「モンシニさん!挨拶終わりました。」
「よかったです、それじゃあ行きましょうか。」
「はい!」
それから車を走らせて病院に向かった。ついた後は病室に戻りお祝い会が始められた。
もちろん開催する場所が病院だということも考慮してなるだけ控え目なパーティをした。
・・・・・・つもりだったがもったのはものの数分程度で、結局は病室だということは忘れて誰もが家のリビングに居るような感覚で騒いでいた。
俺たちには今、冷静さなど塵と同等の価値に成り下がっていた。この場に居る誰もが冷静にならないように常に口を動かしている訳はそういうことだろう。
どれだけ笑おうとも騒ごうとも目を開かないまま寝ているディホールさんの姿が、また俺たちを夢から引きはがそうとしてくる。本人に意思はなくともその姿を見ている他人には意思がある、だから目をつむりたくもなった。
フリアンさんは盛り上がる熱いパーティの中ですら寝たきりのディホールさんの方を何回も見て、寂しそうに眉をぷるぷると震わせていたのだ。
また目が開くことを期待しているのか、それとも今この場にまた笑顔で存在してほしかったのか。寝たまま放置されたその動かない手をそっと包み込むように握って起こすと柔らかく笑う。フリアンさんはきっと両方を祈っているんだと思った。
さんざん騒いだパーティに終わりがやってきた。開始からだいたい2時間ほど経ったその時にはみんなが静かになっていっせいに片付けを始めていたのだった。
「ただいま。」
すっかり使い果たした体に、暖かい空気が送り込まれていく。そんな家に帰ってきたときの感覚が俺はずっと大好きでたまらないんだ。
安心感がぽっと胸を暖かくさせると、それが体に染みわたり、その日にあった忘れられない嫌なことも、なかなかとれない疲労も、綺麗に流してくれるのがすごく心地が良いと感じるのだ。
「おかえりー。」
「そうだプレルは!!」
ベッドで苦しそうに寝ていた弟、プレルの姿を何度も思い返してここまでやってきたことをその瞬間に思い出した。だからこうやって安心感を味わっている場合じゃなかった。浮かれている心をすぐに取り戻すと弟のいた寝室をすぐに確認した。
「見て。まだベッドで寝てるけどちょうど体調治ってきたところ。」
「よかった、、安心したよ。」
「わざわざ急いで帰ってきてくれてありがとうね。明日も学校だしもうゆっくり休んで。」
「学校・・・・・・」
明日、学校?
騒ぎまくった体をどうやって一晩で回復させろっていうんだ?嘘だろ。嘘だって言ってくれよ。RPGでいきなり最初の村がラスボスで破壊されるようなもんだろこんなの。
やっぱりタイミングが悪い生き物だ、母親は。
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初公開日: 2025年01月31日
最終更新日: 2025年01月31日
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