さて、このあとはどうしようか。
マシュと藤丸は次の作戦を考えた。
「思いのほか、順調な滑り出しだったとは思います」
マシュの言葉に藤丸は頷いた。
「うん。こんなに早い段階でヘクトールさんに会えるとは思わなかった」
「はい。そしてヘクトールさんのマンドリカルドさんへの思いも把握出来ました」
「脈なしだけどね」
「その通りです……」
「そのうえ振り向かせるにはなかなか難しい案件ときた」
「まったくもって……」
少しずつ頭の下がっていくマシュに、藤丸は顎を掌に乗せて言った。
「でも、諦めるつもりはないけど」
「勿論です!」
ぱっと上がる顔に、藤丸は口元をほころばせた。
「目標としてはどうする?」
「最終目標は勿論、マンドリカルドさんとヘクトールさんがうまくいけばいいと思います」
両手で拳を作って、マシュは迷うことなく返した。
「うん。それが一番だよね。でも問題は山積みだ」
「そうですね……年齢差の問題、配偶者の気配。なにより、ヘクトールさんにその気がないといいますか」
「まず対象として見られていないよね」
「そこですね……」
マンドリカルドがヘクトールを恋愛対象として見ていることに気付いているかどうかすら、定かではない。仮に年齢差や配偶者の問題がなかったら相手として見てもらえるのかどうか――。
「そもそもヘクトールさんは、どんな方が好きなのでしょう?」
はたと行き着いた疑問を口にしたマシュに、藤丸はぽんと手を打った。
「それだ」
「はい?」
「マンドリカルドの気持ちも、相手の存在も知っているけど、ヘクトールさんのことは何も知らないままだ」
「――それは、そうですね!」
光明が、見えた。
「まず相手のことを知ろう」
「はい!」
「少しでも情報を得て、マンドリカルドの力になれるように」
「情報は力ですもんね」
「よし。じゃあ、ヘクトール情報収集のためにがんばろう」
「探偵みたいですね」
「いいね、探偵団?」
「探偵団! かのホームズも街の子供たちを味方につけていました!」
「よし、探偵団結成だ」
「探偵団の名前は何にします?」
「そりゃあ、勿論――」
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