今まで、遊び疲れるまで弾幕ごっこをしたことは珍しくありません。でも、こんなに長い間弾幕ごっこを続けたのはこれが初めてでした。しかも、疲れるどころか弾幕ごっこを続ければ続けるほど力が湧いて来るようなのです。まるで、どこかから力が流れ込んでくるような(傍点)、そんな気分でした。
 夜空から降り注ぐ月明かりの中、ルーミアはスカートをひるがえし、ステップを踏みながら魔法の森の中を進んでいきます。
 そこへ、優しげな声がかかりました。
「ルーミアちゃん、おかえりなさい!」
「お、いたいた! ただいま大ちゃん!」
 声の主は、ルーミアのお友達のひとりである大ちゃんこと大妖精でした。しかし、その場にはもうひとりのお友達の姿が見当たりません。
「あれ……チルノちゃんは?」
 あたりを見回しても、チルノの姿はありません。……と思いきや、大妖精の足元に見覚えのある人影が転がっていることに気が付きました。
「お~……おかえりー……ルーミア……」
「あれれ? チルノちゃん、朝はすっごく元気だったよね? なんで伸びてるの?」
 大妖精の足元に力なく伸びているのは、間違いなく氷の妖精チルノでした。いつもやりすぎなくらい元気いっぱいなはずのチルノは、目を回してぐったりしています。
「えへへ、ちょっとね……ルーミアちゃんが行ってから、みんなで弾幕ごっこをして遊んでたんだけど、ちょっと……当たりどころがね……」
 ばつが悪そうな顔で苦笑する大妖精。大妖精はルーミアのお友達の中でも控えめな性格なので、弾幕ごっこでやりすぎることはほとんどありえないと言っていいでしょう。どういうことでしょうか?
「あ……あたいは負けてない! 休憩中なだけだよ!」
 チルノはそう言いますが、よほど当たりどころが悪かったのか強がりにも元気がありません。
「あはは……でも、大ちゃんはまだまだ元気そう! ねね、大ちゃん! この間の続き、しようよ!」
 いつもと違うチルノや大妖精の様子に、ルーミアはだんだんわくわくが我慢できなくなってきました。朝から踊っていたのに、もっと踊っていたい、もっと弾幕ごっこがしたい、もっとこの湧き上がる力をふるいたいという気持ちが大きくなってきます。
 そして、それは大妖精のほうも同じようでした。柔和な笑みを崩さず、大妖精は言います。
「私もそれを言おうと思ってたところだったの」
「やった! 今度も負けないよー!」
「ふふふ……」
 大喜びのルーミアを前に、大妖精は静かに笑っています。笑っていますが、なんだかオーラが違います。いつもおとなしい大妖精も、妖精たちやルーミアと同じように、熱に浮かされたかのようにテンションが上っているようです。
 今まで見たことがないような大妖精の様子に、ルーミアもさすがに困惑気味。
「あれ……だ、大ちゃん……?」
「私ね? こんなに弾幕ごっこが楽しいのは久しぶりなの……ルーミアちゃん、覚悟してね!」
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