるとなればやはり見に行かねばならぬ。ということで見てきました。
 現在本作は字幕版・吹替版ともに大好評上映中ですが、やはり見るならシアター4ということで吹替版を選択。
 ストーリーやキャラに関してはもうさんざん書いてきましたがまだまだ書き足りないので書くね。
 洋画はしばしば吹替版と字幕版で感じる印象が大きく変わるものですが、本作は今まで見てきた洋画の中でトップクラスに吹替版と字幕版の印象が違って感じる作品だと思います。
 メインキャラであるグレース、ロッキー、そしてストラットの3名の印象がまったく違う。内田夕夜氏演じるグレースは、物語前半から中盤までの態度と後半の彼本来の弱さと脆さが露呈してくる終盤の感情の出し方がすごくすごく上手いなあと感じました。吹替版グレースは内面的な未成熟さというか、任務のためにひたすら邁進しているストラット以下のプロジェクトメンバーとは異なり、覚悟が決まらないままの脆弱さが声に出てるんですよね。
 声といえばロッキーの声は吹替版と字幕版で声質自体がまったく異なりますが、花江夏樹氏演じるロッキーの声がだんだん機械翻訳的な声音から人間的な感情が乗るようになっていくのがまた素晴らしい。コミカルさもしっかり出してくれてるので、グレースとの掛け合いも笑えて好きですね。
 そしてやはりいちばん印象が異なるのが三石琴乃さん演じるストラットですよ。吹き替えを見るのは今回で2回目でしたが、やはり終盤のグレースにヘイル・メアリー号に乗ることを要請する回想シーンでの感情の乗り方が実にいい。小説版および字幕版だと、ストラットはもう完璧に任務のためにすべてを犠牲にする覚悟が固まっている「鉄の女」といった印象ですが、吹替版のストラットはセリフ……というかセリフの合間合間や間のとり方からウェットな感情が見え隠れするのが、グレースに対する申し訳無さや期待、あるいは失望などなどさまざまな想いを感じさせてくれます。あのシーンは本当に見ててまさに胸が締め付けられる。
 そして塚口音響で体験する「Time Go Fishing」のシーンが最高であることは言うまでもありません。出てましたね6G。内臓が潰されそうだった。
 ちょっと時間を置いて次の作品はこれ!
 虚構と現実がないまぜになる今敏監督の名作。そして「映画の映画」としての側面も持つ作品ですね。
 本作の本質は冒頭の千代子の回想・幻想シーンでカメラマンの井田が発する「どこからが映画の話だったん!?」でしょう。区別がないんですよね多分。少なくとも千代子にとっては。
 千代子の大ファンであり、実はかつて千代子と同じ映画会社に務めていた過去を持つ立花は、千代子の語る現実と映画の世界がないまぜになった幻想世界に積極的に介入していますが、これって実は千代子の持つ「映画女優」としての幻想世界に立花は巻き込まれているとも考えられるんじゃないかとも思います。もしかしたら「千代子と同じ映画会社に務めていた過去を持つ」って部分も、千代子の幻想世界に巻き込まれたがゆえに生じた幻想なんじゃないかとすら思えてきました。
 で、この「優れた女優であるがゆえに持つ千代子の幻想世界に巻き込まれる」って構図、実際に映画を鑑賞している我々観客にも起こっている現象なんですよね。スクリーンのなかの出来事はフィクションであると分かっていながら、我々はその中の出来事に怒り、笑い、恐怖し、涙する。作品世界の中に巻き込まれているし、積極的に踏み込んでもいるという。本作はこのへんも含めて「現実と虚構の等価性」「映画の映画」の作品だと言えるでしょう。
 で、この「現実と虚構の等価性」を境界線の崩壊という形を通してあまりにも衝撃的なビジュアルで表現したのが次の作品ですよ。
 もう何回も見てますがやはり本作のOPの恐るべきイマジネーションはアニメーションの到達点のひとつであることはオセアニアじゃあ常識なんだよ!(病院の窓をブチ破りながら)
 もうこのOPだけで幻覚度がフルスロットルで最高にキマりますが本編はその倍キマります。
 実写では表現し得ないイマジネーションを表現するのがアニメーションの大きな意義だと言えますが、本作はまさにそれを体現するかのような、現実と虚構の境界線が溶け崩れていく文字通り悪夢のような映像美を楽しめます。
 ……と同時に本作は、企業テロを描いた作品でもあり、また粉川が自身の青春に決着をつける青春映画でもあると感じます。同じ映画でも見る時期によってその感想はさまざまに変わるわけですが、今回はなんだか粉川に感情移入して見てました。
 粉川は事件解決はもちろんですが、やっぱり学生時代に作ってた未完成の映画のことをずっと引きずってるんですよね。その点では本作もまた「映画の映画」と言えるでしょう。作中にも映画館が出てくるしな。
 なので、「映画は嫌いだ」と言っていた粉川がラストシーンで「映画のチケットを買う」で終わる本作、「好きな映画の終わり方」ランキングでもTOP5に入ります。
 今日はここまで。明日はいよいよ戸村支配人vsジェフ・カッツ監督による電流爆破デスマッチだ!
カット
Latest / 108:04
カットモードOFF
文字サイズ
向き
チャットコメント通知
塚口サンサン劇場「プロジェクト・ヘイル・メアリー」「千年女優」「パプリカ」見てきました!
初公開日: 2026年08月09日
最終更新日: 2026年08月10日
ブックマーク
スキ!
コメント
今日の日記を書いていきます。
筋トレ
アヤカさんはミモザがこぼれるように咲く頃、動物園のペンギンの檻の前で懐かしいおもかげを見た話をしてく…
瀬をはやみ