短い話を書きたい気持ち。止まった時は長考かTwitter見てる
──耳障りな音が迫る。ホルスターから引き抜いたハンドガンを構えて冷静にヘッドショットを決める。銃声を五回響かせれば、煌々とした赤い光が鈍くなる。それでも惰性か維持か、足は止まらない。眼前にまで近寄った凶刃。ソレの頭に回し蹴りを入れる。確かな感触が踵に伝わり、そのまま砕き、蹴り抜く。頭部を無くした体は横に力無く吹き飛んだ。
背後から再び金属が擦れる音が聞こえた。振りむきながら抜いたサバイバルナイフを、遠心力をそのままに標的に投げつける。足元に落ちていた刀を蹴り上げた。ナイフが侵蝕体の眉間に突き刺さるのと、右手で刀を掴んだのは同時。体勢を立て直す隙を与えず、返す手で頸椎を両断した。刀を放せば重く痛い音がした。
静寂が、辺りに満ちた。
「すぅ……、はぁ……」
胸に手を当て、乱れた呼吸を整える。投げたナイフを回収する。真っ赤な循環液を払って鞘にしまう。そこまでして、漸く自身の惨状に気が付いた。
蹴り抜いた右足は、そのまま循環液に漬けたような赤。腕も胴体も、噴き付けたように染まってしまっている。幸いにも顔や粘膜は無事だが、全身真っ赤といっても過言では無い。
このままルシア達と合流したら驚かせてしまうだろう。しかし、そろそろ帰ってくる筈だ。どうにかするにも時間が無い。
「どうしようかな……」
頭を悩ませていると、視界に何かが過った。それは地面に斑点を作り、徐々にその数を増やしていく。思わず顔を上げれば、水滴が頬を叩いた。
雨脚は勢いを増していく。循環液まみれの装備を雨水が滑り落ち、足元に赤い水溜まりを作る。残った汚れも少し擦れば、あっという間に落ちた。
雨は冷たくない。顔に張り付いた前髪を掻き上げる。この場所は他より低いのだろう。周囲から流れ込んだ水は、通りを鏡に変えて風景を映していた。
通信機に通信が入った。どうやらみんな、無事に探索を終えたらしい。今すぐ合流する旨を伝える。水鏡を踏み乱して、合流地点へ急いだ。