はい、2023年の映画はじめはもちろん我らがサンサン劇場。
というわけで今回見てきたのはこれ!
PCやスマホでいつでも映画が見られる時代となりましたが、これほど映画館で見るのにふさわしい、否、映画館で見なくては意味がないタイトルがあるだろうか。
しかも今回のポンポさんはまさかの35mmフィルム上映。
35mmフィルムからデジタルは当たり前ですが、その逆があるとは見抜けなかった、この海のリハクの目を持ってしても。さすが塚口としか言えない。
そして恒例の待合室はこんな感じ。
今年も見ただけで常人なら即死するような上映スケジュールをお待ちしてます。
さて感想を。
ああ~フィルム映写機の音ぉ~~~!!!!!
この令和の世に35mmフィルム上映なんかやらかす映画館がどのくらいあるというのか。
そしてポンポさんの内容と、耳を澄ますとかすかに聞こえる映写機の音がもうたまらん。
映画館でなくては楽しめない楽しみは数あれど、今回のポンポさん35mmフィルム上映は、「映画館でないと味わえない映画の楽しみ」ナンバーワンだったかもしれません。
もう映像のチラツキとかピンホールとかで血中ノスタルジー濃度が急上昇してノスタル死にするところでした。あっぶねー。
しかしポンポさん、映画制作を題材にした作品は数あれど、裏方作業である編集に焦点を当てるというのは非常に斬新だと思います。
そしてこの編集作業に、「取捨選択」という残酷とも言える選択を強いられる作業であるという意味付けをしているのがまた良い。
映画監督を目指す若者であるジーンの成功譚という枠にあえてハメずに、順調に進んでいても宿命的に生じる彼の孤独な苦悩、そして彼が作成している映画と彼の人生がオーバーラップしていく過程、映画の中に自分自身を見出すプロセス、それらが渾然一体となって最終的に映画の完成に帰着するという一連の流れ……を、まさにカットバックやフィルムの巻き戻しといったような文字通りの映画的演出で描いているこの作品、実に映画でした。
映画のみならず、なんらかの形で創作を行っている人にはどこかしら刺さる作品だと思いますこれ。隣の人とか泣いてたもんな。
本作におけるポンポさんは、なんというか「映画の魅力そのものの擬人化」のような気がします。比較的リアル寄りな造形のほかのキャラに比べてポンポさんはおもいっきりアニメアニメしたキャラデザになっているので、なんだか作中世界から浮いて見えるんですよね。
そんなポンポさんがジーンを時には優しく時には厳しく導いている姿は、まさにジーン自身のうちにある映画への思いが彼を導いていると言えるでしょう。
またこうした創作をテーマにするとしばしば「作品は商品である」「作品を商品扱いするのは良くない」というコンフリクトが起こり、かつこのコンフリクトが起こると作品のテーマが感情論にずれ込んでしまったりするわけですが、本作ではそのあたりを平等に、フラットに描いていると感じました。情熱がなければ作品は作れない、しかしお金がなければ同じく作品を作れない。
そこを本作では、若き銀行マンであるアランが資金集めに奔走する姿で描いているのがまたいい。ともすれば現実でも「お金は汚いもの」として扱われるものですが、本作ではお金もまた映画を作り上げるために、さらに言うなら夢を叶えるために必要不可欠なものであることを強調しているのが印象的でした。
しかしわたくし人形使いも創作を嗜むものの端くれとして、今年最初の映画としてこの作品を見ることで、創作者としての気持ちを新たにできた気がします。
いやー映画ってほんとにいいものですね。(パクリ)