「わ、この服かわいいですね」
「そうですか? 気に入っていただけて何よりです」
ノワさんに見繕ってもらった服は、いかにもファンタジー世界の町民という感じのワンピースで可愛らしかった。
キラキラとしている服も可愛いけど、肩が凝ってしまう。
これからはこういう感じの服装を用意してもらえないだろうか……そう考えていると、ノワさんが部屋からいなくなっていた。私が着替えるための配慮だと分かってはいるけど、気配がないのでちょっと怖い。何か言ってほしいというのも、セットで頼むべきだろうか。
そんなことを思いながら着替えた途端、クライヴが入ってきた。ノワさんも一緒なので、きっと制止しようとしたんだろう。本当に苦労しているなぁ……。
「思った通り、素朴で可愛らしいね」
そこにどんな感情がどれだけ入っているのかは分からないけれど……。
「あ、ありがとうございます」
褒められることは嬉しいので、素直に礼を言った。
クライヴはというと、いつもと変わらない服装だった。だから私はこれから着替えるのかと思ったが、それじゃあ行こうかと言うので、どうやら違うらしい。
でも、大丈夫なんだろうか……?
「ああ、僕は認識阻害魔法を使うから問題ないよ。庶民の服を着るわけにもいかないし」
私の心配を察したらしいクライヴが、そう言った。そういう魔法もあるのかと、そして使えるのかと感心してしまう。それに、確かにクライヴには庶民の服は似合わないだろう。この服が一番お似合いだと思った。……いやでも、顔立ちが整っているし、なんでも似合うんじゃないだろうか。そんなことを思ってしまった。そんな私に構わず、クライヴは手を取って歩みを進める。
「手を、つないでおこう。はぐれても見つけられるけど、心配だから」
「え、えっと……」
それはもうほとんどデートなんじゃないか。そう思ってしまう私の脳みそが憎らしい。