今日は梅田まで出かける用事があったので映画を見てきました。
そろそろまた見たい映画が溜まってきたので、外出の際にはどんどん見ていかねば。
というわけで今日見てきたのはこれ!
邦画のホラーはあんまり見ないんですが、これはけっこう関心があったのと、映画化前にカクヨムで評判になっていたときに読んだので見に行きました。
「私の友人が行方不明になりました。情報をお持ちの方はご連絡ください」……そのメッセージは、あるオカルト雑誌のライターがSNSに投稿したものでした。
時系列は過去に戻ります。その行方不明になったライター・小沢とその先輩である女性ライター・瀬野は、ある事件を調査していた途中に消息を断った先輩ライターのあとを引き継ぐ形でその事件を調査していきます。そしてふたりは、一見つながりのないように見える数々の事件が少しずつ繋がっていき、その中心点にあるのが「近畿地方のある場所」であることに気づきます。果たしてその場所にはなにがあるのか? 一連の事件を引き起こしていたのは何者なのか?
ホラー映画は数あれど、まずそのタイプは怪異そのものは直接登場しない」「怪異が直接的に姿を見せる」「の2タイプに分かれると思います。いきなりラストの話なんですが、その伝で行くと本作は最後の最後で前者から後者になってしまった感じです。ここは評価が分かれると思うんですが、個人的にはマイナスでしたね。なんというか、ラストまでは「来る。」だったのがいきなりラストで「ガメラ3」になってしまった感じ。あれは直接出てきちゃいけないだろ。もっと正体不明、意味不明なもののまま終わってほしかったと感じました。
内容自体は、意外なほど手堅いオカルトホラー、オカルトミステリーなんですよね。失踪したオカルト雑誌のライターの行方を追って数々の事件を捜査していき、それらのつながりが明らかになって、そして事件の真相にたどり着くという流れは堅実で楽しめました。
また、失踪したライターの残した数々の事件の調査資料がまたいわゆるモキュメンタリーとしても非常に出来が良い。ニュース番組や取材記録だけでなく、ニコ生での投稿動画やLINEの記録などといった現代的なメディアもふんだんに取り入れられており、独特の生々しさがありました。特にメディアによって画質や画面比率も違うので、「映画館の大スクリーンでノイズまみれの投稿動画を見る」というような矛盾した視聴体験ができました。特にニコ生投稿動画のシーンが怖いのなんのって。もう明らかにやばい廃屋に変なテンションの生主(当然失踪している)が入っていくんですが、変な方向から変な物音が聞こえたり明らかにこの世のものではない白い影がうすぼんやりと立っていたりするのに生主がそれに気づかずにコメントが流れていくのがいかにも「ニコ生の事故動画」っぽくて怖い。いわば超絶怖い「志村後ろ後ろ」ですよ。これ見ててむかーしむかしに話題になったオイルライター炎上動画を思い出しました。生主より先にコメントが異常に気づいてるというあの手遅れ感。
もうひとつ怖かったのが、事件の大きな手がかりとなる民話に基づく怖いアニメ。あれはもう明らかに「まんが日本昔ばなし」のオマージュですよね。あれ、下手なスプラッタよりもだいぶ怖かった。トラウマを呼び起こされた人も多かったんじゃなかろうか。声優さんの語りがまた怖いんだよなあのシーン。
かように本作の怖さの根源は、「種々様々なメディアに記録されたバラエティ豊かな恐怖映像」だと感じました。そしてその恐怖のもう片方の車輪となるのが「メディアによる伝播」だと言えます。Jホラーではこの「メディアによる恐怖の伝播」が強固な土台になっていると言えます。チェーンメールや見たら死ぬ動画、古くは民話や言い伝え、子どもの遊びやわらべうたなどなど、そして本作の登場人物たちによる「調査」もまた、恐怖が伝播していく経路となっているわけですね。怖いですね。
そして本作を最後まで見たとき、そもそも冒頭の「私の友人が行方不明になりました。情報をお持ちの方はご連絡ください」のメッセージがやはり恐怖の伝播経路であることがわかるわけですよ。個人的に大好きな絶望的展開であるところの「最初から負け戦でした」のパターンですね。
でもなあ……冒頭にも書きましたが、ラストで怪異を直接的に見せてしまうのはもったいないというか明らかな失敗だったとは感じます。特にもったいなかったのが最後の最後の赤ちゃん。あれはもう見てる方は9割がた予想がついてるので、そこを信頼して見せないでほしかった。
といった感じでラストでかなりもったいない感じになってしまいましたが、そこまでは本当に堅実で出来の良いJホラーだったと思います。特に菅野美穂演じる瀬野の思惑と目的、そしてその過去が明らかになっていく過程はすごく良かった……それだけに最後の最後で選択を誤ってしまった感があって残念な印象が非常に強い。
安易なジャンプスケアに頼らない湿度の高い恐怖たっぷりのモキュメンタリーパートは、腹の底がゾワゾワするようなイヤ~な気分になれたので、余計そこが残念なんだよな……。