それは、まだランドセルを背負っていて、声も今よりずっと高かった頃の話だ。
学校からの帰り道を、特に予定も入っていなかったのでゆったりとしたペースで歩いていると、横断歩道に差し掛かった。ここの信号さえ渡れば、家までほんの少しの距離となる、ある種の目印として扱っていた場所。そこのちょうど向かいに子猫がちんまりと座っていたのだ。
野良にしては毛並みが良くて、これは何件かの家の人々から餌を恵んでもらっているのだろうと感じると同時に、大人しく信号待ちしている姿がとても可愛らしくて癒される。そんな呑気な心地で子猫を眺めていると、乗用車が道路を走って来た。そして、まるでそれを見計らったようなタイミングでネコが飛び出したのだ。人間が重力と共に生きているのと同じくらい当たり前に、バァンという派手な音のした後、小さな命は容易く手折られた。
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初公開日: 2020年04月05日
最終更新日: 2020年07月13日
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コメント
野良猫が車にはねられたところを目撃したおきくん(小学生)の話を書きます。