ぼくは、初めてこの場所に来て、創造維持神さまの姿を見たとき、こんな気持にはならなかった。もちろん、あのときと今と、創造維持神さまの姿が変わっているわけじゃない。
変わらず、七重の防護ガラスの中に安置されて、どくんどくんと心臓みたいに脈打っている。
――それを、不気味だなんて思うことはなかったはずだ。
「13号? どうした?」
「……なんでもありません」
ぼくは目を逸らしてそう答えるのがせいいっぱいだった。
そう思ってしまった気持ちを必死に打ち消そうとするように、ぼくは目をぎゅうっとつぶって耳を澄ませた。あの歌声のような声が聞こえますようにと願いながら。
けれど……。
「聞こえないんです!」
思わずそう叫ばずにはいられなかった。聞こえない。あの、聞いているだけで心がないでいくような不思議な歌声が……神さまの歌声が聞こえない。そして、いくら目を凝らしても、ガラスの向こうにいる……いいや、ある(・・)肉の塊は……肉の塊にしか見えない。そこには……神さまがいない!
「聞こえないんです、なにも!」
1号さまのローブを掴んでそう訴える。1号さまは……どんな顔をしているのか、涙で滲んで、わからない。
ストレッチャーからずり落ちそうになったぼくを支えながら、1号さまは言った。
「……やはり、聞こえないのだな」
「……!!」
首から上の体温が一息に冷えたのがわかった。首筋が冷たいを通り越して痛い。吸い込んだ息が異常に冷たくて、ぼくは咳き込んだ。
「お前たちは、教団の中でもっとも高い同調(シンクロ)率を持っていた。上級天使よりもな」