そして何より信じられないのが……こんな、普段の自分なら絶対にやらないことをしていることに、わたしが今まで味わったことのない高揚感を覚えていることだった。
自分の中に、こんな感覚があるなんてまったく知らなかった。礼拝堂の扉を出たわたしは、誰かに見つからにようにカンテラの明かりを消して、食堂までの真っ暗な廊下を忍び足で歩いているときすら、わたしの心臓は怖さではなく高揚感から高鳴っていた。
最新の注意を払って食堂のドアを開き、厨房にあったパンを手にとり、早足で食堂を出る。
礼拝堂までの道を駆けていく。ひんやりとした夜気がほてった頬に心地良い。
なんだろう、この開放感は。今までの生活の中では、決して感じなかった感覚。そしておそらく、今日こうして禁を破り、夜の礼拝堂に忍び込むなんていう行動に出なかったら、一生感じることがなかったであろう感覚。
わたしはいつしか、声を上げて笑っていた。体の底から湧き上がってくる高揚感を抑えられない。お父様からしつけられた社交ダンスとは似ても似つかないでたらめなステップを踏みながら、わたしは再び礼拝堂にたどり着いた。
はじめにここに来たときのような怖さはもう感じなかった。礼拝堂の床板を外して地下道へ。そしてふたたび、あの少年が閉じ込められた檻へ。
少年の檻が置いてある部屋のドアを開けると、わたしが入ってきたのに気づいたのか、少年が檻の中でかすかに身動ぎする気配があった。
カンテラを檻のそばに置き、その中を覗き込む。
そして何より信じられないのが……こんな、普段の自分なら絶対にやらないことをしていることに、わたしが今まで味わったことのない高揚感を覚えていることだった。
自分の中に、こんな感覚があるなんてまったく知らなかった。礼拝堂の扉を出たわたしは、誰かに見つからにようにカンテラの明かりを消して、食堂までの真っ暗な廊下を忍び足で歩いているときすら、わたしの心臓は怖さではなく高揚感から高鳴っていた。
最新の注意を払って食堂のドアを開き、厨房にあったパンを手にとり、早足で食堂を出る。
礼拝堂までの道を駆けていく。ひんやりとした夜気がほてった頬に心地良い。
なんだろう、この開放感は。今までの生活の中では、決して感じなかった感覚。そしておそらく、今日こうして禁を破り、夜の礼拝堂に忍び込むなんていう行動に出なかったら、一生感じることがなかったであろう感覚。
わたしはいつしか、声を上げて笑っていた。体の底から湧き上がってくる高揚感を抑えられない。お父様からしつけられた社交ダンスとは似ても似つかないでたらめなステップを踏みながら、わたしは再び礼拝堂にたどり着いた。
はじめにここに来たときのような怖さはもう感じなかった。礼拝堂の床板を外して地下道へ。そしてふたたび、あの少年が閉じ込められた檻へ。
少年の檻が置いてある部屋のドアを開けると、わたしが入ってきたのに気づいたのか、少年が檻の中でかすかに身動ぎする気配があった。
カンテラを檻のそばに置き、その中を覗き込む。
少年は相変わらず憔悴しきった様子で檻の中に身を横たえていたが、