毎週木曜は滑り込みの日。
というわけで今日は今週で上映終了であることを知り慌てて見てきたこの2本。
まず1本目はこの作品!
本作はTLのインド映画好きの皆さんのあいだで話題になっていたことから知った作品。案の定塚口で上映するとのことだったので早速行ってきました。
時計技師として働く傍ら時間を巻き戻す腕時計型タイムマシンを開発しようと奮闘しているセードゥマーラン。ようやく装置が完成したと喜んだのの束の間、彼の双子の弟であるアートレーヤがそのタイムマシンを奪おうとセードゥマーランの屋敷を襲います。妻をアートレーヤに殺されつつもなんとか幼い息子とともに屋敷を脱出したセードゥマーランは、かろうじて乗り込んだ電車の中で行きずりの女性に息子を預けるものの殺害されてしまいます。
そして26年後。成人したセードゥマーランの息子・マニは自分の出生を知らないまま時計職人として働いていました。そんなある日、彼は自宅に昔からあるという開かずの箱の鍵を手に入れます。その箱の中には、父であるセードゥマーランが作り上げた腕時計型タイムマシンが入っていたのでした。タイムマシンを使って大きな力を手に入れるマニでしたが、半身不随になりながらも生きながらえていた父母の敵であるアートレーヤの魔の手がマニに迫ります。
インド映画としてはかなり珍しい時間系SFモノ。でもどちらかというとSFなのはガジェットにとどまっており、復讐や家族愛といった要素が全面に出ている感じの作品でした。
主演は「ただ空高く舞え」のスーリヤ氏で、セードゥマーラン、アートレーヤ、そしてマニの3役をこなしています。年齢も性格も異なる3役をまあよくここまで演じ分けられるなあと感心することしきり。
登場順としてはセードゥマーラン→アートレーヤ→マニという順番なんですが、この中でいちばん若いマニは前の二人と比べて雰囲気や言動がぜんぜん違うのにどこかおもかげがあるという不思議な印象がありました。
前半から中盤まではコメディチックで、時間を巻き戻したり停止させたりできるのをいいことにいろいろやってるマニの姿が笑いを誘います。また基本的にマニがタイムマシンを使う動機が「気になる女の子を振り向かせたい」なのが「ぜ、善性~……」となります。
このように中盤まではコメディ色が強いんですが、インド映画のお約束というべきか、インターミッションからストーリーが大きく動き出します。っていうかマニ死んでるじゃねーか!
面白かったのが、なんやかんやあってマニはアートレーヤを出し抜いて26年前の過去に戻ることに成功するんですが、当然マニは赤ん坊に逆戻り。なのでそこからのメインキャラはマニからセードゥマーランにバトンタッチするんですね。
序盤で退場したかに見えたセードゥマーランがここで再登場するとは思わなかった、とともにそもそもの因縁であるセードゥマーランとアートレーヤの決着もしっかり着けてるのが見事だと思いました。こういう時間系SFだと、なんやかんやあって改変されたあとの世界線を出してハッピーエンドという流れが多いので、そこまで描ききるのはさすが大ボリュームのインド映画だなあといった感じ。また冒頭でのセードゥマーラン殺害までのパートで提示された伏線がしっかり回収されてるのもいい。
SFとしてはけっこう甘い部分もあるものの、人間ドラマの部分はさすがの出来で素直に笑って楽しめる作品でした。
続けて2本目はこの作品!
本作もまたTLのインド映画好きの皆さんの話から漏れ聞こえてきたことで知った作品。そして本作もまた時間系SFです。「24」が腕時計型タイムマシンならこちらは過去に通話できる電話がメインガジェット。
科学者チランジーヴィは、研究の末に電話型タイムマシンを開発します。この電話型タイムマシンは1日1回過去に通話できるというもので、彼はその力で歴史を改変して妻の怪我をなかったことにするのに成功しました。
いっぽう、ギャングのアントニーとジャッキーは同じくギャングであるエカンバラムと敵対していました。エカンバラムは自身が経営する酒場にやってきたアントニー、そしてその場に運悪く居合わせたチランジーヴィを殺害。そしてジャッキーはアントニーの息子であるマークを育てて20年の月日が過ぎます。
自動車整備工として働くマークはある日、奇妙な電話を発見します。それこそがチランジーヴィの開発した電話型タイムマシン。その力を知ったマークは、身近な人々の運命を少しずつ変えていき、さらには自分の出生の秘密に迫っていきます。
見終わったあとに調べてて知ったんですが、本作は主演のヴィシャール氏とS・J・スーリヤー氏が年代に合わせて一人二役だか三役だかやってるらしいですね。全然気づかなかった……。
本作は正直時間系SFとしてはかなりガバガバなところが多くはありますが、勢いで突っ切るタイプの作品です。
話はタイムマシン開発者であるチランジーヴィではなくあくまでジャッキーとアントニー、そしてマークが中心になってるので冒頭部分とメインストーリーのつながりがあまりなく、序盤から中盤くらいまではかなり駆け足かつ早口で話が進むのでキャラの顔と名前も一致しないまま一気に話を進められた感じ。
しかし過去との通話による歴史改変部分はまあツッコミどころもあるものの因果関係はわかりやすかったですし、直接的な接触ではなく「電話なので通話しかできない」という制限をうまく使って一筋縄ではいかなかったり行き違いが発生したりでそこが面白かったですね。過去改変によって状況が二転三転するあたりは飽きさせない構造で良かったです。
また終盤は結構シリアスなものの、中盤くらいまではかなりコメディに寄せているので笑いどころもたくさんあって楽しかった。そしてバトルシーンが豊富にあったのも良かったですね。特にラストバトルのアナコンダはインド映画あるあるの「そうはならんやろ」でもう大好き。
そしてこのラストバトルのジャッキーの狂騒的な悪役っぷり、そしてアントニーのあまりにもファンキーなじいちゃんっぷりが爽快でした。すべての清く正しいおとこのこはヒゲでグラサンのじいちゃんが大好きなのだ。
前述の通りSF的にはユルい部分もありましたが、ドラマとキャラと勢いで魅せてくれるハイレベルな娯楽作品でした。ラストを消化不良とみなすかどうかは人によるかな。