こないだ日記で書いた通りゲームレジェンド原稿もなんとかいったん終わりまで書けたので、さっそく映画に行ってきました。
今回は久しぶりのなんばパークスシネマ。
というわけで今日は豪華2本立ての1本目はこの作品!
なんかもうすっかりA24配給ならどんな作品でもほぼ無条件で見てるような気がしますが、しかしこの作品は予告の段階でかなり気になっていたのでぜひとも見たいと思ってた1作。
重病を患い、余命僅かな少女・チューズデー。そんな彼女のもとに、世界中を回り人間たちに死を告げる鳥「DEATH」が舞い降ります。突然自分の死を告げられたチューズデーとその母は、否応なく「死」という運命に直面することになり――。
誰もが迎える運命であるにも関わらず、誰もが普段から意識しておらず、そして突然訪れる「死」という運命。本作はそれをDEATHという直接的な名前を持つ鳥の姿として登場させて、その向き合い方を描いた作品と言えるでしょう。つまり本作は、いわゆる「喪の仕事」を描いた作品なんですね。
「死と向き合う過程を描く作品」というと湿っぽい、あるいは説教臭い作品になりがちですが、本作はどこかユーモラスで飄々とした語り口で自身の、あるいは家族の死を受け入れる姿を描いています。
このDEATHのキャラクターがまたいいんだよな。死神のような超然としたキャラではなく、タバコ吸ったりラップしたりとなんか妙に俗っぽいのがいい。そして病気のせいで同年代の友人もおらず母親ともギクシャクしていたりしたチューズデーと奇妙な友情を育んでいくのが好き。
しかし個人的には本作で注目したのはどちらかというと母親のほうなんですよね。チューズデーの母ゾラは病気の娘の存在を明らかに持て余しており、仕事もしていないなど生活は破綻気味。そんなときに明確な形で娘の死の訪れを見てしまったゾラはほとんど半狂乱でDEATHをチューズデーから遠ざけようとし、最終的に焼き殺そうとします。それでも死なないDEATHを、なんとゾラはとっさに食べてしまいます。
これによってゾラはDEATHと同じように人々に死を告げるという「仕事」を行うようになるんですが、この出来事を境にゾラの死に対する意識が少しずつ変わっていくのが印象的でした。それとともに表情も前半はこわばっているような顔で目の光も落ち窪んでいた感じだったのが、明らかに生気が戻ってきてるんですよね。この変化がいちばん目立ってたと思います。そして最終的に悲しみに暮れつつも娘の死を受け入れる。まさに喪の仕事、J・ボウルビィ説くところの対象喪失のプロセスですよね。
そう考えると本作は、DEATHのビジュアル的なインパクトこそあるものの、系列としては「若おかみは小学生!」と同方向の作品と言えるでしょう。避けようのない「死」を描くからこそ「生」が浮き彫りになるという。
そしてそこからBOOKOFFで久しぶりに4時間くらい立ち読みしてからのこの作品!
なんかもうポスターから後味最悪胸糞ムービー特有のフェロモンがプンプン漂ってきますよねクンカクンカスーハースーハー。
主人公であるリー・ハーカーはFBI支局の新人捜査官。彼女は続発する謎の連続殺人事件の捜査に抜擢されました。その事件とは、共通してごく普通の家庭の父親が突然家族を惨殺するというもの。そうした事件は過去30年の間に10回も発生。そしてその事件現場には、必ず「ロングレッグス」という署名を添えた暗号文が残されていました。
捜査の結果リーはさまざまな手がかりを見つけますが、一連の事件の犯人と目される犯人とリーの過去に接点があることが発覚し――。
本作は結構直接的なゴア表現があるものの、本当に怖いのはニコラス・ケイジ演じるロングレッグスでしょう。思い返してみると、彼が直接的に殺人を行っている場面ってたぶんないんですよね。なので殺人鬼とかモンスターとかではないんですが、もうとにかく気持ち悪い。「怖い」ってよりは「生理的嫌悪感」が先にくる。
強靭なパワーを持つ怪物とかではないんですが、見た目はなんか白塗りで髪ボサボサで言動が明らかにおかしく言葉を話しているのに話が通じない。常人にはまったく理解できない行動原理で行動してるらしいところがさらに不気味。あとはあの目つきですよね。ニコラス・ケイジこういう役やらせるとほんとハマるよなあ。
本作はいわゆるカルト宗教や悪魔崇拝による日常破壊の話なんですが、TLから漏れ聞こえる話によればアメリカの都市伝説も関係してるとか?
作中では悪魔崇拝の内容などについては明示されませんが、前述の「常人にはまったく理解できない行動原理で行動してる人間」と合わせて怖かったのが、「シスターや家族といった信頼性の高いはずの立場の人物こそがすでに悪魔崇拝に侵されていた」というもの。思い返すと本作の悪魔崇拝者たるロングレグックスやその共犯者たちは正面から積極的に犠牲者を殺しまくるようなタイプではなく、もっとも安全な場所であるはずの「家の中」に侵入し、さらにはそこでも直接は手をくださず家庭内での殺し合いを発生させるといういわゆるホーム・インベージョンものとしての側面が強かったと思います。
あとは最後まで見終わったあとだとこれ最初から完全に負け戦なので、「ミッドサマー」とか「邪悪なるもの」と同系統の作品だったなあと感じました。