幻想郷には、命名決闘、つまり弾幕ごっこをはじめとする法則(ルール)があります。
幻想郷に住むものは、誰もがそのルールに従わなくてはいけません。誰も従わないルールには意味がありません。
それに、だれかがルールを勝手に書き換えることもできません。
では――。
「やったあ! 博麗の巫女に勝っちゃった!」
「……」
無邪気にはしゃいでいるルーミアの姿を、霊夢はじっと見つめていました。
ルーミアの言っている通り、霊夢はルーミアとの弾幕勝負に負けてしまいました。
「博麗の巫女が妖怪に負ける」。
これは、幻想郷のルールに照らし合わせて、ありえることなのでしょうか。
考えるまでもありません。
博麗の巫女こと博麗霊夢は、これまで数々の異変を解決し、数々の強敵を下してきました。
それができたのはなぜか?
霊夢はもちろん、強力な力を持つ巫女です。それは誰もが認めることですし、事実です。
ですが、霊夢がこれまで幻想郷で起こった異変を解決してこられた理由はほかにあります。ただ単に、「霊夢が強いから」というわけではないのです。
「博麗の巫女は負けない」。
それは、この幻想郷にある数々のルールの中でも、決して破ってはいけない……いいえ、破ることはできないルールなのです。