「東北きりたんとv flower」「京町セイカとアベルーニ」
単語は「現実」「いちご」「棘」
21時まで待機
何書くか全く決めてなくて、コンビも単語も何使おうか迷ってる
もーちょいちょい
まだかな
開始!
 あの人を初めて見たのは、五月ごろだっただろうか。ずんねぇ様の友達が遊びに来て、そうだその時だ。
 休日だから宿題をした後、リビングでゲームをしていた時だ。姉様も隣で見たいて時々スマホを見ていた。しばらくしたらバイブがなり、立ち上がって玄関のほうへと向かう。
 ガラガラと引き戸を開ける音と、いらっしゃーいと、楽しげな声が聞こえ始める。
 そうしてしばらくして、いくつかの足音と共に友達と姉様がやってくる。少し、手を止める。
「きーりたん」
 姉様の声がして振り向くとそこには姉様と知らない人が立っていた。
 背が姉様より高くて、髪がふわふわしてて、綺麗で、カッコよかった。
 急に、世界が鮮やかになった気がした。
 どうしていいのかわからず困っていると不意にずんねぇ様が口を開いた。
「紹介するね、この子は妹のきりたん」
「はじめまして」
 少し掠れた、癖のある声なのに聞いてて心地よかった。
「きりたん、こちらお友達のフラワ、あだ名は花ちゃんっていうの」
 そう言いながら微笑まれてどうしていいのかわからなくなった。
「は、はじめ、まして……」
 たじたじになりながら返事をする。恥ずかしくって俯いて、ゲーム、するんでと変な声を出してテレビに向き直る。
「じゃ、行こっか花ちゃん」
「あ、うん。きりたんちゃん? うるさくしないように気をつけるけどもしも騒がしくしちゃったらごめんね?」
 背中から聞こえた声に、こっちを向いていてよかったと思った。
 顔が真っ赤になっている自覚があったから。
 綺麗で、かっこいい人だった。
 友達の妹の私にまで優しくしてくれて、なんだか、照れてしまう。
 ゲームには全然手がつかない。
 ずっと私の頭はあの、フラワさんのことでいっぱいになっていた。
 あの微笑みと、あの声がずっと頭に張り付いてる。
「……」
 そうしてしばらくすると頭が冷静になり始める。男性が苦手な姉様があそこまで親し人なんて、よく考えると変だ、違和感がある。
 姉様はお友達と言っていたがあの人は姉様の恋人なんじゃないだろうか。だって、変だもん。
 何だかそう考えるとしょぼくれてしまう。
 二人がさっき並んでいたところを思い返す、お似合いだ。
 姉様も、フラワさんも綺麗で、身長差もちょうどよくて、何だか、凄く仲良しに見えた。
 そこで気づく。私は姉様を取られたと思ってこんなしょぼくれてるのかと思ったが違う。
 何だか、そう、フラワさんの隣が私じゃないことが……。
「きりたんちゃんもそのゲーム好きなの?」
「ひゃっ!?」
 不意に後ろから聞こえた声に驚いてコントローラーを放り投げてしまった。
「あ、ごめんね? 急に喋りかけたら驚いちゃうよね」
 そこにいたのはフラワさんだ。
「い、いえ……」
 さっきまで考えてたことを思い出して恥ずかしくなってどうにか忘れるように努める。
 早くどっか行ってくれと思いながらドキドキしている。どうしたらいいのかさっぱりわからない。
 そう思ってる私とは裏腹にフラワさんは私のそばに座る。
「それ、好きなんだよね」
「へ、へー……」
 私も何ですよねなんて言葉は出ずに、何だか変な笑みと、照れまくった声が出て困る。
「あ、このボスギミックボスだよね」
 そう言われた先にいたのは確かにギミックを使うことで倒すことのできるボスだ。
「で、でもギミックを無視した方がドロップが美味しいんですよね」
「え? そうなの?」
 ゲームに集中をすると口がよく動いた。
「はい、遠距離必須ですけど。ほら、こうやって」
「うわ、ほんとだ」
「ただ、時間かかるんですよね」
「はは、大変だね」
 そう言って笑う姿が綺麗だ。
 何だかドギマギしてしまう。
「そういえば、その、フラワさんは何でここに?」
「あ、ずん子がねずんだ餅作ってくれてるの。待っててって言われて。迷惑?」
「いえ……」
 全然迷惑じゃないのだが急に沈んでしまう。
 何だか誤魔化さないと。
「そういえばフラワさんと姉様ってどこで知り合ったんですか? 友達だとしか聞いてなくて」
「ん? 高校だよ」
 高校?
「え? あそこ女子校ですよね?」
 そうだ、姉様の通うところは女子校だ。
 だから、男性のフラワさんが出会うわけが無いのだ。
「うん」
「え?」
「え?」
「……あ、えっと」
「私、男だと思われてたんだね……」
 その言葉に否定できず、無言で肯定してしまう。
 そう考えてみると、違和感が徐々に解消されていく。
 現実は思い通りにはいかないが、漫画みたいにふざけている。
「えっと、勘違いさせちゃってごめんね?」
「いや、その、勘違いしたのはこちらで…」
 こんな時でも彼……いや、彼女は私のことを優しく気遣ってくれて、何だか自分が嫌になる。
「その、ごめんなさい」
「ううん、気にしないで?」
 そう言う声が沈んでいることはわかって、だからこそどうしていいのかわからない。
「でも、その、フラワさんが男でも女でも、すっごく、えっと、綺麗です……」
 そうして焦って出てきた言葉は何が言いたいのかさっぱりわからない。
 顔が真っ赤になって、声も震えてて、言いたいことがひとつも伝わってないし気がしてならない。
「そっか、ありがと」
 それでも彼女はさっきよりは嬉しそうな顔で笑ってくれた。
「いえ……」
 やっぱり綺麗で照れてしまう。遠くで姉様の声が聞こえた。
「あ、ずんだ餅出来たみたい」
「……そうですか」
「行こっか」
「はい……え?」
 戸惑う私をよそに彼女は笑う。
「きりたんともっと喋りたいからさ。だめ?」
 それを断るなんてできるはずもない。
「だめじゃ、ないです……」
「じゃ、行こっか」
「はいっ」
 現実はほどほどに非情であるが、やはり多少は優しいの、かもしれない。
 少なくとも彼女は優しくて綺麗だと思った。
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