それなら僕は、あの塔を目指す以外にない。それ以外、僕にできることはないんだから。
 僕はおそらく、あの塔の中で一度……あるいはもう何回も死んでいる。にも関わらずこうしてまたこの巨大な銃を背負い、あの塔を目指している。死んだはずの自分がなぜこうして生き返っているのかはわからない。それも、あの塔の中にいるという「神」に出逢えばわかるのだろうか。
 僕は等を目指して歩いていく。それしかないという虚無感が右足を、そうしなくてはならないという罪の意識が左足を順に動かす。
 僕の抱える虚無感などお構いなしに、塔は変わらずそびえ立っている。
「神の言葉」は、未だに得られていない。神は沈黙を保っているのか。あるいは、我々に神の言葉を聞く手段がないのか。
 実在する神を抱えてもなお、我々マルクト教団は神の言葉を、その一部すらも得ることはできていない。
 しかし、それを得るための手段は確立しつつあった。
 神から直接言葉を得られないのなら、神の言葉を我々人間に伝えることができる存在がいれば良い。
 
カット
Latest / 14:47
カットモードOFF
文字サイズ
向き
チャットコメント通知
夏コミ原稿を書いていきます。
初公開日: 2023年06月07日
最終更新日: 2023年06月07日
ブックマーク
スキ!
コメント
夏コミ原稿を書いていきます。
すばらしい旅
すべての人間が旅をするSF。旅によって人は自由になり、旅によって人を愛せる。
トチ
2026年楽龍ワンドロライ①
2026年楽龍ワンドロライ①『楽龍記念日』『ブルー(青)』 拙宅の楽龍の馴れ初め話。記念日だからこ…
葉月 翔