最高で残酷な死に様。
普通の日常は簡単に崩れる。
人間関係だってそう。
生きる希望も、全て脆い。
これは、とある六人が死に至るまでの話。
【焼】作戦
あの人が仕事に行ってから、1人で作戦を立てる。
この家から逃げ出す作戦を。
部屋に戻って、ノートとペンを取り出す。
さて、どうしようか。
あの人は基本的に午前中はいない。
午後になったら帰ってきて、そこから自室にこもっている。
そして夜になると遊びに行く。
多分、毎晩男と遊んでいるのだろう。
0時をまわった頃に帰ってくる。
逃げ出すとしたら夜、買い出しの時間。
買い物かごを持って家を出たら、
カメラに写りはするが大丈夫だろう。
決行は明後日の夜…
抜け出して、どうするのだろうか。
学校へ通う…?
そもそも中学で途切れているから、難しそうだ。
じゃあ、就職…?
奴隷だったーーが働くのは無理。
じゃあ、死んだらいい。
少し外を旅して、その後に死のう。
こんな家では死にたくなどないから。
友達が欲しかった。
普通に愛して欲しかった。
そんな後悔は過去に置いてきた。
もう、何の希望もない1人の人間。
これで、この生き方でよかったんだよ。
きっとそう。
時計に目を向けると、そろそろ昼食の時間。
準備をしないとあの人が怒る。
面倒臭いな、と思いながらキッチンへ向かって
準備を始めた。
窓の外は、微かに雪が降っていた。
【焼】決行
kosame
あの人が出掛けた。
早速キッチンにある買い物カゴを取って、
靴を履き始めた。
家の鍵は置いて、財布だけを持って、
ここを飛び出した。
走って、走って、走って、走った。
遠くへと、走った。
スーパーが見えてきたところで立ち止まる。
一瞬で現実を叩きつけられた。
人がいた。そこに立っていた。
「あら、こんな時間にどうしたの?ニコッ」
あの人が、立っていた。
体が沸騰したように熱くなる。
頭がぽっと熱を持って、クラクラする。
「ぇ、ぁっ…、。」
緊張でなのか焦りでなのかは知らないが、
そこで意識は途切れた。
気がつくと、家にいた。
椅子に縛り付けられていた。
目の前には、笑っているあの人。
「外出は9時から10時までって決めたわよね?」
「…はいッ」
「規則違反よ。バシッ」
「い゛ッッ」
頭を殴られる。
軽い脳震盪のようなものを起こしている。
とても痛い。
そこで、あの人が何かを取り出した。
意識が朦朧としていて、よく見えない。
「これは、あなたがやった事の罰だから」
シュッという音と同時に、少し辺りが熱くなる。
「さよなら」
あの人が走ってどこかへ行った。
そこでようやく気付く。
燃えている、家が燃えている。
椅子に縛り付けられている縄にも火がついて、
腕がキリキリして痛いし暑い。
このまま死ぬんだな。
ここで、今。
どうせなら、他のところが良かった。
周りが騒がしい。
パトカー、消防、救急。
こちらを見ている野次馬共。
助けてよ、見てないで助けてよ。
あの人が警察に連れて行かれた。
よかった。
椅子にも火が移り始めた。
ガタッと椅子の足が燃え尽きた。
縄ももう解けていて十分歩ける。
よろよろとした足で歩きながら、
『ようやく外だ』と思った次の瞬間、倒れた。
体が限界を迎えた。
視界が狭くなっていく。
ただ、周りの騒音だけが最後まで残った。
【事】
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ひなた
ゆっくり見ていってください。
08:47
ひなた
???
18:39
ひなた
一話分終わり
35:27
ひなた
二話目
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向き
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