輸送機が火だるまとなって墜落していくのを待たず、ワンは機体の落下機動をコントロールし中央の輸送機に着地。翼上の機銃の死角を取りつつサーバーボックスが積載されている格納庫を確認する。ちょうど真下だ。
「おい! データボックスの位置は特定したか!? 特定したらさっさと接続してデータを抜き取れ!」
『あームリムリ。データボックスはスタンドアローン状態だよ。遠隔接続はできないよ』
「ンだとッ!?」
『ワンちゃんさあ、事前情報もちゃんと知らせてくれないような相手と仕事するのやめたら~?』
「その相手が作ったのがお前だろうがッ!!」
 コクピット内で怒声を張り上げても事態は解決しない。見れば、残った残った2機の輸送機のハッチが開き、無数の迎撃用ドローンが射出されている。ドローン1機1機の火力は大したものではないが、すでに装甲を排除した[[rb:飛虎 > フェイフー]]にとっては、大量のドローンによる集中砲火を受ければ大破は免れないだろう。
 選択肢はひとつ、データボックスに直接有線接続しデータを抜き取るしかない。
 アサルトライフル「[[rb:飛刀 > フェタオ]]」の銃口を足元に向けるのと、迎撃用ドローンが雲霞のごとく殺到してくるのがほぼ同時。
 輸送機の天面を撃ち抜いた[[rb:飛虎 > フェイフー]]は、そのまま機内の[[rb:格納庫 > ハンガー]]に落下。同時に庫内をスキャン。――見つけた!
 データボッックス発見と同時にワンはコクピットを解放、サバイバルガンとコクピットから伸ばしたケーブルを手にデータボックスめがけて駆け出す。
 機体はAI制御に切り替えておいたので、ドローンを迎撃していればしばらくは時間を稼げるはずだ。しかし、データボックスへの不正アクセスが発覚すれば、最悪この輸送機ごと撃墜されかねない。
 ワンは焦燥が思考を真っ白に塗りつぶしそうなのを懸命にこらえ、サバイバルガンの銃口をデータボックスが収められているコンテナの電子錠に押し付けて引き金を引く。吹き飛んだ電子錠を強引にこじ開けて、伸ばしてきたケーブルをデータボックスに接続。
「接続したぞ! データを抜き取れ!」
 HMDの視界の端にインジケーターが表示される。データの移行を示すグリーンのプログレスバーの進行は遅々として進まない。背後を振り向けば、穴の空いた[[rb:格納庫 > ハンガー]]から侵入してきたドローンの数はどんどん増えており、[[rb:飛虎 > フェイフー]]は押し負けそうになっている。この狭い庫内でドローンに張り付かれたらおしまいだ。
「おい! 急げ!」
 思わずそう叫んだが、いつもの小生意気な少女の声の返事は帰ってこない。代わりに、ようやく中央付近に到達したプログレスバーが止まり――視界が真っ赤な[[rb:警告表示 > アラートサイン]]で埋め尽くされた。――[[rb:逆 > カウンター]]ハッキング!
『いやあああ!!』
 ワンが声を上げるより先に、ヘッドセット内に甲高い悲鳴が響く。あまりにも生々しい、幼い少女の悲鳴。
 反射的に背後を振り向くと、ドローンを迎撃していた[[rb:飛虎 > フェイフー]]は突然ふらつき、横倒しに転倒した。制御を失っている!
「おい!」
 叫びつつ、ワンは機体に群がろうとするドローンに向かってサバイバルガンを発泡しつつコクピット近くに取り付き、緊急用の手動解放レバーを
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