アタシの名前はエリカ・オールドリバー。下級貴族出身女騎士だ。
実家は結構な田舎で貴族つっても平民に毛の生えたような暮らししかしてない。
でも、その頃のアタシは自分が「貴族だ」って言われて育ってたから、完全にイキってた。中央に出てからはそんな鼻っ柱完っ前にへし折られて、ケッコー真面目にやってきたつもりだけどね。
だから思うんだ、なんでこんな目に遭わなくちゃならないのか?って。
アタシは今、「○○しないと出られない部屋」ってやつに入れられてる。
理由はなんかしょーもない喧嘩してるやつを止めたのが原因だったはず。
ちょーっと手加減誤ったからって、なんだかいつの間にアタシが全面的に悪いことになってた。なんでだよ。
だってアタシ悪くなくない? でも、なんでか二人の喧嘩の原因までアタシみたいになってたんだよね。わけわかんない。
――で、結局ペナルティ部屋に入れられることになった。抵抗しようとしたら時魔術で動き止められて、問答無用で部屋に放り込まれたんだよねー。
ありえなくない? フツー時間停止魔法なんて強力なモンスターにしかかけなくない?
アタシ、いい事しただけなんだけど? なんで???
しかも時間停止魔法のせいで体温上がっちゃって、さっきから体がイヨーに熱い。
やばい。鎧脱ぎたい。
脱いじゃおっかなー。脱ぎたいなー。
なんて思ってる間に、まあ、手は動いてるよね。だって「脱ぐな」とか言われてないし。
で、脱いだわけなんですけど。
なにこれ? なんかこんなのこの部屋あった? ってくらい、唐突に、振り向いたら、なんか、生き物? なにこれ、なんか、甲羅? って感じの、そんなのがあった。
ヤバい、マジ意味わかんねー……。
つか、ヤバくない? これアタシ鎧脱いじゃって大丈夫なやつだった?
っかー、もうちょっと周り見とけばよかったなー!
訓練のときとか、いつも言われてたんだよねー、上官にさー。
でもさ、仕方ないじゃん? 暑かったし? 熱で動きが鈍っててもまあ、対応できないかもとかあるし?
つか、このなに、甲羅? 全っっっ然動かないし? 放っておいてもよくね? ってなるよね?
ってわけで、まあ、この「○○しないと出られない部屋」でめっちゃくつろいでる自分がいたりするんすけど。だって小型氷室とかあるし。冷えたエールおいしいし。
「〇〇しないと~」の「○○」を探さなきゃ~、とかはまあ、ちょっと後回しになるよね~。
寮の部屋のベッドより快適なんだもん、ここのベッド。大きいしさー。実家のベッドくらいあるの。
まあゴロゴロしちゃいますよねー。……やっべ、エールこぼすとこだった。
――で、うとうとしてたら、なんか体がむずむずする感じがする。あれー、南京虫とかいる感じ? ヤベーじゃん?
気は進まなかったけど、夏でもないのに虫刺されとか嫌だし、起きることにした。まあ、夏じゃなくても虫刺されなんてやなんですけど。
で、そしたら、体がなんが動かせない。すっごいガッチリ固定されてて、しかもなんか、全身グニグニ押されてる。なにこれ?
なにこれ?
……めっっっっっっっっっっちゃ、気持ちいいんですけどーーー???!!
なにこれめっちゃ正確にツボ押してくる。筋膜リリースしてくる。ヤバいこれ。
さっきまで体温上がってて血流良くなってたから、余計に体がほぐれてく。ヤバいこれ。
てか、なんでこんなことなってんの? って思って首も動かせないから目だけめっちゃキョロキョロしてみたら、さっきのなんか甲羅?的なものから、触手が生えてた。
亀の甲から方手足が伸びるみたいに、短い殻をつなぎ合わせたような、なんか鞭みたいなのがアタシの体を拘束して、そんでそのぐるぐる巻きのやつを断続的にギュッ、ギュッって締める感じに動かして、それがめっちゃ気持ちいい。ヤバい、なにこれ。
短い節? つか、殻が、全然ツボ押しに向いてる感じ、ヤバい。
うあ~~~~~~~~~~、いいわ~~~、これ……。
そんなこんなでアタシの意識は、気持ちいい眠気で、また途切れた。
「結局いつの間にか寮の部屋に戻ってたんすけど、あれって何をしないと出られない部屋だったんすか?」
「ああ、あれな。確か”リラックスできないと出られない部屋”に設定してたぞ」
「え?!!」
「なんだ、そんな驚いて」
「だって、あそこペナルティ部屋ですよね?! なんでっすか??!」
「そりゃあ、お前、ペナルティとして”真面目だけど有罪”のやつは緊張でガチガチになるから効くだろ? 何をしたらいいかわからない状態で、自分の罪の意識と”いつ部屋から出られるかわからない不安”と戦わなくちゃいけないからな」
「……はあ、まあ」
「で、”罪悪感のない有罪のやつ”には、あの生き物が反応してガチのペナルティが下る」
「ぅわー……はあ……」
「そんで”ガチの無罪のやつ”には、あの生き物や氷室がサービスしてくれる。普通にいいやつをな」
「はー、なるほど……ってあれ、じゃあ、アタシは……」
「――誰もお前が喧嘩の原因だなんて思ってないよ。ただな、相手が悪かったから、ああしただけだ。今頃は当人たちもあの部屋に入れられてる。今度から気をつけろよ」
「……はいっす」
「あとな、お前、いい加減、その喋り方なんとかしろ。もう少し騎士っぽさを意識しろよ、”外”ではな」
「――はい!!」
「――まあ、最近お前疲れてたからな。いいリフレッシュになっただろ。今日は一応休みだけど、明日っからはまたキリキリ働けよ!」
「はい!」
しょーじき、ちょっとこれからは面倒事に首突っ込みすぎるのは、もうちょっと考えてからにしようとは思った。
でもまた「人助け」をしたら、あの部屋に入れないかな? って、ちょっと考えてる自分がいるんだよねー。
そんでさ、もしあの「生き物」に言葉が通じるようだったら、次はちょっともうちょっとだけ強めにマッサージして、って頼もうかな? って思ったりしてる。
……上官には内緒な?
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20220104 お題「全年齢触手✕くっころドキュン女騎士(弩M)✕時間停止」
初公開日: 2022年01月04日
最終更新日: 2022年01月04日
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出してもらったお題で1時間! 書けるとこまで!!