「やぁ青年。」
 白いクロスがかけられた丸いテーブル。青く薄暗い一室で、白髪の男がほのかに笑った。ひどく見覚えのある顔をしているような気がするが、心当たりはない。ジャケットにクラヴァットなんて随分と古典的な格好だ。白いドレスグローブに包まれた指は細い。指だけではない。体のどこもかしこも枝のように細い男は優雅に椅子に腰かけながら、向かいに添えられた空席をこれまた恭しく指し示した。
 「座りたまえ。立ちっぱなしもなんだろう。」
 こちらを見据える双眸はちぐはぐだ。
カット
Latest / 04:56
カットモードOFF
文字サイズ
向き
チャットコメント通知