今日やること!
・おんじゅうの続き ぼうあく
・ゴン太視点 心情優先 身体描写
BGM:Belle「はなればなれの君へ」
おやつ:ドンキで買ったトリュフチョコ
「@」→やってることのメモ
※バックアップを忘れない!
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夜中に目覚める時の恐怖について、誰かに話したことは無い。
「……ッ、は、! ……ぁ、……」
眠りから無理やり引き剥がされる感覚だった。汗ばみ、熱い全身と、浅い呼吸、ぼんやりとした視界、瞼に残る夢の跡。そういう風にして覚醒する時は決まって深夜で、いつだって、その夢の光景が思い出せない。ちりぢりになってばらばらになって、思い出せない、けれどたしかに夢を見ていた。そして、思い出してはいけない夢だと、それだけははっきり分かっていた。
「……は、は、……」
毛布の中、胸の前で固く握り締めていた両手を持ち上げ見つめる。震える拳は頼りない。誰よりも大きいはずなのに、今はやけにちっぽけに見える。こんなに身体は熱いのに、指先は凍えるほどに冷え切っている。
きっとこの拳は、思い出せない夢そのものだ。
だからこれが、恐怖なんだ。
……誰かに話したことは、無いけれど。
「…………――。……はぁ……」
冷たい拳を額につけて目を閉じる。もう一度眠れれば良いのだけれど、こんな夜に眠れた試しはなかった。それはよくよく知っている。
もう何度も、こんな夜を迎えているから。
「ゴン太は……」
独り言が口をつく。いつも、いつも思うことだ。煩い動悸に隠れるようにして胸の奥に巣食う恐怖に、いつまでも打ち勝てない自分にうんざりしていた。
「自分が、……情けないよ……」
――森から戻り、本当の家族の元で生活を始め、会話が出来る頃にその夢はやってきた。
最初はほんの小さな痙攣で。少し夢見が悪かった、疲れているのかな、そう思う程度の症状で。"友達"と話したことを家族に語った夜、皆に誇れる自分になりたいと思った夜、紳士を目指すことに決めた夜、と、日々を重ねるごとに夢が、……恐怖が、変わっていった。より恐ろしく、より冷たく、目覚めた時の自分が心底怯えるほどに、変容していったことだけは分かっていて。
……そうだ。自分はその恐怖に怯えている。
日に日に重くなる自身の症状に、ひとつも覚えていない夢の光景に、その内容に、……いつか、真正面から向き合う日が来ることに、怯えているんだ。
情けなくて、……仕方ない。
「こんなことじゃあ、いつまで経っても」
「お前ってホントにバカだよね」
「っ、え、!?」
突然目の前で風が起こった。荒々しい衣擦れに慌てて瞼を開き、ハッとする。持ち上げられた毛布の先、暗い部屋の中に輪郭がうっすらと浮かび上がって、そっか、今日ってひとりじゃなくて、
「あ、ぇ、おうまく……」
見上げながら呟いた言葉は途中で途切れた。上半身を僅かに起こしてこちらを見下ろす彼は、……いや、見下ろしてはいなかった。
というか、瞼は完全に閉じている。
「……おうまくん……?」
眉間に浅くしわを寄せている彼はようやく、こちらの声にうっすらと瞼を開いた。本当に、うっすらと、開いているんだか開いていないんだか分からないほどの細さで、多分、目が合った。
「あのさぁー……」
間延びした声と傾く頭、ゆるゆるとベッドに沈んでいく身体を見ながら、すっかり震えの止まってしまった拳をきゅうと握り締める。
「それって全部嘘なんだよね」
「は、……え?」
唐突な発言に今度はこっちの眉間にしわが寄る。彼は枕を引き寄せて、なにか納得した様子で頷いている。
「海底探検の時にも言ったと思うけど、敵を騙すにはまず味方から、って言うでしょ」
「う、うん、……うん?」
そんなことしたことあったかな、でも王馬君が言うならそうなのかな。考えながら見つめている彼は枕に顔を埋め満足そうに息を吐いている。その瞳は、やっぱりどう見ても閉ざされている。
「だからそもそもの話、追手なんていなくてさぁ」
「うん……」
「お宝があるっている話も嘘で……」
「うん」
ああ、これって。もしかして、王馬君って。
握っていたはずの拳をほどいて、手の甲で口を押さえる。
「オレたちが……トレジャーハンターだっていうのも……嘘なわけ……」
いつの間にか、動悸は落ち着いていた。
「……ふふ。うん」
彼の話に耳を傾ける内に、とうとう少しだけ噴き出してしまう。だってあまりにもはっきりと言うのだ。どう見たって瞼を閉じていて、きっと、全てが寝言なのに。
滑稽だと思ったわけじゃあない。彼の話を信じていないわけでも。むしろ、何ていうか、……詰めていた息をようやく吐き出せたと、安心するような心持ちで笑ったのだと思う。笑えたのだと、思う。
「まんまとオレに騙されちゃってさ……ゴン太はホント、バカだよねー……」
「うん……そうだね。ゴン太は、バカだ……」
きっちりと瞼を閉じてふにゃふにゃと口角を上げるその表情に、安心しているなんておかしな話だ。
胸の奥に注がれていく暖かさが優しくて、それが痛くて泣きそうなんて、……おかしい話に違いない。
「全部嘘だよ……夢なんか、全部さぁ……」
それきり彼が寝言を呟くことはなく、そっと近付いて窺うと、規則正しい寝息が聞こえてきた。身体を戻し、はだけた毛布を掛け直して、自分も肩の上まで潜り込み、息をはく。
「……そっか……」
細く、細く息をはいて、瞼を閉じる。
静かな暗闇だった。
思い出せない夢のことを、恐怖のことを、……彼は、全部嘘だと言う。
彼が言うならそうなのだろう。そんなものあるわけない、存在しない、ただの幻影だと言われるよりもよっぽど心の軽くなる言葉だった。もう何度もあんな夜を迎えていて、誰にも話すことなど出来なくて、無くなって欲しい、消えて欲しいと、心のどこかでは願っていたのに。
「王馬君の言葉は、不思議だね……」
たしかにここにある恐怖のことを、きっとこれからは怯えずに向き合うことが出来る。夢は、嘘でしかないのだから。
彼がゆっくりと身じろぎする気配がする。その拍子に彼の右手が、こつん、と左手にぶつかった。
いつもは自分より冷えている指が、今はずっとずっと温かくて、それがなんだか、……頼もしく感じた。
「王馬君。……ねぇ、もう朝だよ」
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できた!わーい
最後もう少し加筆したいけど…もう少し上手く、分かりやすく書きたいけど……それはまた明日やろ~っと