こないだから失われし「涼しい午前中」が復活したかに思えましたが、やはりというかなんというか青春の幻だったようですね。朝起きたときから暑い暑い。
というわけでペンギンSFアンソロジー、読む分は上巻はもうすぐ読み終わりそうなので一気に読み終えてしまいたい。
・人鳥たちの星(藍崎藍氏)
「他者からの侵略」もまたSFの古典的テーマですよね。
本作から感じるペンギンイメージは「侵略者」。
古今東西、SF世界において人類社会を脅かして来た侵略者は無数にいますが、ペンギンがそこのポジションに着くのは非常に珍しい例なのではないでしょうか。
そしてまた侵略手段も種々様々ですが、本作における侵略者たるペンギンのとった手段が「人類ペンギン論」なる「人類はペンギンを祖先とし、ペンギンに向かって進化していく」というトンデモ学説を人間社会に浸透させるというもの。この非常に特異な侵略手段に説得力を持たせているのがペンギンの持つ高度な社会性というのがまたSF的にぞっとさせてくれます。
まるで海に潜るペンギンのように、人類の知らないところで深く静かに侵略計画は進行していく……。
・夢見るペンギンと夢見る人間たちのハネムーン(新星緒氏)
ペンギンと言えばやはり水族館。本作はそんな水族館で働く人間たちとペンギンのお話です。
本作から感じるペンギンイメージは「水族館のアイドル」。
みんな大好き水族館のアイドル、ペンギンのペン太くん。しかし、その正体は……。
個人的に、優れた作品とは直接書かれている情報以上の背景情報を感じさせるものだと思ってるんですが、本作における水族館経営の裏にある黒い側面はなかなか生々しさを感じられました。
翻訳機で喋るペン太くんの正体が作られた記憶を移植されたロボットであることが明かされてからの展開は暗く重いものでしたが、バックアップデータからの復活に成功してのハッピーエンドはまさに暗い海の底から明るい海の上に浮上するかのようなさわやかな読後感でした。
今日はここまで。