通常お題:『爽やか』『スカイブルー」
季節限定お題:『薫風』『アイスクリーム』
(いずれか1つでも可)
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(なーんで、こんな奴とこんな所で涼んでるんだったか……にゃあ)
広いテーブルの上にだらしなく肘をついて、南泉はため息をついた。
よく効いた冷房、軽やかに流れるBGM、食器の音と客同士の喋り声。
通路とは反対側に目をやれば、大きな窓から街路樹が見える。深緑の葉の隙間から漏れる光は眩しく、先程までの暑さがぶり返しそうだった。
「みっともないよ、猫くん」
「……その呼び方やめねぇ?」
うんざりした顔で目の前に座る長義を睨むと、心外な事を言われたような顔をして首を傾げる。
「どうして?」
「俺は猫って名前じゃねぇからだ!にゃっ」
勢いづいてつい口癖が出てしまい、南泉は慌てて口を閉じた。が、もう遅い。
「その状態で言われてもね」
長義はクスクスと笑い、口元を手の甲で隠す。
口を尖らせながらも何も反論できない南泉だったが、「お待たせ致しました」という店員の声で体を起こした。
「クリームソーダのお客様は……」
「彼です」
店員は南泉の前に青いクリームソーダを、長義の前にアイスコーヒーを置いて注文の確認をして立ち去っていった。
「ーーおい」
「なにかな」
聞き返しながらも長義はしれっと目の前のアイスコーヒーとクリームソーダを交換する。
「なんで嘘つくんだ、にゃッ」
「大学生にもなってクリームソーダなんて恥ずかしいじゃないか」
「じゃあ頼むなよ」
「飲みたかったんだから仕方ない。身代わり、ありがとう」
「〜〜っ」
こういう所が狡いんだ、と心の中で南泉は地団駄を踏む。絶対に半分は嫌がらせのくせに、絶妙なタイミングで礼を言うから南泉は文句を言えなくなる。
惚れた弱みも、大いに影響しているが。
クリームソーダが完全に長義の手元に行く前に、受け皿に添えられていたロングスプーンを奪い、クリームソーダの頭を押さえつけて沈ませてやる。
「あっ、こら!」
スカイブルーが白く染まり、やがて泡になって縁から溢れ出してしまった。
「仕返しだ、にゃ」
自然と口端が上がる。
「発想が幼稚」
「なんとでも言え」
手を返しアイスクリームを掬ってそのまま長義の口に突っ込んでやった。
クリームソーダと同じ色をした瞳が丸く見開かれ、頬が微かに赤くなったーーようにみえた。
南泉の、願望かもしれない。
一拍の後、いつもの表情を取り戻した長義はスプーンを奪い返し、
「猫くんの癖に、躾がなってないよね」
とすっかりいつもの調子だった。
「猫じゃねぇ」
いくらか気分を良くした南泉が自分の前にあるアイスコーヒーを飲み始めたところで、長義が少し声を落として「今日の夜なんだけど、空いてる?」と言葉を滑り込ませてきた。
「夜??」
そもそも、今日はたまたま道でばったり会って、いつもの様に喧嘩を売り買いするうちに暑いからファミレスに入ろうかとなったのだった。それは南泉の幼稚な下心があって、離れ難い気持ちからの誘いではあったがそれだけで十分だったのに。
「うち、今日は皆出払うみたいだから、君が暇なら相手してあげても良いと思って」
さらに上乗せされた言葉にまじまじと長義を見ると、最初は平然と視線を受け止めていたのに長義の視線は段々と下がっていきクリームソーダを弄り始める。
スカイブルーとは対称的に、その顔は段々と赤くなっていく。
(これは……期待、してもいいのか、にゃ?)
いやいや長義の事だから新手の嫌がらせという可能性もゼロではない。
しかしどうしても笑みが出てしまうのは堪えきれず、「行く」とそっけなく言いながらも喜色は隠せなかっただろう。
照れを隠すようにまた口をつけたアイスコーヒーは、さっきよりも少し甘くなったようだった。
終わり
チョコモナカジャンボ食べてきます!
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ワンライにゃんちょぎ現パロ
初公開日: 2020年05月16日
最終更新日: 2020年05月16日
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第73回にゃんちょぎワンドロ開始時刻です。
タグ: #にゃんちょぎ版深夜の60分一本勝負
通常お題:『爽やか』『スカイブルー」
季節限定お題:『薫風』『アイスクリーム』
(いずれか1つでも可)
にゃんちょぎ
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