パプリカの色は、実に含まれる成分の違いによって変化する。成分の違いが色に影響し、同じパプリカでもまったく違う色になる。
きっとそれは、人間も同じだろう。人との違いが影響して色が変わっていくんだ。
「明日から、中学生か…、実感ないなぁ」
「やっぱり俺らの小学校の奴らが大半だからね…、しょうがないよ」
「あお前ら同じ中学校だっけ?いいなー!」
塾終わりにポテトをつまみながら雑談をする。
「えどこ行くんだっけ」
「ん?あ中学?」
「そうでしょ、話の流れ的に」
「冬花中学だって。前言ったじゃん」
「言ってたぁ??」
「お前らはあれだろ。静野南中学校」
「違う、それ静野南小学校じゃん」
「静野中学だって。俺らは静野小学校」
「……そういえばそうだったか」
手を伸ばすとその皿には何もない。
「ポテトないじゃん。母さんにもう一回してもらうか」
「賛成」
「どうせあの人らもポテト食べてるしな」
「……それで、好きな子いる?」
いつの間にか敷いてある布団に入り、笑顔で聞いてくる。
「えうざ」
「一番この顔うざいよな」
「え酷い」
酷いよーと泣き真似をする碧。
「母さん、ポテトやって」
「しょうがないねぇ…、碧と樹に今日泊まるか聞いてきてくれない?」
「はいよ」
「泊まりたぁい♡」
「きもいむり」
「樹くんひどぉい♡」
「なんかいそう」
「お前らの同級生の真似」
「クソ似てるわ」
「樹は?泊まる?」
「当たり前」
「恋バナしようぜ」
「碧、好きな子いるのか」
「よくぞ聞いてくれた!颯太」
ばっと立ち上がり、仁王立ちをする碧。すぐにしゃがみ込み手招きをした。
「えなに」
「いいから」
小声で言う碧。どうやら本気で恋しているらしい。
「塾のさ…、名前は知らないんだけどね」
「は恋してるのか」
「ほら、あの子。髪が長いさ」
「あー……、なんか怖そうな子?」
「よく見てるもんな、碧」
「なんで分かるのさ…、というか怖くないって。真面目なだけだしさ」
「なんか、名前知らないのにそこまで知ってるってストーカーみたいだな」
「確かにな」
「うるさいなぁ、もう」
「え…それで?」
「チョコを貰って、あ俺もホワイトデーにお返ししたんだけどね??」
「うわ」
「何さ…、えとそれで、今度遊ばない?って誘われて…」
「LINE交換したのか」
「うん」
心なしか返事の声が少しばかり小さい気がする。
「デートかよおめでとう永久に幸せになりやがれ」
「ポテト入るわよー」
「はーいっ!!」
何の話をしていたのかは追及せずにさっさと行った。
「そろそろ寝ようかな、俺」
羞恥心からかいつもより早く寝ようとする碧。
「んーおやすみ」
それから少し沈黙が続いた。
「で?恋バナ続けるか」
「樹は誰が気になるんだよ」
「いない。だからタイプの話をしよう」
「いいよ」
「颯太はどんな子がタイプなんだ?」
「えっ、颯太から??」
「うん」
「ええと…そうだなぁ」
「……考えたことないや」
「そうか?次は俺だな」
「お…おう」
「タイプといっても見た目や性格があるからな」
「まあ優しいが一番だが、ギャップがあるのも良いと思う」
「ギャップなぁ……」
「ああ、例えばそうだな。可愛いのに性格がイケメンだとかしっかりしているのにどこか抜けているところがあるだとか。素直じゃなくてもいいな」
「うん落ち着け樹」
「ああ落ち着いているさ。ただ皆に優しくて好きな人にだけには素直になれない子なんかが良いな。王道な気もするしな」
「よし寝るか!おやすみ!!」
「そうだな、明日から中学生。頑張ろう」
「ああ」
樹のタイプトーク中から眠気が襲ってきていたのだ。寝ようと思えばすぐ寝れた。
「起きろお!!」
碧の大きすぎるくらいの声が颯太の耳によく響く。
「うるさ」
「……うるさい……」
樹が眠そうに、呟いた。布団を被って音を遮断しようとしている。そうはさせないというように碧は布団を剥いだ。
「おはよ!!」
その行動に樹は顔をしかめたが、目をつぶった。
「ほら今日から学校なんだから、お前らは家に一回帰らないと」
「まあ俺は制服持って来たんだけどね!!」
「は??うざ。…そういえば、制服持って来たな…」
「なんなの、お前ら。昨日泊まる気満々だったの??」
「当たり前だ…、碧のその起こし方はどうにかならないのか……?」
「どうにもならん。諦めて目を開けろ」
「……もう、少し」
「だめだよぉ♡」
「きもいむり」
「あ、でも起きたぁ」
雑談をしながら、制服に着替えていく。
「ネクタイ、くそ上手く出来たんだけど」
「おめでとう。ちなみに出来たのは俺が先かな」
「ねえうざい」
「……ここどうすんの?」
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色づく前に
初公開日: 2024年03月09日
最終更新日: 2024年04月19日
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コメント
自分の色を持っていないけど、焦らなくてもいいかな。