二章:進化の日々
〈二:
練習を終えてからの体育館の戸締りや更衣室の鍵閉めは、主将の神嶋の仕事である。人のいなくなった体育館は物寂しいが、その空気感も嫌いではなかった。体育館を施錠して校舎に向かう階段のところまで行くと、他の二年生が待っていた。
「お、お疲れさん」
「神嶋も来たし、帰るか」
能登と川村がそう言ってスマートフォンから目線を上げ、それを制服のポケットに突っ込む。
北雷高校では、原則として生徒の校内での携帯電話使用は禁じられている。しかし彼らの根城である旧体育館は、校舎の目の前にある広大なグラウンドを横切り、さらに階段を上らないといけないほど遠い。そのおかげで滅多に教師も来ないため、使ってもそれを見咎められる危険性も低い。自転車部や野球部も部室でスマートフォンを