さて、ペンギンSFアンソロジーの感想が無事終わったのでこっちも終わらせていきましょうかね。
あと紅楼夢原稿も終わらせなければ。
・博麗LOOP(薬味さらい)
ロジカルなストーリー構成とラディカルな絵柄が特徴のサークルさん、今回はすでに製品版が販売開始されている東方Project最新作「東方錦上京」体験版配信時点で書かれた作品となります。
東方二次創作の楽しみはたくさんありますが、その中のひとつが、製品版発売と同じくらいに、あるいは考察や予想という点ではそれ以上に盛り上がる体験版配信時点での二次創作。
これは製品版販売後では決してできない、製品版販売前でしかできない、いわば期間限定の二次創作なので、ここでしか得られない貴重な栄養素を摂取できます。ありがてぇありがてぇ。
本作はいきなり霊夢vsフランちゃんの激しいバトルで幕を開けます。その戦いのとばっちりで、紅魔館の面々があわれアフロ頭になってしまうという被害は出たものの、霊夢は見事フランちゃんを完封。その手際の良さには秘密がありました。なんと霊夢は、同じ1日をもう3周も繰り返していたのです!
こうしたループものは、ループしているというシチュエーション自体を重視しているパターンとループの仕組みが重要なガジェットとなっているパターンの2種に大きく分けられると思いますが、本作は後者。
このループの原因は、一連の事件の起点となった霊夢vsフランちゃんの戦いで紅魔館の庭に空いた地底まで貫通する大穴を、慧音の「歴史を隠し作る程度の能力」でなかったことにしたことでした。霊夢はこの際に、慧音の能力が誤作動を起こして同じ1日を再生産しているのではないかと推測します。
しかし、自体はループものお約束どおり、フランちゃんの次はお空、お空の次は饕餮といったように対処しても対処しても繰り返し繰り返し同じように大破壊が起こってしまいます。
わたくし人形使いは文字書き専門ですが、マンガでひとつの作品の中にこれだけの規模のバトルを3回(+α)も描くのは相当たいへんだったのでは。特にvs暴走饕餮のシーンは怪獣バトルテイストが強くて読んでて楽しかったですね。
そして度重なる大騒動に霊夢、キレた! 関係者全員ともどもアフロ頭になるという厳罰を処せられたと言うのにかわいそう。本サークルさんの作品では霊夢もけっこうワリ食ってるよな……。
あとがきによれば本作は、錦上京体験版のおまけ.txtの「幻想郷が同じ1日を繰り返している」「住人は無力化されている」というところから発想を広げていったとのこと。結果的に製品版のストーリーはループ構造ではなく本作のストーリーと製品版のストーリーとはかなり違ってはいましたが、これはこれであったかもしれない前日譚としては面白かったと思います。
そして何よりキャラ数が多い! 錦上京では過去の異変を再現した「異変石」なるキーアイテムが登場しますが、本作ではその異変石全8種からそれぞれの異変に合わせてキャラを登場させてるんですが、そのせいで登場キャラの総数が総集編の描き下ろしマンガ並みの人数に! 数えてみたら、1コマのみの登場も含めると登場キャラ総数は全19名! 単品でこれなら総集編の描き下ろし漫画はどうなってしまうのか!
あと今回のフランちゃんが異常にかわいいこととまさかの咲夜さんのアフロ姿が拝めることには言及しておかねばなりますまい。
製品版販売後の錦上京本も楽しみです。
今日はここまで。