どさり、という音と共に視界が急変した。天井が見えたのも束の間、私の視界は宝石のような青色に支配される。
優し気に下げられたその青色の奥には私だけが映っている。体を支えるように顔の横に置かれていた万里くんの大きな右手が優しい手つきで私の髪を撫で、顔にかかっていた髪をそっと耳にかける。その動きにつられるようにはらり、と落ちてくるミルキーベージュの髪を彼と同じように耳にかけてみる。そのついでに彼の耳の淵を飾る3つのシルバーをいたずらに上から順になぞってみた。
「おいっ、監督ちゃん!それ、くすぐってーんだけど、」
思いのほか耳が弱いのか、くすぐったそうに笑って身を捩る万里くんに少し優越感を覚えて口角を上げた。
「万里くんの弱点はっけ~ん!」
新しいおもちゃを得た子供のように笑えば、私を映す青色が怪しげに細められ「じゃあ、いづみさんも試してみる?」と甘ったるい低音が鼓膜を揺らした。
――試すまでもない……降参、だ。
真っ赤になった顔を両手で隠すように覆い、ぶんぶんと首を振って降参の意思を示せば「ふはっ、監督ちゃん必死すぎっしょ」と万里くんが堪えきれずに笑う。そんな彼に私は恥ずかしくなって、うう……と小さく呻いてさらに縮こまった。
「わりぃ、わりぃ。なあ、ちゃんと顔見せろよ……いづみさん」
囁くように名前を呼ばれ、おずおずと手をどけてまだ熱をもった顔のまま見上げれば芝居をするときのような真剣な顔をした万里くんがいた。ん、と満足そうに口角を上げた万里くんの唇が音を立てて降ってくる。
就寝5分前、ベッドの上の攻防戦。
〈終〉
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桜月
摂津万里の目の色って、あれ何色なんでしょう……?誰か教えて……。
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付き合ってる万いづ|恋する五感〈視覚〉
初公開日: 2020年01月31日
最終更新日: 2020年02月01日
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「ベッドの上で、お互いの目の中に、お互いの顔だけが映るくらい顔を近づけた状態で、お互いの髪を耳に掛け合って笑い合う就寝5分前の万いづ」をのんびり書くだけの配信。コメントはご自由にどうぞ。
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