はたして、これは愛なのだろうか、と思う。
思うが、しかし答は出ない。
とりあえず、音声は出ない。
マイクは動いてるようだが、文章に反映されるのだろうか?????
あーあーあーあーあーあー
???????
さて、気を取り直して書き始める。
一旦音声は切ろう。
*******************
 選んだカードを見る。アスタや他の女性陣からの視線がオーディンの斬鉄剣並みに痛かったのを思い出し、ディオンは溜息をついた。
 石板に貼られていたカードの多くは「愛」を告げる用途のものだった。「愛」といっても、幅は広い。いわゆる「唯一人へ向けた愛」だけではなく、家族へのものだったり、友人だったり、それほど親しくはなくとも「ありがとう」くらいの意味を伝えたり……まあ、色々だ。
 彼女達が期待していたのは、まあ、言ってみれば「唯一の相手に向けて贈る」カードがどのカードになるのかというのと、己がいったい何を書くのかということで──後者は絶対に見せないので、彼女達がどのように期待しても無駄ではあるのだが。
 ……結論を言えば、どのカードも選ばなかったのだ。
 何故なら、イベント、もとい、雑貨まつりの終了時間をちょうどカローンが告げて、その場がお開きになったからなのだが、今思えば、カローンがわざと時間を繰り上げてくれたのだと思う。
 カローンが義眼でないほうの目を瞑って合図をしてくれたのが、その証左だった。
 その夜、ラウンジにも人の気配が消えた頃、ディオンは再度大広間を訪った。
 綺麗さっぱり片付けられているので、あの熱気は幻のようにも思えたが、石板には何枚かそのままカードが残っていた。残したのか、剥がし忘れたのか、それとも?
 吸い寄せられるようにディオンは石板へと向かった。剝がし忘れたのだという線は消した。ここまで綺麗に片付けたのに、それは少し考えにくい。とすると──?
「選んでいくかい?」
 何のカードが残っているのだろう、と見たディオンに声をかけたのは、カローンだった。
「これは?」
 ディオンが問うと、カローンは煙管を振った。「さて、どう思う?」と反対に訊かれる。
「其方が、貼り直したのか?」
「……当たりとは言い難いね。「目印」さ。こっちへおいで」
 まるで親戚か近所の子供を相手にしているような言葉遣いでカローンはディオンを手招きした。何やら手には分厚い帳面を持っている。
「あそこに貼られていたカードじゃ、使いにくいだろう。人目も引くし、噂にもなる。何枚か使えそうなものを分けておいたからゆっくりと選んでおいき」
「……何枚か、のレベルではないのだが」
「趣味もあってね。面白いものだよ」
 呆れたように言ったディオンに、カローンが笑う。帳面は、頁の四隅に切り込みを入れ、カードを保存しているようで、「何処で買ったか」「いくらだったか」「仕様は」「誰がつくったか」など、カローンの字でメモが残されていた。
「……少し、借りる。そして、一枚いただこう」
「どうぞ。お代はそうだね、いつか何か面白いものを見つけたら、持ってくればいい。それで交渉成立としよう」
「……」
 さて、とディオンはインク壺と羽根ペンを手にした。
 テランスが戻るまでに、カードに何か記しておきたいと思った。今は、「石の剣」と共に魔物狩りに出ている。
 何を書こうか、と思うのだが、頭が混乱気味になっていた。
 ひとつ。短い言葉がよいのだろう、とは思う。便箋ではなく、あくまでカードだ。細かな文字を書き連ねてもよいが、書ききれなくなってしまうのは困る。
 ふたつ。短い言葉、といっても……とそこで躊躇う。分かりやすいのは、伝わりやすいのは、定番の「愛している」という短い言葉なのだが、とそこまで考えて、ディオンははたと気付いた。
 ──私は、この言葉をテランスに、伝えたことがあっただろうか?
 その疑問には「勿論」という答えたかったが、「少し待て」と頭のどこかが待ったをかけた。
 ある、と思う。反対に、伝えられているのは百より承知というか、心も体もどちらも受け止めていて──、しかし、己はというと……?
 さらに、その前に。もうひとつの疑問がむくむくと沸いてきた。
 ──私は、彼に。彼を……。
  § §
 二日後の朝、テランスはいつものようにぱっちりと目が覚めた。朝には強い。そうでないと、ディオンの従者は務まらなかったし、そうでなくとも、軍人に寝起きの悪い者は存在しないことになっている。まあ、偶にそういった者もいるが。
 「石の剣」の隊員達はその点では、規則正しい生活はできるものの、臨機応変さには欠けるところがあった。試しに、起床喇叭を夜中に鳴らしてみたら、三名が出てこなかった。騎士団の団員だったら……と考えるも、今はそういった有事も少なく、また、これから徐々に慣れていけばよいだけの話だ。そう考え、特に訓戒などは行わなかった。というより、ドリスに「そこまでしなくても良いです」と言われてしまった。
 そうして魔物退治の後の練兵も終え、隠れ家へ帰ってきたのは昨夜遅く。残念ながらディオンは既に就寝していて、それでもやはり彼も人の気配には敏いから目を覚ましたようだった。
「怪我は」
「ありません」
 そうか、と安心したように微笑んで、ディオンは再び寝入った。その寝顔に少し見とれて、テランスも寝支度を整えて休んで──今。
 ディオンがいない。いつもならば、自分よりは少しだけ起きるのが遅いはずなのに、姿が見えない。
「ディオン?」
 と呟いて、辺りを見渡したテランスの枕元に、一枚のカードがあった。
「え?」
 独り言のようだったが、誰も答えてくれない。ディオンは何処へ。このカードは何だ?
 まさか、別れ……の手紙なのでは、とかつての恐怖を思い起こし、テランスは息を呑んだ。手が震える。
 しかし、それにしては──あの走り書きの紙と比べると──カードの紙が上質なように見えた。何か、刻印のようなものが押されている。花、ではない。
 意を決して裏返すと、ディオンの筆跡で短い文章が書かれてあった。
”私は、お前を愛せているか?”
「──」
 署名入りのそのカードを、テランスは三度読み返し、頭を抱えそうになった。
 ディオンがその場にいたなら、すぐさま説教していただろうが、彼はいない。
 本当に何処へ?と考え込んでみたが、カードをもう一度読み、彼の心情に思いを馳せることにした。
 何故、彼はこう書いたのか。
***********
 続く!
カット
Latest / 61:01
カットモードOFF
10:31
Sarururu
まだまだβということですかね…
11:55
ミズキ
さるるるさん
12:22
Sarururu
こんばんにゃー!
12:28
Sarururu
こんばんはー!
12:35
ミズキ
おおー!さるるるさんの文章素敵です…!
12:47
ミズキ
こんばんはです🤗
13:05
ぐりまる
音声、聞こえず!しかし文章〜!!!素敵♡
13:21
ミズキ
聞こえてます!
13:26
ミズキ
すごーい!
13:39
Sarururu
わーーーー恥ずかしい
14:08
ぐりまる
斬鉄剣www
15:05
Sarururu
痛いといえばw
16:22
ミズキ
じっと見てしまいます…👀
16:23
ぐりまる
婆ちゃんわざとか!?
16:47
ぐりまる
さすが婆ちゃんwww
17:33
Sarururu
とりあえず殿下一人称で書いて、あとで直します~
18:01
Sarururu
音声よりチャットのほうが早いので音声も切りますね! のんびり書いてますので覗いても覘かなくてもOKです!
18:02
ぐりまる
婆ちゃんは何でも知っている…皆の味方…
18:40
ぐりまる
音声の恩恵に預かれず…悲しい😂
21:03
ミズキ
勉強になります…
21:27
ぐりまる
ドキドキ…
24:34
ミズキ
こういうメイキングはやはり見てて面白いですね🤗
24:59
Sarururu
なんか長くなりますねw テラは出てこない…はよ出てこい…
25:14
ぐりまる
めちゃめちゃ読んでしまう😆楽しい〜
26:25
ぐりまる
恋の愛だ…わくわく
27:49
ぐりまる
カローン婆さんの5W1H
29:50
Sarururu
さっきまで首を刎ねてたので、羽根が出なかった…
30:31
ぐりまる
刎ねペンwww
32:06
ミズキ
書くリズムといいますか…いつも自分のリズムで書いているので他の方の書き方を見ると面白いです
33:54
ぐりまる
定番でいくか〜?がしかし不滅である愛という言葉♡
35:14
ぐりまる
言われ慣れて…みたいなね
37:05
Sarururu
ぬーん
37:24
ミズキ
すらすら書けるのすごいです…
37:51
ぐりまる
さるるるさんの呻きとディ様の迷いがリンクしてるwww
38:21
Sarururu
あらかじめぼんやり浮かんではいたのですが、殿下が雑ですw
38:55
ミズキ
雑に思えない…
39:20
ぐりまる
ディ様の悩み…とは!みたいなwww
39:53
ミズキ
テラ登場!
40:11
ぐりまる
お帰り!石の剣の方と喧嘩しなかった!?
40:56
ぐりまる
ラッパの音で起床するテラ
41:58
ぐりまる
鳴らしちゃったの!?www
42:23
ぐりまる
軍人気質め!www
43:34
Sarururu
まるさんの言葉が目に入ったので入れてみましたー!テラこわい
43:44
ぐりまる
さすが兵長なだけありますわ…😂
44:32
ぐりまる
そんな鬼みたいな兵長が大好きです♡www
44:53
ぐりまる
ドリスさん正論wwwwww
46:33
ミズキ
そろそろ退室します!完成楽しみにしております〜!失礼します…!
46:40
Sarururu
はーい!
46:44
ぐりまる
ミズキさんおやすみなさい〜!
46:45
Sarururu
ありがとうございましたー!Q
48:07
ぐりまる
!?
49:24
ぐりまる
おっ!?
50:50
ぐりまる
誘拐──!?
51:21
ぐりまる
誘拐じゃなかった(それはそう)
51:29
Sarururu
誘拐犯w
51:53
ぐりまる
ディオンは預かった…www
53:40
ぐりまる
!!!
54:44
ぐりまる
(*´Д`)ハァハァ
55:09
ぐりまる
お説教だ!
56:35
ぐりまる
良いところで!!、
56:49
Sarururu
以上をもちまして、あとはどうなることやらでございます
56:52
ぐりまる
本番の楽しみだー!!!
56:56
Sarururu
わー!
57:01
ぐりまる
わー!!
57:10
ぐりまる
めっちゃ面白かったです!
57:16
Sarururu
なんか緊張してばばばと書いたので、怖かったですw
57:22
Sarururu
ありがとうございます~!
57:23
ぐりまる
まーたディオン様ったら先走ってー!
57:44
ぐりまる
わくわくしながらみてました!www
58:14
Sarururu
ディはそうですね、頭の回転が速すぎてへんてこなことになりそうです
58:44
Sarururu
あとで推敲して続き書いて明後日までになんとかお出しできればと思います~!
58:52
ぐりまる
考える回転が早すぎてぐるぐる…パーン!て見当違いなほうにいきそうなディオン様www
59:06
ぐりまる
おおお〜!!!期待✨✨✨
59:33
Sarururu
わりと普通かもですが、お楽しみいただけたら幸いです。
59:36
ぐりまる
軍人テランス好きすぎてたまらんwww
60:04
Sarururu
きっとテラはこわいと思いますよーw 周りには手加減してそうですが!
60:06
ぐりまる
定番こそ何度噛んでも味がしますし!
60:11
Sarururu
するめですね!
60:18
Sarururu
ではそろそろ閉じます~
60:19
ぐりまる
するめですね!www
60:28
ぐりまる
はーい!ありがとうございました〜!!
60:36
Sarururu
ありがとうございましたー!!
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初公開日: 2024年08月29日
最終更新日: 2024年08月29日
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