毎週木曜は滑り込みの日。まあ今週で終わるのは見てきたうちの1本だけなんですが。
というわけで今日は豪華三本立て。しかも気づけば全部SF映画でした。そういや今気づいたんですが全部1回見てる作品だな。「1回見た作品3本を連続で見る」は人生初。またひとつはじめてをサンサン劇場に奪われてしまった……。
まず1本目はこの作品!
youtubeで公開されるや瞬く間に話題をさらった「銀河特急ミルキー☆サブウェイ」劇場版。
開館から70年を数える絵老舗の映画館でキャンディーズがかかってるとか今は一体いつなんだよといった感じ。いつも通りシアター4では上映作品のテーマソングがかかるわけですが、「銀河系まで飛んで行け!」がかかってるとなんか館内の空気すら昭和に戻ってる気がします。
さて、前述の通り本作はすでに1回見てるんですがやはりハコが違えば音響も違いますね。まず違いを感じたのは、チハルら生身の人間とマキナらサイボーグの声の違い。肉声とスピーカー越しの声の違いがはっきりわかりました。もう何回も書いてることですが、サンサン劇場の音響はただ単にでかい音ってわけではなく、音質の違いもしっかり表現してくれるのでこういう作品でこそ威力を発揮すると思います。同じく、トイレに閉じ込められたときの壁越しの声なんかも、壁の厚さすら感じられるかのような表現で臨場感がありました。
vs排除くんのシーンとラストバトルの音ハメが最高に気持いい。本作、なにげに音の作りにこだわりがある作品なので音の良い映画館で見ると楽しみが倍増する感じですね。
あ、あと前回TOHOシネマズで買えなかったパンフが買えたので優勝です。帰りに売店見てみたら売り切れてたので危ない危ない。
続けて2本目はこの作品!
本作は以前にアマプラで公開されてたときにすでに見てましたが映画館で見るのは今回が初めて。また、アマプラで見たときは途切れ途切れで見たので通しで見るのは今回が初めて。なので実質今回が初見であると言ってもいい。
ストーリー自体はシンプルで、巨人ドラーグ族に支配されている人類・オム族が紆余曲折あって最終的に和平を結び、やがてオム族は「テール(=地球)」と名付けられた人工衛星で独自の文明を築きました、というもの。
やはり何より目を引くのはその奇っ怪なビジュアルデザインですよね。ドラーグ族の青い肌に赤い目というビジュアルをはじめ、作中に登場する生き物やガジェットはどれもまさに「奇想」という言葉がふさわしい今までにないものとなっています。
でもなんかどっかで見た覚えがあるなーと思ってたらアレだ、「コデックス・セラフィニアヌス」だ。ああいうワケのわからないガジェットとか動物が実際にアニメーションとして動いてるのを見るだけでも劇場に足を運ぶ価値があります。
あと、やはり人類が被支配種族として描かれているのがけっこうゾッとしますね。一方的に虐待されているというわけではなく、愛玩対象として見られている描写もあるのが逆説的に尊厳破壊されてる感がある。そして人類たるオム族は最終的には地球にて独自文明を築くわけですが、そこでも支配・被支配という構造が再発明されているであろうことは想像に難くないわけで……。
今日は電車内で読むのにこないだ見てきた「ポーランド暗黒SF4部作」のパンフを持っていってたので余計そういう暗黒SF方向の妄想が捗ってしまう。
そして3本目はこの作品!
写真がブレブレなのは気にしない方向で。
本作もすでに1回テアトル梅田で見てたのでどうしようか迷いましたが、今日が終映だったのでせっかくだから見ておくことに。
本作もまた「ファンタスティック・プラネット」と同様フランス発のアニメーション作品で、違法な改造で自由意志を得たロボットと人間の対立を描きます。
前回見たときも思いましたが、近年のSFではもうロボットが作り物や愛玩対象というだけでなく「人間とは異なる種族」として描かれることが珍しくなくなりましたね。SF作品における「ロボット」という概念そのものが大きく明白に変容しているのを感じます。
国が違えば味も違うというわけで、本作は作りが淡々としているのが特徴。背景やキャラクターも色使いがシンプルかつのっぺりとしており、見てるとなんだか名作ポリゴンアクションゲーム「フラッシュバック」を思い出しました。
またこれも前回の感想で書きましたが、AFの醍醐味とも言える各種ガジェットやシステムの未来感が好き。高速道路の消火システムや事件当時の様子を再現するホログラムなんかがさらっと出てくるのがいい。
そしてやはりラストシーンがいいんですよねこの映画。宇宙への憧憬を植え付けられていたかに見えたロボットや人工知能たちは実はすでに実際に宇宙に行く計画を立てており、最終的に自身の人格をデータバンクにアップロードし、機体を捨ててはるかな宇宙に飛翔していく。人類は知らぬ間に旧き種族となっており、方舟に乗れなかった人類たちはポスト・ヒューマンたるロボットが飛翔していくさまを見上げるしかない……。本作はそういった世代交代の話だったように思えます。
あと今回見直すと、けっこうあからさまなオマージュがあって笑えました。ジュンを抹殺するために差し向けられた殺人アンドロイドは完全にT-1000ですし、ラストのバイオ歩行戦車は攻殻機動隊オマージュでしょう。しかし本作はそうした先行作品のオマージュをするだけにとどまらず、しっかり新世代のSF作品として成立していると思います。