あーねんまつ
配信やってきましょ
今日はトスダくんの過去編を詳細に書いていきます。
ある日、どこかの地方で檻に入れられた奴隷の獣人がいた。その獣人は子を腹の中に宿していた。
普通、獣人を捕まえた際に妊娠しているものは堕ろさせるのが普通であるが今回は獣人駆除団体の奴らの気まぐれで生きながらえさせたのだ。
その獣人は子を生んだ。だがこの子も死んでしまえば私に生きる価値はない。そう思った獣人は檻を歯で食い破り、その子供を逃がした。
子供は一人であった。獣人は成熟が早い。そのため、すぐに子供として活動しなければ何をされるか分かったもんではないのだ。
子供は名前もない、家もない、明日を満足に生きれる保証はないのだ。
子供は座っている大人に話しかけた。聞いてみれば何かが分かると思ったのだ。
大人は子供を蹴り飛ばした。獣人は好かれないのだ。大人は子供に火のついたタバコを投げた。そして「食べれば金をやる」と言う提案をする。勿論健康的に言わせてもらうと食べてはダメだ。
だが食べなければ蹴られる。そう予測した子供は火のついたタバコを無理矢理飲み込んだ。
喉が焼け、子供は嗚咽を漏らした。
約束通り男は黙って1000円を渡した。
そのお金というものは生まれたばかりの子供にはなにに使うのかすらわからなかった。
少し齧ってみるが食べ物ではないと分かる。
そうしているうちに出張駄菓子屋がやって来た。
周りの子ガキ達は思い思いのお菓子を買い、美味しそうに咀嚼する。
子供はお金は交換してもらうものと理解した。
子供はお金を持ち、屋台に行こうとした。
だが、子ガキ達は容赦が無い。
子供を取り囲み、殴る蹴るして1000円を強奪した。
出張駄菓子屋は止めさえしなかった。
子供は絶望した。「世界はこんなに残酷なのか」と。
子どもは森に入り込む。そこには自分をいじめる人はいなかった。子どもは始めて、安息というものを得られた。
そこから子どもは自然と一緒に過ごした。
大きな熊に襲われて深い傷を負うこともあった。
毒草を食べ、幻覚と不調に苦しむこともあった。
だが子どもは何とか生き延びた。
そして、子どもは自然と少年となっていた。
少年はある日、掘っ立て小屋を一つ見つけた。
大体山のなかにある家には何もないか死体が転がっているだけだったので本来ならスルーでもするはずだった。だが、家の中から女性が一人、出てきたのだ。女性はきれいな狸の耳をつけ、丸い尻尾を揺らした、「獣人」であった。
家の中から漂う美味しそうなたまねぎの匂いにつられ、少年は家の前で倒れ伏す。
女性は自分で食べるはずのたまねぎスープと乾パンを惜しげもなく少年に差し出した。
少年は始めて、人の優しさに触れたのだ。
女性は母性本能に目覚めていた。彼女は人間の奴隷だった頃は母にはなれないと思っていたからだ。
2人はお互いに「トスダ」「リンクス」と名前をつけ合い、一緒に暮らし始めた。
それは、お互い一人のときとは違う、幸せな世界。
2人は生まれてからトスダが11歳になるまで幸せな世界で時を過ごした。
だが、終わりというものは突然だ。
ある日、外がとても騒がしくなった日。
外には100人余りの人がいた。
その肩には「獣人駆除団体」のワッペン。
お互い震え上がった。昔の恐怖が蘇ったのだ。
だがリンクスは頭脳をフル回転させ、自分の最適な行動を導き出した。
彼女はトスダを肩に抱え、2つ遠くの山に思いっ切りぶん投げた。リンクスは家の屋根から獣人駆除団体に宣言する。
「私を殺してみろ。年齢340歳の私の知能に抗えるものならな。」
襲いかかる獣人駆除団体。迎え撃つリンクス。
勝負は20分もかからず終わった。獣人駆除団体は1人を残して死なない程度に怪我をさせられていた。リンクスは返り血を浴び、赤くなった姿で最後の一人に話しかける。
「コイツラを全員連れて去れ。さもなくば全員を山の中のモズクにしてやる。」
男はすぐさま頷いた。死にたくなかったのだ。
リンクスはトスダのもとに向かおうとする。一人で山のなかに放られては恐ろしいだろうと。
斧が、リンクスの右腕を落とすまで、そう時間はかからなかった。
落ちた右腕を見つめたリンクスは自分の右側から発される痛みと喪失感により、膝をついて崩折れる。男はリンクスの言う事なぞはなから聞く気はなかったのだ。
更に斧には対獣人用の毒が塗られている。リンクスは意識を闇に落とした。
男はリンクスをほかの仲間に託し、トスダの落ちた所へ向かう。そこにはある神社があった。神社に入り込んだ男は消し飛んだ。中の姉妹が喧嘩しており、喧嘩の余波で死んでしまったのだ。
リンクスは首輪をつけられ、首輪についたチェーンをバイクで引っ張り、引きずられながら獣人奴隷収監所に入れられた。そこにはモラルというものはなく、獣人を虐め抜く施設であった。リンクスは片腕がないという理由でとりあえず牢に入れられ、これからのことを考えるとだけ伝えられた。リンクスは自分が積みの状況にありながら、一緒に過ごしたトスダの事を思い出していた。
次の日、リンクスは物好きの男に売られることとなった。物好きの男の用件は「両腕のない獣人メイド」であった。すぐさまリンクスは施設内の病院で腕部切断手術(麻酔なし)を行われた。傷は焼きごてで雑に傷を焼く。彼女は両腕を失った。
物好きの男はリンクスを働かせ始めた。だが、両腕のないメイドは働くどころか自分の世話さえできない。そんなメイドに物好きの男は飽き飽きしてしまった。物好きの男はリンクスを箱に入れ、こっそりと焼却炉に