今日は七夕にして我らが塚口サンサン劇場生誕73周年の記念すべき日。連日の雨で外出してなかったこともあるので出かけてきました。
今回見てきた作品はこれ!
こないだマサラ上映をやったばっかりですが面白い作品は何回見ても面白いもの。
なので、サンサン劇場生誕祭の今日にはこの作品を選びました。
そして待合室をチェックしてみると……
絶賛上映中の「免許返納!?」……ではなく、その前作?にあたる「免許がない!」のポスターが。このへんが実にサンサン劇場。あとなんか壁のポスター見たら「クラッシャージョウ」を上映するとか言ってるんですが……。時を超える映画館、サンサン劇場。
そして生誕73周年を祝う花束も展示してありました。
今後も生誕100周年目指して上映を続けて欲しいものです。そして尼崎市を独立国家サンサンシティとするのだ。
さてタローマンですが、まあストーリーに関しての感想はもうだいぶ書いてきたのでいいでしょう。
しかしこの作品、何回見てもそのでたらめさに圧倒されてしまいます。画面が暗転したときに見えるフィルムグレイン、プツプツ音が目立つ音響、明らかにわざとやってるであろうズレてる口パクなど、とても令和の時代にやってるとは思えない圧倒的昭和感にめまいすら覚えます。
そしてその特撮も、もうモロに特撮感丸出しというか「特撮の原液」とでも言うべきフェロモン漂う映像で脳内が強制的にまだテレビのチャンネルを「回していた」あの頃に戻ってしまいます。そしてそれを見ているのがこのサンサン劇場というロケーションがさらにその血中ノスタルジー濃度増加を促してもはや失見当の様相を呈してきます。今は昭和45年の大阪万博の年なんだ……僕は小学生で今は夏休み前のあの浮ついた空気の中、映画館に足を運んだんだ……。
などという妄想にゴーストを支配されそうになってしまうわたくしでした。
そして本作、よくある、そしてわたくし人形使いが毛嫌いしている「家族愛!」「人と人との絆!」を声高に叫んで上滑りしてるような作品なんかよりもよほど前向きになれる作品だと改めて感じます。
この大量の情報があふれる社会は、大量の「社会的正解」があふれる社会でもあると感じます。ネットの向こうには無数の社会的正解があふれ、社会的に正しいロールモデルが無数に提示され、それに当てはまらないものは排除される。
しかるに本作は、そんな「社会的正解」を声高に蹴っ飛ばしてくれる痛快な作品でもあるんですよね。秩序と常識で脱臭された昭和100年の未来社会は、とりも直さず現実世界の反映です。というか、今や現実世界の方が「社会的正解」が溢れかえっている一方で秩序が失われて余計悪いことになってる気が……。
そんな中、タローマンは決して自分という軸を失わないハタメーワクなまごうことなきヒーローなんですよね。本作での敵はいちおう未来社会を構築した秩序防衛軍ということになりますが、本作における、そして岡本太郎氏にとっての敵はまさにこの「社会的正解」だったんじゃなかろうかと思います。
そして最終的に、秩序もでたらめもとも必要であり、相反するふたつの力がぶつかり合う中からこそ生きる力が湧いてくるという結論も好き。
この「相反するふたつの力」に対して、「共存」ではなく「ぶつかり合うこと」が本義であるというこの結論、「サルカール」のラストで主人公スンダルが最後の最後に対立政党を樹立することを宣言するシーンを思い出しました。
別に本作は政治的意図を含んだポリティカルな作品というわけではありませんが、この「ぶつかり合うこと」を本義とするという結論は、すなわち「動き続けること」なのかもなあと思いました。
個人的な状況なんですが、最近はやや気分が落ち込み気味で、いったん落ち込み始めると落ち込みが落ち込みを呼び負のスパイラルとなるいちばんダメな、そしてよく陥るパターンになってたところなんですが、タローマンのあまりにも傍若無人ででたらめでマイペースなところを見てるとだんだん気分がマシになってきました。いつも心にタローマン。