しかし、これから始まるのはふつうの弾幕ごっこではありません。少し前から妖精たちのあいだで流行っている「弾幕ダンスバトル」なのです。
 普通の弾幕ごっこは、スペルカードの手札を決めて弾幕の美しさを競いながら戦うもの。しかし、弾幕ダンスバトルはリズムに乗って踊りながら弾幕勝負をするという遊びなのです。この弾幕ダンスバトルは、少し前から妖精たちの間で流行り始め、その流行はまるで伝染するようにたくさんの妖精や妖怪たちのあいだに広がっていきました。その中にはルーミアやチルノ、大妖精や三月精といった面々も混じっており、ちょっとした騒ぎになっていたのです。
 その騒ぎも、いつおどおり博麗の巫女こと霊夢によって黒幕がとっちめられて収まったと思いきや、妖精たちに広がったその熱は冷めやらず、未だにこうして弾幕ダンスバトルに興じているというわけです。
 間合いを取ったふたりは、足を踏み鳴らしてリズムを取ります。
「やあっ!」
 先手を取ったのはチルノでした。眼の前に構えた両手から、リズムに合わせて氷結弾を連続して撃ち出しました。対するラルバは、背中の蝶の羽を素早く羽ばたかせて連続して宙返り、華麗な動きで氷結弾をかわします。
 そのまま両手を地面について逆立ち状態になったラルバは、腰をひねって鋭く空を蹴ります。その蹴りには十分に練られた妖力が乗っていました。その妖力は蹴りの勢いと十分に合わさり、長い槍のようにまっすぐチルノに向かって飛んでいきます。
「うわっと!」
 しかしチルノもさるもの、とっさに手のひらに冷気を集中させて氷の盾を作り出します。しかも、真正面で受けずに少し角度をつけ、ラルバの攻撃を受けるのではなく逸らしています。おバカなイメージが先行するチルノですが、その弾幕ごっこの経験と冷気の扱い方はなかなかの弾幕巧者なのです。
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