「佐々木さん!」
「あれ、ラファウくん」
 なんか変じゃない?
「だ、大丈夫ですか?」
「うーん、実はちょっと熱があって」
「え!」
「だ、大丈夫ですか? どのくらいですか」
「38.5℃」
「ヤバいじゃないですか!」
「すごいよね。久々に出た。こんなに」
「そんな客観的な立場でこれまでの発熱の歴史を思い返している場合ではなく」
「帰れますか、一人で」
「いや、帰るよ、そりゃ」
 しゃがみこむ
「さ、佐々木さん」
「……」
「気にしないで、行っていいから」
「……」はわ…
「…帰れません…」
「立てますか?」
帰れるはずもなく
「立つよ…」
「ごめん、小学生に」
「いいですからそんなの」
「あ、ありがとう…家まで…ほんとごめん…」
「いえ」
「お邪魔します」
「ラファウくん…」
「帰っていいよ…」
「帰りません」
「ええ…(困惑)」
ソファに横になる
「あの、ありがとう、あとはホント自分でなんとかするから、ホント帰っていいから」
「……」
「あの…僕、なにか、できることをしたいです」
「いやー」
 水持ってきてとか、そんなの
「そんな、召使みたいな」
「いいですよ。僕、佐々木さんにだったら、召使にだってなります」
「何かしたいんです」
「……」
「分かったよ…じゃあ、水持ってきて…家の中のもの、全部開けていいから…コップと…」
「! はい!」
「こんなもんかな…」
「冷えピタとかありますか」
「ああ…あった気が」
(寒いな…)
「はい」毛布
「あ、え、え、あ…」先読みしてる…
「お腹空きませんか? さっき冷蔵庫にりんごがありましたけど、よかったら僕が切りますよ」
「や、やりすぎ…」
「感染ったら悪いしさ」
「佐々木さんからもらうなら別に気にしませんから」
「………」
「ここにいてもいいですか?」
「ええ…ちょっと」
「あ…あの、嫌だったら帰りますけど」
「ああ、それは違うんだけど」
「なんでここまでするの?」
「あの…」
 もうずっと昔のことで、覚えてないと思うんですけど
佐々木さんが僕にそうしてくれたから、僕も佐々木さんにそうしたくて
 そんなことあったっけ
「はい。あったんです」
 でも私たちって会ったの最近くらいじゃない? 
保育園の頃から付き合いがあったわけじゃないし
いつ頃だ…?
ごめん、全然覚えてないよ
そうだと思います。本当に、ずっと、ずっと前のことですから。
「『ずっとずっと』…」
 うーん…。まるで物語を読み聞かせるような言い方だったので、
 マジで覚えてないな ごめんね
 いいんです
 僕だけは、ちゃんと覚えていますから
 変なラファウくん…
「わっ」
「お、起きたんですね」
「どうしました?」
「手紙…」
「────」
「手紙…書いたことあったっけ?」
「……僕にですか?」
「うん……」
「いえ……」
「まだ、一度も受け取ったことはないです」
「だよね……」
「夢の話ですか?」
「うん……」
「手紙を……」
「書いてたんだか待ってたんだか書くのを止めたんだか……」
「何も分からないじゃないですか」
「夢だからね……うーん」
「駄目だ……思い出せない」
「体調が悪いときは、余計に変な内容になるものですしね」
「うん……」
「ああでもなんか、ラファウくんがいてよかったな」
「え?」
「なんか今そう思っちゃった。すごく申し訳なかったけど、やっぱり嬉しいな」
「……」
「──僕も、そう思います」
「ねー」
カット
Latest / 43:00
カットモードOFF
文字サイズ
向き
チャットコメント通知
召使い
初公開日: 2025年11月18日
最終更新日: 2026年02月18日
ブックマーク
スキ!
コメント
現パロchi。の小6ラくんに高校生の身でありながら看病してもらいましょう…。