不意に和音が鳴らされる。何の変哲もないただのCコードだ。
サンポは首をひねった。チューニングができていないのはわかっているが、それにしても音が何か普通とは違った響きを持っている気がする。あまり見るなと言われた手前もう一度手元を覗き込むのは得策ではないにしろ、今弾いているのが本当にCコードなのか疑わしい。もしかすると音がずれすぎていて別の鍵盤を叩いているにもかかわらずCコードに聞こえているのかもしれない。
自分の音感が鈍ってきている、という可能性からはできる限り顔を背けソーサーからカップを取り上げる。ほんの一口にも満たない量だけを残したつい先ほどの記憶を忘れてぐいと飲もうとするものの、拍子抜けするほどしか口に入らず思わず小さく息を漏らしてしまう。
「まだ和音しか弾いていないのにため息か?」
顔を向けるとジェパ―ドが不服そうにこちらを向いていた。突然のことに少し空いていた口から間抜けな声が漏れる。どうやら勘違いされてしまっているようだ。サンポは笑ってしまいそうになるのを堪えて微笑んだ。
「いやいや、そんなことあるわけないじゃないですか!貴方の奏でる音があまりにも素敵で感嘆していたんですよぉ」
「……長三和音ひとつでそんなに感動されるとは思っていなかった」
何か言いたげではあるものの、ジェパ―ドは渋々ピアノに向き直る。サンポはほっと胸をなでおろすと同時にとっさに飛び出たでまかせに、少しだけ自分を恨んだ。もちろん、ほんの少しだけだが。
ジェパ―ドが次に奏でたのは簡単な指練習と思しき曲だった。つらつらと音階をのぼり、そして下っていく。何の情緒もない音の羅列である。しかしその中でどうやら軽く感覚を取り戻してきたらしく、次第に音の輪郭がはっきりしてくるのが分かる。そして指が最初の位置まで戻ってきた頃には、既にサンポは気付いていた。
――ジェパ―ドはピアノが「弾ける」人だ。
音を鳴らすことに特殊なスキルが必要でない楽器はしばしば奏者を「音が鳴らせる」人と「弾ける」人の二つに分類することがある。正直、サンポにはピアノの音の良し悪しは分からない。しかし、直感的にそう感じたのだ。どう弾いても音がぼやける人は数多くいて、輪郭を保つだけでも十二分に「弾ける」側であるのにブランクをものともせずオクターブを一往復するだけで輪郭を取り戻す、その姿はどこからどう見ても才能のある人間のものであった。
パチパチと手を叩いて称賛すると、案の定「馬鹿にするな」と叱られる。本当に馬鹿にしているわけではないのだが、自分が言う限りそれは多分伝わらないのだろう。
ジェパ―ドとしてはどうやらまだ指が動かないらしくしきりに手を開いたり閉じたりしている。サンポはまだ温かいコーヒーをカップに注ぎなおして、それをジェパ―ドに渡した。
自戒
・ついったーみるな
・変換にイライラするな
・二重否定しすぎるな
ポップスの人はCコードって言うけどクラシックの人は言わないよね。いい。
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まみ
途中からみたいに始まってますが途中からです
34:31
まみ
ねむい
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まみ
ながい
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向き
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復帰とテストを兼ねたサンジェパ原稿
初公開日: 2024年06月16日
最終更新日: 2024年06月19日
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コメント
久々に小説を書きます
戯曲書いてたので書けると信じて
ピアノ弾くサンジェパです
B
遅刻ワンライ
ワンドロライ遅刻参加書く〜 合言葉はカプ名
まみ
【愛され左京さん】プチプチする左京さんと ★
プチプチする左京さんに寄り添う各組+α 春:こっそり近付く千景 夏:△プチプチあげる三角 秋:106…
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