さて今日も今日とて行ってきましたサンサン劇場。
本日見てきたのはこれ!
例によってポスターと予告編以上の情報はゼロで、心の妖怪アンテナに反応するものがあったので見てみることに。監督が実写版キャシャーンの監督ということで若干の不安はありましたが……。
さて感想なんですが、正直特撮やCGはけっこうしょぼく、話の展開も後半はかなりとっちらかってたのであんまり完成度の高い作品とは感じませんでした。しかし好きな方向性の作品ではあります。
事故で両親を亡くし、さらに唯一の肉親である祖母も失った女子高生・ハナ。心癒されないまま日常を生きる彼女は、いつしか奇妙な夢を見るようになります。それと時を同じくして、ハナの前に政府機関を名乗る男が現れ、ハナは自分が見た夢の内容を教えるように依頼されます。そしてハナは、世界の命運を左右する指名を託されるのですが……。
本作でもっとも印象的だったのは、無力感と絶望感に打ちひしがれるハナの姿でしょう。前述の通りハナは肉親をすべて亡くし、学校では教師も無関心、生徒からはいじめにあい、唯一の見方と言える幼馴染のタケルともすれ違いがちという孤立無援の状況。前半部分のこの状況がとにかく辛い。
本作は一見いわゆる終末モノに見えますが、本作で描かれている世界というのはあくまでハナという少女にとっての自分を取り巻く世界ということなんじゃないかと解釈しました。
つまり本作における「世界の終末」というのは、すなわちハナにとっての世界への絶望なんじゃないでしょうかね。ニュースで報道されるさまざまな事件はハナから見た社会への不信感、そして彼女のもとに現れる大人たちはやはり少女であるハナから見た大人という存在だと感じます。特に顕著なのは政治家や街の群衆。ハナの周囲の大人が彼女に対してどのように接しているかは冒頭ですでに示されており、彼女にとっては大人は頼れる存在ではないというのがわかります。かといって同級生に直接的に彼女を助けられるはずもなく……。
彼女にとって味方と言えるのは謎の老婆や政府機関を名乗る江崎や佐伯らの男女だけ。これらの大人たちは、老婆:ハナの祖母、佐伯:幼馴染のタケル、佐伯:自分の成長した姿といった形で、いずれもハナの味方に対応している役割のような気がします。
最初こそ上記の大人たちにも警戒心と猜疑心を持っていたハナですが、彼ら・彼女らが命がけで自分を守ってくれて自分を信じてくれる存在であることを知ることで徐々に心を開いていきます。これはハナが少しずつ自分の周囲の世界にも自分の味方をしてくれる存在があることを認識していく過程なんじゃないでしょうか。
そしてハナは最終的には世界の破滅は食い止められなかったものの、かつて自分の母親や幼い頃の自分がそうしたように、自身のメッセージを他の誰かに託す=自分を取り巻く社会を信じてみる気になったというラストだと解釈しました。いわば本作は、肉親を失い無関心やいじめといった社会からの外圧に絶望しそうになった=自分の世界が破滅しそうになった、破滅を願うようになったハナが、もう一度社会と世界を信じ直すまでの物語だったのではないかと思います。