さて、無事夏コミも夏コミ思い出し日記も終わりましたがまだまだ休息のときはありません。次は原稿やら夏コミの時期に新しく上映開始されたサンサン劇場の映画を見に行かなくてはいけません。
というわけで今回見てきたのはこちら!
「マハーバーラタ」と並ぶインドの二大叙事詩のひとつ。原典を読むのはなかなかハードルが高いんですが、みんな大好き「バーフバリ」や「RRR」を深く読み解くために、そして改めてインド神話を把握し直すために見てみることに。
本作は全7巻に及ぶ「ラーマーヤナ」の物語をダイジェスト的にまとめたアニメ作品。wikiによれば1997年作品ということでかなり古いものですが、アニメとしての質はかなり高く感じました。
いわゆるオタクはアニメを見るとき、あるいはアニメの質を判断するときにキャラクターや声優ではなく背景美術、爆発や煙といったエフェクトに目を向けるものです(要出典)。特にアニメの質が出るのはモノがブッ壊れるシーンですね。破片の描き方が丁寧なアニメはそれだけで神アニメ判定が下されます。言うまでもなく「AKIRA」のビル屋上の給水塔が窓ガラスを割りながら落下するシーンや「オネアミスの翼」のロケット発射シーンにおけるロケットの表面に張り付いた氷片が剥がれ落ちるシーンなどはそれだけで白米5杯イケるシーンであり以下略。
本作のバトルシーン、特に後半のそれは、巨大ハヌマーンVS巨大クンバカルナの大怪獣バトル、魔王ラーヴァナの操る飛行機による爆撃などかなり荒唐無稽かつ派手なバトルが繰り広げられるんですが、それらのスペクタクルを丁寧に描かれたエフェクトが支えています。というか後半の大爆発のエフェクトとかあからさまにAKIRAだったし飛行機のシーンはあからさまにナウシカだったしスタッフロールを見てると虫プロと手塚プロダクションと京アニの名前が発見できたのでアニメとしての質の高さはさもありなんといった感じです。オタクはスタッフロールもちゃんと見るのだ。
もちろん内容も面白かったです。基本はラーマ王子の物語なんですが、後半からはみんな大好きハヌマーンも活躍してて単純に英雄譚として面白かったですし、前述の通りラーマーヤナの物語を概観するには十分なわかりやすい内容でした。
また、印象的だったのが敵であるラーヴァナ側。ラーヴァナはもちろん魔王で悪魔で悪いやつなんですが、そっちはそっちでラーマとの決戦に逸るラーヴァナを諌めようとしたり、奸計を用いてさらってきたラーマの妻・シータ姫を返すように説得しようとしたりする臣下や親族がいたりするのがなんとも人間的。
また、さらわれてきたシータの世話を命じられた侍女もなんだかんだでシータをかばってたりして、ラーヴァナ側の人々もただ単に悪辣なだけではないのが印象的でしたね。この辺がインド神話のインド神話たる所以でしょうか。
ほかにも、戦いのあとで敵味方の区別なく遺体を弔ったり、ハヌマーンが魔人・クンバカルナと戦う前に、その息子であるクンバ、ニクンバの遺体を誉れとともに返すシーンなどはなんだか日本の死生観に通じるものを感じました。
インド神話は知ってるようで知識が曖昧だったりうろ覚えだったりのジャンルでしたが、本作でラーマーヤナについて改めて学び直すことができました。この状態でもう1回バーフバリなりRRRなりを見直すとまた今までになかった発見があるかも知れません。というかRRRの吹替版まだ見てないんだよな……。