※この日記は8/20に書かれていますが気にしないように。刻が未来に進むと誰が決めたんだ。ターンAターン。
ペンギンSFアンソロジー感想も後半戦に突入。8月中には書き終わるかな?
・愛はすべての通り君でした(只鳴どれみ氏)
「奇妙」という言葉がまさにぴったりの文体に圧倒される一編。
本作から感じるペンギンイメージは「棺」。いずれ来る別れのための棺。
「何事かを意図的に演出する」というのは難しいことですが、本作では明らかに意図的に読みづらい、もどかしい、まるで糸がもつれたかのような地の文が用いられています。
この意図的な読みづらさを演出された文体、読んでて主人公の思考のもつれというか、言いたいことが頭の中にいっぺんに溢れてなにから喋っていいのかわからないときのあの感覚を感じました。
そしてこの意図的な読みづらさの文体から紡がれる独特の語彙がいいんですよね。「二人は両思いでした」をどうやったら「お互いに、お互いさまに恋でした」なんて書けるのか。
この文体、果たしてロジックで書いてるのかセンスで書いてるのかどっちなんでしょうかね。
そして本作、非常にクセのあるもつれた毛糸玉のような文体をほぐしていくと現れるのはストレートな別れに至る物語。一連の物語は「喪」の作業であったと感じました。狂騒的な作中の展開からの静謐を感じる終わりが好き。
今日はここまで。