10月は今週末のRRRマサラやら劇パト2やらでまたもや塚口通いが始まります。まあ常に始まってるんですが。
 なので紅楼夢が終わったからってなんにも終わってなーい。これと並行して冬コミ原稿やら紅楼夢表紙やらを書かなければいけないので大変です。
 というわけで今日は豪華2本立て。1本目はこの作品!
 本作は、「A KITE」「MEZZO FORTE」といった、アダルトアニメであるにも関わらずハイクオリティなアクションシーンを描いたことで有名な梅津泰臣氏が監督を務めるオリジナルアニメーションシリーズ。
 医療用義体技術「ソーマディア」が普及した未来世界。しかしその技術は、違法改造ソーマディアによる凶悪犯罪という新しい犯罪を生み出しもした。
 平和な孤児院で暮らす14歳の少女・羽舞(うぶ)は、突然謎の男女の襲撃を受ける。孤児院を襲った男、Mr.エレガンスと名乗り、孤児院の園長が違法ソーマディア使用者であり、孤児院運営の裏で人身売買を行っていたことを告げる。
 エレガンスは羽舞を仲間に引き込もうとするが彼女はこれを拒否。10年の時を経て成長した羽舞は違法ソーマディアを狩る賞金稼ぎとなって、エレガンスの活動を妨害していた。
 しかし羽舞はエレガンスに射殺されてしまい――1年後に覚醒。その身体は、生身の脳以外は14歳当時の羽舞の姿を模した全身ソーマディアに換装されていた。
 身体の自由をエレガンスに掌握された羽舞は、やむなく彼のもとで違法ソーマディアを狩り続けることになる――。
 本作は予告含めて40分、実質30分という短い尺の作品でしたが、その中に激しいアクションと魅力的な世界観が詰まった良作でした。この30分アニメで完全新作というスタイル、往年のOVAを思い出しました。……「OVA」って言葉まだ通じるよね?
 まずアクション。アニメーションは当然のことですが動くことが魅力なわけですが、本作の戦闘シーンはとに悪よく動く。しかもただ単に動くのではなく、ちゃんと重量や質量がもたらす重さや慣性を感じさせるアクションがずっと続いてるのがすごい。これはおそらく、キャラ本体だけでなく爆煙や服、破片といった周辺要素もしっかり動かしてるからだと思います。あと、個人的に思うのが「反動をしっかり描けてるアニメはアクションが見てて気持ちいい」という点。本作のアクションの気持ちよさはここにこそある気がする。
 あとキャラ。特に今回の悪役であるトミー・Jがいまどき見ないくらいコッテコテの濃ゆいサイバーパンク悪役キャラで好き。しかも声が若本さんだしな。このくらい思いっきりクレイジー悪役キャラに振った若本さん久しぶりに見た。
 お話はまだ第1弾ということでまだまだ序盤のようですが、続きが楽しみな作品です。
 次はこの作品!
 「ドロステのはてで僕ら」「リバー、流れないでよ」といった新機軸の時間系SFを手掛けてきたヨーロッパ企画が2001年に行った舞台を映画化した2005年の作品。
 舞台は四国のとある大学。猛暑の夏休みを過ごしていたSF研究会の面々は、部室のエアコンのリモコンが壊れてしまい困っていました。そんな中、部室に突然奇妙な機械が出現します。部員の一人がその機械のレバーを操作した瞬間、部員はその場から機械ごと消えてしまいます。実はその奇妙な機械はタイムマシンだったのです!
 驚く部員たちは、昨日にタイムスリップして壊れたリモコンを取ってくることを提案。しかしこの行動は、タイムパラドクスを引き起こして彼らのいる時間軸を消滅させてしまう危険をはらんでいることが判明。SF研究会の面々はこの事態を収集し、過去と現在の矛盾を修正することができるのか!
 いやー面白かった! これまで見てきたヨーロッパ企画の時間系SFと同じく、カメラが映し出すのは世界規模のスペクタクルではなく地方都市の大学や街といった限定的なエリア。しかし、この限定されたエリアで展開される物語は、見終わったあとに考えると最終的に(あるいは最初から)収まるべき範囲にきっちり過不足なく収まって終わったものなんですね。
 いきなりラストの話なんですが、一連の事件すべてが終わったあとに大学教授助手の保積が呟く、「すべては収まるべき枠の中に収まってるんだよ」というセリフがこれを象徴しています。
 本作ではまず、冒頭でほかの誰かに見に覚えのないことを言われたり意味不明な言動をしたりするシーンがバラバラに示されます。これらのシーンの意味が見ているうちに徐々に明らかになっていく過程は、まさに伏線回収の楽しみでした。というか本作、伏線回収という流れそのものが時間軸の往復という本作のメインギミックに完全に直結してるのに高い脚本力(きゃくほんぢから)を感じます。
 こうした時間軸を行ったり来たりする構成は、ややもすれば今のシーンがいつなのかわからず混乱してしまいがちですが、本作は基本的に往復を今日と昨日に限定することでそこらへんをシンプルにしているのもうまいところ。またこれによって、世界規模のスペクタクルになってしまいそうなところを風呂敷が広がりすぎないようにして、「日常モノ」の範疇に収めるという効果をももたらしているんですよね。実にうまい。
 そして前述の通り、最終的に事態は矛盾が発生しないように収まるように収まるんですが、そこにはいわゆる歴史の修正力ではなく人間個人の選択と決意が介在しているというのが、本作を一段深いハッピーエンドにしていると感じました。
 これ、劇中でも指摘されている「あらゆる物事はすべて事前に決定されており、その過程で何をしても同じ結果に行き着くだけではないか」という方向性によっては悲劇にもつながりそうな前提を踏まえつつ、それでも自ら選択して行動することが大切だという着地点だと思います。
 この点は特に、結局誰が作ったのかわからなかったタイムマシンを、一度は研究を諦めた保積が自らの手で作る決意を固めるところと、主人公・甲本が、2030年の未来からやってきた未来人である田村が密かに思いを寄せていたカメラ部員の柴田の息子であることを知り、「名字って変えられるのかな」と呟いて終わるラストカットに象徴されていると感じました。
 このシンプルでなおかつ劇中の言葉通り、すべてを定められた枠の中に収めて終わるこの手腕、実によかった。あとカッパ像の正体とヴィダル・サスーンのくだりが重要なのにすっげーくだらなくてもう大好き。
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塚口サンサン劇場「ヴァージン・パンク 」「サマータイムマシンブルース」見てきました!
初公開日: 2025年10月15日
最終更新日: 2025年10月16日
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